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「封印された校舎 ―― 旧白銀学園の呪い」⑤

第5話「明かされる真実」

警察のサイレンが近づく中、琴音たちは旧校舎の地下から這い出るように地上へと戻った。校庭には既に数台のパトカーが到着しており、騒然とした雰囲気に包まれていた。

「琴音!健太!」
声の方を振り向くと、心配そうな表情で駆け寄ってくる美咲の姿があった。

「大丈夫だった? 突然警察が来て、みんな騒然としてるの」

琴音は友人を安心させるように微笑んだ。「うん、私たちは無事だよ。でも...」
彼女の視線が、警官に付き添われる吉田副学長に向けられた。

その夜、琴音と健太は警察での事情聴取を終え、疲れ切った様子で帰宅した。しかし、二人の頭の中は、まだ地下室での出来事でいっぱいだった。

翌朝、学校は臨時休校となった。だが、生徒たちは次々と学校に集まってきた。誰もが真相を知りたがっていたのだ。

体育館に集められた生徒たちの前で、校長が重い口を開いた。

「皆さんにお伝えしなければならないことがあります。本校の...そして旧白銀学園の歴史に関わる重大な事実が明らかになりました」

校長の話を聞くにつれ、体育館内がざわめきに包まれていく。50年前のオメガ計画、そして最近まで密かに続けられていた実験の事実が明かされた。

「そして...この真相を明らかにしてくれたのは、皆さんの仲間、藤原琴音さんと佐藤健太君です」

突如、全ての視線が琴音と健太に集中した。

「え? あの二人が?」
「まさか...」
「どういうこと?」

ざわめきが大きくなる中、琴音はゆっくりと立ち上がった。

「みんな...私から説明させて」

琴音は、これまでの経緯を簡潔に説明した。しかし、自分と健太の能力については触れなかった。その時はまだ、二人の力を公にする時ではないと感じたのだ。

説明が終わると、体育館は静まり返った。そして...

「琴音、健太、ありがとう!」
突然の拍手が、体育館中に広がった。

集会の後、琴音と健太は校長室に呼ばれた。そこには村上先生...千代子の姿もあった。

「お二人の勇気ある行動に、心から感謝します」
校長が深々と頭を下げた。

千代子が続けた。「でも、これで全てが終わったわけじゃないわ。琴音さん、健太君、あなたたちの中に芽生えた力...それをどうするか、決めなければならないわ」

琴音と健太は顔を見合わせた。確かに、二人の能力は消えてはいなかった。むしろ、日に日に強くなっているように感じられた。

「私たちの力で、何か役に立てることはあるんでしょうか?」健太が尋ねた。

校長が真剣な表情で答えた。「実は...オメガ計画の影響は、他の生徒たちにも及んでいる可能性があるんです。あなたたちの力を使って、彼らを助けることができるかもしれません」

琴音は決意を込めて言った。「分かりました。私たち、できる限りのことをします」

その日の午後、琴音と健太は旧校舎の前に立っていた。

「ここから始めようか」琴音が言う。
健太が頷く。「ああ、ここに眠る記憶を解き放とう」

二人が校舎に足を踏み入れた瞬間、建物全体が微かに震えたような気がした。

「誰か...来てくれたの?」
かすかな声が、二人の耳に届いた。

琴音と健太は、これから始まる新たな挑戦に身を引き締めた。彼らの物語は、まだ序章に過ぎなかったのだ。

その時、琴音のスマートフォンが鳴った。見知らぬ番号からのメッセージだ。

「オメガ計画は終わっていない。気をつけろ」

琴音は思わず健太の腕をつかんだ。二人の前には、まだ見ぬ危険が待ち受けているようだった。

(第5話 終)


第6話につづく

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