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【ショートストーリー】月へと。
このお話は、【ショートストーリー】カブトムシ のスピンオフとなります。合わせてお楽しみいただけると、より准らしい視点を感じられるかと思います。
いつもはひんやりと冷たくて、手の甲でなぞると、するりとしている麻理さんの肌に汗が滲む。
僕は宇宙飛行士にでもなったかのように勇敢な気持ちで、麻理さんを優しくうまく導いていく。
月へと。
ふわふわと星空を自由に漂いながら、時折り、丸く漂う甘い水滴を移しあう。
麻理さんの白い脇腹を、カーテンの隙間から漏れた淡い光が渡り、波打つと、ぐんと月に近づく。
「もう少し」
無重力の銀河で、逸れないようにしがみつく麻理さんからは、太古の地球の匂いがする。生命の泉、雄大な海の匂い。
上も下も前も後ろもわからない宇宙をぬけて、ついに僕たちが月に着いたとき。
僕は、麻理さんに聞かざるを得なかった。
「大丈夫、だった?」
すると彼女は月の上で言うのだ。
「すごかった」
と。
あつい夜を越えて。
今回のチャレがや企画のテーマは「月」ということで、書き始めたショートストーリー「カブトムシ」の二人に、夜のお散歩でもしてもらおうかと思っていましたが、どうしても出かけたがらない感じでしたので…。准の脳内を描いてみました。ふわふわと浮遊感を感じていただければ嬉しいです。
みくまゆたんさん、コッシーさん、よろしくおねがいいたします🧑🚀
