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udioとUMGの衝撃的な和解の件

こんばんは。
前回の予告通り、次は AmazonMusic などのアーティストアカウントの件を書いていましたが、昨日、偶然目にした表題の件について少し話をさせてください。


udio と UMG の出した結論

以前の記事で、このあたりのレコード会社と音楽生成AI会社の裁判について少しだけ触れたことがありました。興味がありましたら、以下の記事を見てみてください。

その音楽生成AIの会社のうちの一つ、udio が UMG(ユニバーサルミュージック)と和解したというニュースが出ていました。上記の通り、気にはなっていたネタなのでどんな解決になったかと読んでみたところ、なかなかの驚きの内容でした。詳細については以下で詳しく(しかもリアルタイムに近い頻度で)書かれている方がいらっしゃるので、udio を契約していなかった私は細かい内容までには触れません。が、Suno はどうなるのだろうかとちょっと考えてみたいと思いました。

udio がどんな発表をしたのか?

さて、udio は Suno よりもよい音楽を生成するらしいという特徴の、 Suno と二分する人気のサービスです。ただ、日本語が苦手というところがあって日本では Suno のほうが人気なのかなという感じでした(note 上も Suno の記事のほうが多い)。
そんな udio が UMG とどんな内容で和解したのか?その詳細も上記の記事に記載があります。udio と UMG の公式の発表は以下にあります。簡単に言うと、今のシステムを止め、UMG の許可したアーティストの楽曲のみを使ったリミックスやマッシュアップ曲を生成可能なサンドボックス環境を来年に新しくリリースしますよ、ということのようです。

文章的には非常に前向きな(New Era とか書いちゃってるし)感じですが、良く読むとすぐにあれ?と思う内容です。さらに、この udio の発表と同時に既存作成曲のダウンロードが全面停止(一時再開のアナウンスは出たらしい)し、コミュニティは大混乱と阿鼻叫喚、ついでに罵詈雑言が飛び交っている状態です。

公式の発表はともかく、今現在 udio を使っている人が望んでいるシステムではないことは明白で、しかも新サービスで作った楽曲はダウンロードも各種へのアップロードも禁止ということでは、罵詈雑言が出るのも無理もないことです(このあたりはいずれ変わるのかもしれませんが)。誰がこのようなサービスを使うというのでしょう?もちろん一部の UMG アーティストの大ファンは喜ぶのでしょうが、今の udio ユーザーの大多数はそんなものは望んでいないのではないでしょうか?(ほんのわずかには小躍りしている方もいるでしょうけれど)
しかも既存曲は発表と同時に従来の利用規約に反してダウンロード停止です。よっぽど叩かれたのが痛かったのか48時間限定で解放されるようですが、もともと弱かった udio のダウンロードの仕組みが、ユーザーが殺到することでろくにダウンロードできないのではないか?という疑念も生まれています。

発表の意味を考える

でも、udio の経営陣が自分たちの顧客の求めるものと udio の存在意義を彼ら自身がわかっていなかったとは到底思えません。UMG との交渉の結果、こうせざるを得なかったというのが自然ではないかと考えます。既存のサービスはほぼ終了して(既存の顧客が全く望まないような)新しいサービスに鞍替えするような内容からすると、 UMG の全面勝利にしか見えないのです。詳しく裁判の内容を追っているわけでないですが、udio の手持ちの武器/リソースでは UMG との交渉にはかなり不利だったということが予想されます。つまり、交渉の結果、udio の経営陣としては現状のサービスはやめざるを得ないという判断を下したのでしょう。
新しいサービスは udio の経営陣もおそらく望んていたものではないでしょう。UMG が udio をただつぶすよりは、自社にお金が落ちるようなサービスを udio の資源を使って作り変えた結果、ああいうものになったという気がします。生成AIを使って、ミュージシャンが公式に自分の曲を作ることに許可するというビジネスモデルは既に存在します。ただ、その場合のビジネス規模はそのファン限定ということで限りなく小さくなるでしょう。そのことは分かったうえで新サービスを立ち上げようとしている、ということです。

Sunoへの影響

発表では、この UMG との和解はあくまで udio だけであり、 Suno の話は出ていません。つまり、依然 UMG と係争中という状況です。Suno も同じようなことになってしますのでしょうか?もちろん udio 側の動きは Suno 側も気になっていることでしょうから、この発表を受けてどう戦うか議論していることと思います。ではどうなってしまうのでしょうか?

Suno はユーザーに対する動きを見ている限りでは全く裁判を気にしている様子がうかがえません。バンバンモデルアップデートし、新機能を追加し、Suno Studio の発表まで行い、評価額が20億ドルを超えてさらに1億ドルの追加資金調達を行おうとしているニュースも出ています。つまり、ここだけ見ていると裁判はどこ吹く風で絶好調に見えるわけです。
おそらく、この過剰に急いでいるようにも見える機能追加や資金調達も訴訟を考えてのことだと想像しています。udio も Suno (もちろん同業他社も)も、そのサービスのやり方からいずれ訴訟を起こされていることは十分予期していたはずですし、そのための準備も弁護士を交えて進めていたはずです(少なくとも自分ならそうする)。
udio はもともとその楽曲の質に定評がありましたが、最近アップデートがあまり行われておらず、一部のジャンルでは Suno v5 で追い越されたという声もチラホラ聞こえていました。Similarweb 推計の直近月間訪問によると Suno 4,380万、Udio 230万と大きく Suno に水をあけられていますし、推定のユーザー数も Suno 優勢、資金調達額も Suno が一桁上という状況らしいので、いずれにせよ Suno のほうが上という状況でした。

このような状況の中で、udio は裁判で戦うための武器が不足して UMG 側の要求を飲まざるを得なかったのではないかと推測されます。一方の Suno はというと udio ではほとんど見かけることのない様々なメディアに対して多数の宣伝も打つことで着実に認知度と実績を積み重ねることで、豊富な資金とユーザー数を得て、裁判における優位性を udio に比べると確保しているのではないかと思われます。

Suno はこの先どうなるのか?

もちろんだからと言って裁判に簡単に勝てるわけではないというのは、この裁判(の水面下で行われている交渉)の長期化を見るに容易に想像できます。udio のように UMG 側の要求を大きく飲んだかのような結果になることは想像しにくいとはいえ、UMG 以外の2社と udio の交渉も似たような結果になる可能性はあり、その結果を Suno 側も影響を多かれ少なかれ受けることでしょうから、今後も予断を許さない状況は続くでしょう。

そんな中で1ユーザーにできることは、なるべく早めに楽曲を生成してあらかじめダウンロードしておく、それぐらいかな…と思ったりしてます。
とにもかくにも、今の Suno ユーザーが udio のような望まない結果になるのだけは避けてほしい、そう願わずにはいられません。

ということで、雲行きは若干怪しいですが、また元気に楽曲を(AIが)作っていきたいと思います!

良い生成AI楽曲ライフを!


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