内発的動機|部下のやる気は与えるもの?
人の思考プロセスを、本質的な「思考回路」として視覚的に構造化する。
Systems Visualismでは、個人の内省を助け、他者との対話・共有・創造を促進するための図解を体系化しています。
本棚のように、多様な図を揃え、あなたの考える力を広げるツールを紹介します。
[1] PROLOGUE|導入
テーマ概要
人間は社会性を持つ生物であり、常に組織の一員として活動します。そのため、組織を活性化し、生産性を向上させながら、個人が自己実現を達成する方法について、古くから多くの議論がなされてきました。現在でも、多くの研究者がその理論を深め、さまざまな提案を行っています。
ドラッカーは、50年以上も前に動機付けの重要性を説き、その考えは今なお色あせることがありません。今回は、彼の名著に登場する「仕事」と「責任」の定義に焦点を当て、整理してみました。
参考資料
マネジメント 基本と原則 [エッセンシャル版] 第3章, P.F.ドラッカー, ダイヤモンド社
[2] CORE|本編
思考回路 - 図解ツール
こちらが図解ツール全体像です。
情報量が多いため、次章の解説を参考にしながら、じっくりと読み進めていただくことをおすすめします。

図の解説 - 紙芝居形式
図解ツールをパーツごとに分解し、詳しく解釈しながら説明していきます。
テーマ説明:全16枚
組織の生産性を上げるためには、一人ひとりが内なる力を発揮することが不可欠です。そのため、リーダーは内発的動機をいかに引き出すかを理解する必要があります。

内発的動機を引き出すことは簡単ではありません。そのため、多くの人が評価や報酬といった外発的な要因に頼りがちです。これらは働く上で必要な要素ではありますが、働きがいを生み出すものではありません。さらに、評価や報酬に関する権限を「責任」ではなく「権力」と勘違いし、自分の利益や影響力を拡大するために行使する人も少なくありません。

リーダーには、仕事を正しく構成する権限が与えられており、その責任を全うすることが求められます。職場の表面的なコミュニティ活性化に力を注ぐのではなく、どのように仕事を構築し、責任を果たすかに集中すべきです。

正しく構成された仕事は、まず事業や組織の目的と目標を明確に定義することから始まります。

次に、その目標を徹底的に分析し、具体的な課題やタスクを明らかにしていきます。

タスクが明確になると、必要な要素を定義でき、それらを統合してプロセスを組み立てることが可能になります。

プロセスを推進する中で、一歩ずつ成果を目標と照らし合わせ、フィードバックを行います。このプロセスの推進が、新たな未来を創造する道筋となるのです。

このように仕事を生産的に定義することで、仕事そのものに責任を持たせることができます。リーダーには、この仕事の構成に責任を持つ義務があります。

正しく構成された仕事に労働者が関わることで、彼らはその責任を自分事として受け止めるようになります。

責任を自分事とした労働者は、自ら知識や能力を高めるために学び始めます。

責任感こそが労働者の内発的動機を引き出す原動力です。働きがいを感じることで、彼らは仕事の構成にも積極的に参加するようになります。その結果、仕事の革新が進み、生産性が向上するのです。

労働者が自発的に仕事の構成に関与することで、リーダーは権限の一部を委譲し、分権化が可能になります。これにより、リーダー自身はより重要な仕事に集中できるようになります。

このように、リーダーが仕事を正しく構成する努力を怠らなければ、労働者は働きがいを持って仕事に取り組み、組織全体の生産性が向上します。

一方で、リーダーが不明確な課題やタスクだけを部下に渡す場合、働きがいを生むことは難しいでしょう。例えば、「DXが流行っているから、うちの部署にも導入して」といった曖昧な指示では、部下はやる気を感じられません。

また、「この仕事は地球環境保護のために重要だから頑張って」といった抽象的な目的だけでは、働きがいを感じられないでしょう。

やはり、因果関係の全体像を構成することが重要です。それができて初めて、我々は自律した組織を築けるのです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
図解ツールを手元に置いて解釈を深めたり、
「良い組織」「機能する組織」「メンバーの自発性」について周りの仲間と議論する際の、「論点の地図」として活用してください。
[3] INSIGHT|考察
図解をまとめての感想
世の中には、これまで見聞きし読んできたように、たくさんの組織論や経験談が存在します。自己効力感、働きがい、個人の自律、エンゲージメントなど、その切り口は枚挙に暇がありません。たくさんの似て非なる情報に触れるうちに、自分自身が混乱してしまうこともありました。
そこで、ドラッカーの言葉だけに集中して読み込むことで、ようやく一人の鉄人の考えをほんの少し自分の中に落とし込めた気がします。そして最新のマネジメント研究理論もすばらしいですが、彼が語る構造は普遍的で、自分の身の回りでも「あるある」と感じられるものでした。そして、自分の周りの社会や組織がどう在るべきかについて、ヒントを得られた気がします。
前回作成した「企業活動」の図解と今回の図解を、自分の仕事に積極的に取り入れ、実践していきたいと思います。
[4] NAVIGATION|関連情報
過去の図解
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