2023-2025 旅行記コラム集
自分の書いたNote記事を読み返してみると、「あれ、新聞の社説(コラム)に近い書き方になっている!?」と感じる部分があった。自分自身でも今までを振り返る機会も兼ねて、コラム形式で書いてみようと思う。新聞1面のコラム欄の感覚でじっくりと読んでほしい。
2023-2024 飛騨高山
高校からの念願! 1人旅で会得した自己成長
707文字
高校時代、自分は授業でスマホアプリを開発していた。大学生の卒業論文みたいなものだと思う。自分のグループは岐阜県をテーマに割り当てられ、アプリ制作のためにいろいろ調べているうちに興味が湧き、漠然と「岐阜に行きたい!」と思っていた。
車の免許を取ってすぐに「しゅっぱ〜つ!」とはならず、街乗りでさえ不安でいっぱいの日々。それでも徐々に行動範囲を広げ、隣県の山梨へ日帰りドライブに行くほどになり、車の運転が大好きになった。
ついに一人旅を決心し、6年越しの念願を叶えた。周囲の力を借りずにすべて自分で計画を立て、自己責任で行動することをテーマにした。下調べ不足で思い通りに行かない場面もあったが、山道のドライブで見た圧巻の美しい紅葉に、一生脳裏に焼きついて離れないほどの深い感動を覚えた。
その半年後、高校時代の友人を誘ってリベンジ高山の旅行に出た。自ら人を誘う経験は一度もなかったのに、自然と周囲を巻き込む自分がいた。1人旅ではできない、2人だからこそ楽しい瞬間を共有することで、旅が終わるときに「さびしい」というネガティブな気持ちが生じた。しかし、その気持ちは「たのしい」思い出であることの裏返しだ。「また行こうね」と言い合い、車から降りる友人に元気に手を振りながら後にした。
「他力本願」という、人の性格や行動を表す言葉がある。かつての自分もそうだった。人はいきなり大きく変わることは難しい。ただ、小さな変化を積み上げれば大きな決断がしやすくなるだろう。自分の人生は自分のものである。他人に責任を押し付けず、自分の行動に責任を持つことで、大人としての「自立」を会得できた。その結果、自信を持つことに繋がる旅だったといえる。
20241109_越前大野の1人旅
北陸の小京都の朝市で得た気づき
709文字
飛騨高山の古い町並みの情緒に魅了され、近い雰囲気を持つ越前大野へ1泊2日の一人旅に出た。両者ともに「小京都」と評され、朝市が有名である。地元農家による新鮮な野菜や地域の特産品が露店に並び、現地人と会話を楽しみながら買い物をする体験は、唯一無二の観光資源だ。
一方で、農家の高齢化と後継者不足の課題もある。越前大野の七間朝市通りに店を構える南部酒造場の店主から話を聞いたところ、「近頃は出店数も少なく今後は朝市の継続が厳しい」と語っていた。
翌朝、地元の小学生が朝市に出店して大根を販売していた。日曜だが登校日らしい。本人たちが好きでやりたいなら良いが、文化継承のために大人が強制参加させているのであれば、活動の在り方に疑問を感じてしまう。
中には「自作ゲーム」というユニークな出店もあった。SDGsを題材に、コントローラーは廃材を再利用。プログラマーを目指していた私は意気投合して20分以上も話をしていた。「好き」の情熱が伝染し、自然と元気ももらえて明日以降への仕事の活力となった。
農業の後継者不足が避けられないなら、ゲーム出店のように農作物の販売に固執せず、学生の文化祭出店のように体験型イベントを通して「人との関わりを生む文化の継承」とすれば良いのではないか。
大野の人たちは優しくて温かい。前日、町中華で出会った店主のママさんが温かく話してくれて、おまけにカジキのバター焼きをサービスしてくれた。朝市出店者との会話にも血の通った人間の温かさがにじみ出ていて涙が出そうになった。
決してこの地域の温かい文化が途絶えてはならない。本当に後世に残したいものは何だろうか。本質をよく考えながら継承活動を進めてほしい。
20250301_早春伊豆の旅
天国と地獄が共存!?早春伊豆の極端な想い出
708文字
毎年恒例のお花見日帰り旅行である。今年は寒さが長引き、去年より3週間ほど見頃が遅れた河津桜は、今がピークに達している。
高速道路を降りて伊豆縦貫道へ。去年に比べて明らかに混雑が激しい。目的地から9km手前の名所「河津七滝ループ橋」の手前から激しい渋滞に巻き込まれた。去年のペースならば午前9時前が目的地の到着予定時刻だったが、実際は12時であった。渋滞はまるで大きな存在によって収容されているような耐え難い苦痛だった。
到着後は、50分の短時間観光である。菜の花と満開の河津桜のコンビネーションに息をのむほどの美しさを堪能した。「この世とは思えない美しさだ。天国に行ったら、こんな感じなんだろうなぁ。」と本気で思った。
美しい景色は河津桜にとどまらない。日本三大つるし飾りの一つに数えられる伊豆稲取のつるし雛は、集合体恐怖症の人が怖気づきそうなほどのおびただしい数に加えて、一つひとつが想像をはるかに超えたクオリティ。ひな祭りの歴史を感じられ、圧巻の美しさであった。
「花より団子」ということわざが有名だが、そうは問屋が卸さない。同時にどん底の地獄も味わったからである。朝5時台に家を出たのに、伊豆半島全体が行き帰りともに絶望的な激しさの渋滞、通常30分が3時間かかるほどだった。ランチにもありつけず、往復12時間と観光2時間、計14時間にわたる過酷を極めた今回の日帰り旅は、一言で言えば「団子より花」になってしまったと言わざるを得ない。
翌日、Xのポストでもあまりの渋滞の激しさに閉口するコメントが多かった。来年は旅行自体を見送るのか、地獄に耐えてでも天国を見るのか。ツラい2択にならないことを祈るばかりである。
