ドラマ『修学旅行で仲良くないグループに入りました』-ハセガワ監督回の感想編-
▫️はじめに
初回の『-出会いと気付き編-』、前々回の『-それぞれの監督回についての感想編(進藤監督回)-』、前回の『-それぞれの監督回についての感想編(藤澤監督回)-』の続編について書き記したいと思う。
▫️4人の校長先生(詳しくはリンク先に掲載)
本作には4人の校長先生がいる。(と勝手に思っている)
その3人目が、ハセガワタクヤ校長先生で、第5/6話をご担当された。
今回は、私が感じたハセガワ監督回の良さについて書き綴ろうと思う。
(※あくまで私の感想なので、監督の意図とは異なるかと思います!!)
▫️ハセガワ監督は目で「魅せ」、耳で「効かせ」、小道具を「再料理」する凄腕料理人
【第5話】
”表情キャッチボール”
・第5話の冒頭。渡会の「もしよかったら俺と」から始まる表情キャッチボール。惹きこまれすぎて、気づけば画面と自分の顔の距離がめちゃくちゃ近くなっていた。
・このシーンを観て、ハセガワ監督は、
≪日置(藤本氏)と渡会(簡氏)の繊細な表情を切り取るのがめちゃくちゃ上手いな≫
と感じた。
”パイナップルシンドローム”
・ここのスローモーションは何回リピートしたことか……。
・ここのカットなんですが、
” 日置のアップ➡渡会のアップ➡2S(ツーショット)➡手首アップ➡日置アップ➡渡会アップ➡日置アップ➡渡会アップ➡日置アップ➡2S➡日置のリアクション ”
カット数多っ!!
でもまったく疲れない。むしろ、ずっと見ていられる。
四万十川の清流のごとく、美しすぎるカット割りだった。
”学年集会”
・学年集会のシーン、リアルすぎません!?写真に向かってワイワイいう感じ。ここのシーンリアルすぎてめっちゃ好き。
・からの日置がうずくまるシーン。守崎の肘打ち、BGMも相まってテンポが良すぎてこちらもお気に入りのシーン。
・テンポが良すぎるといえば、バド部三天王の登場からの、日置を連れ去るシーン。
SE(効果音)3連発からのプチ辻谷劇場を挟んでからのとどめのSE。緩急があってコメディ感もあってめっちゃ好み。
”大嫉妬渡会祭り”
・辻谷の無意識攻撃をくらう渡会。嫉妬にまみれた渡会を計10秒もアップで(引きでは8秒)魅せていただきありがとうございます。
”2階から眼福”
・もうみなさん、お分かりですね。” オレンジタイム ”来ました。
名シーン確定演出みたいなものです。
・嫉妬まみれの渡会には光が当たらず、純粋無垢な日置には溢れんばかりの夕日が当たっていてとても対照的で美しかった。
「もしかして嫉妬?」の日置の顔は全10話の中でも、上位に入るくらい好きです。
”伝説のカーテン”
・まず音がいい。日置をつかむ音。カーテンを引っ張る音。カーテンで包み込む音。日置を抱きしめる音。小声で話す音。耳が喜んでおります。
・あと、すごい熱が伝わってくるんですよね。いろんな熱が。
そしてここのシーン、2人の表情がとにかく良い。
ハセガワ監督回は何か専用のフィルターがかかってますか?っていうくらい、本当に2人の表情が良いんですよね。
”サングラス越しの日置”
・サングラスってそういう使い方できたんですね・・・。アンビリバボーすぎです。
・てか、私は誰か分かってたんですけど、原作知らない人は≪ほんまに誰!?≫ってなったんじゃ・・・。続きが気になる終わり方が、THE・ドラマって感じがします。
〔若干気になった点〕
・日置が葛西先生(担任)に荷物を持たされているシーン。急にめっちゃパシリにされている感が出ちゃう?
たまたま近くにいた日置に頼んだとか、日直が日置(実際は早瀬?)だったから頼んだみたいななぜ荷物を持たされているのか分かる1カットがあっても良かったと思う。
・お弁当のシーン、誰か一人くらいは水筒持ってきて(笑)堀田あたりバカデカ水筒でも面白かったかも?
・学年集会のシーン。最初の座っている順番ってどういう順番なんだろう・・・。名簿順かと思ったら、日置の前には堀田、後ろに仲里がいる…。渡会と守崎は後ろにいる。一体何の法則性なのかが分からない…。サスペンスだ……。
【第6話】
”バックミラー誘拐”
・斬新すぎるバックミラーでの会話。最後、遼翔さんが振り向く時の怖さに対するいいスパイスになっている。
・みんなが合流した時の、遼翔さんについたSE(ギター音?)最高すぎる。
”青春の海はスローモーションで…”
・みんなが海で遊んでいるシーン。スローモーションでたっぷりと魅せていただきありがとうございます。みんなが楽しそうで、タイトル通り” 夏の海、想いが溢れ(る) ”ました。
”私は貝になりたい”
・貝拾いに夢中の日置の背中。え、背中がこんな可愛いことあります!?
・「じゃん」って言われて貝を見せられた時、最初は貝にピントが合っていたのに、すぐにピントが日置に合う渡会の気持ち分かりすぎるし、それを見事にカメラマンさんが再現したのスタオべすぎます。
・えっ、日置目線の渡会もいただいていいんですか・・・。ありがとうございます。ありがとうございます。
”SEのレパートリー”
・強火担/同担拒否の時のSEおもしろすぎる。SEの引き出しが多すぎる。
”海を見たら思い出す”
・伝説のアイスシーン。ここでも” オレンジ ”(夕日)がいい仕事しているんですよ…。
・ウエッ・・・!ここでED!??!?まだ12:21でっせ?!
≪これは・・・ラストシーンは覚悟せねば……≫
初めてこのシーンを観た時、直感的にそう思った私。
「本当に覚悟した方がいいですよ…」とあの頃の私に伝えてあげたい。
・そして溶けるアイス…。
日置のモノローグが入る!スローモーションも来た!!揺れるアイス!!!渡会のリアクションはそのままのスピードで!!!!スローで日置がアイスを舐める!!!!!
ここ!!ここの渡会の表情が!!!全10話を通して私が最も好きな渡会の表情なんです。
思いもよらぬ日置のアクションに時が止まる渡会。(波の音もオレンジもほんま良い仕事しているんですよ・・・)
・このシーンを観てからというものの、この先、海を見たらアイスを思い出してしまう体になってしまった・・・。
”覚悟しとけって言ったでしょーが”
・海辺での介抱シーン。ここでも波の音とオレンジが本当にいい仕事しています。そしてここのシーン、最低限のBGMしかなく、監督が二人に” 託した ”感がヒシヒシと伝わってきて・・・。ラストも二人の背中と波の音だけで終わる。
・攻めた終わり方。でもこの終わり方、好きです。
私は監督という職業に就いたことはないのですが、もし私が監督をしていたら、
≪これはしてやられたなー≫
と悔しがっていたはずです。
それくらい6話は強烈なインパクトを残した回でした。
▫️おわりに
ハセガワ監督回を振り返って、最も強く感じたのは、「魅せる」・「効かせる」演出力の高さだ。 目で「魅せる」カット割り、耳で「効かせる」音の設計、そして小道具をまるで別の料理のように再構築してみせる手腕。そのどれもすべてがとてもバランス良く噛み合っており、美しい映像作品になっていた。 だからこそ、何度見返しても疲れることがなく、むしろ細部を追うたびに新しい発見がある。
第6話はEDを真ん中で持ってきたり、ラストで残された余韻は強烈で、その潔さと大胆さに、私はただただ「してやられた」と感じた。
観終わったあとも、波の音やオレンジ色の光、溶けていくアイスのイメージが頭から離れない。それこそが、ハセガワ監督の狙いだとしたら、私はまんまとその思惑にハマってしまった。
次回は、第9話をご担当された安見悟朗監督回について語っていきたい。
