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vol.300「想像できないことに取り組む。指し示す人と 任された素人集団。」

師事し、尊敬もする政近準子さん(メタファッションジャパンMFJ校長)の、「出版記念(書籍『装力』&ファッションレスキュー創立25周年祝賀会」に参加してきました。
企画の準備段階から当日の運営まで関わらせていただいたイベントです。

ものすごい学びや気づき(気づかされ)があり、終わってからもいろいろ考えが巡る。吸収するどころか、なかなか整理しきれていません。
第一弾としてシェアします。長くなりました。


◆目的地を指し示し、ブレないこと。

パーティーの構想が提示されたのは2月末~3月上旬のことでした。
以下、私の解釈を交えて整理します。

◇テーマ「Renaissance 再生」。

聴いた瞬間に「あーーっ!」となった。「これ以外にない」と思えたタイトル。政近校長が過ごしたフィレンツェ発。文化、芸術、花の都。「伝統と革命」だと Revolution という言葉があるけど、語感が直截的すぎる感じ。
Renaissance、納得感のある言葉。
※Renaissanceはフランス語。イタリア語ではRinascimento(リナシメント)。

◇目的。

出版記念、周年記念を謳うが、自身(政近校長)が主役ではない。
「正統に装って出かける」「パーティーにカップルで参加する」、日本にはそういったパーティー文化がまったくない。定着、知ってもらう第一歩にしたい。また、お客さま自身が「再生」を体感する。きっかけとしていただく。

◇ドレスコード。

Black Tieを基調としたフォーマルな装い。
Something Flower 装いのどこかに花を想起させるものを添えて。
タキシード、イブニングドレスを基本とするが、ダークスーツでも参加いただける。また、その人自身の確立された装い(たとえば和装)を否定するものではない。

◇参加人数、200人。

お客さまがいなければ何も始まらない。といって上限設定なしに"集客"するのは違う。政近校長自身がゲストと触れあいのできる規模として「200名」をひとつの規準にする。(最終270名!)

◇構成演出

・ダンス
運営メンバー(MFJ生徒)によるダンスを行う。テーマは「THIS IS ME」(映画『グレイテスト・ショーマン』)。新著『装力』でも登場する、「人の価値は人との違い」「個から素の時代」とも通じる。
・ランウェイ
会場にはレッドカーペットを敷き、その上を参加者皆さんに「ランウェイ」してもらう。ファッションショーで観たことはある、でも自分が歩いたことはない。新しい体験をしていただく。

◇「プラスワン」

自分に加えて、大切な人(プラスワン)を誘うこと。「誘ったけどダメでした」ではなく、現実に連れてくること。「あなたたち自身の参加の条件と思ってください」。

テーマ「Renaissance」、目的「パーティー文化の定着」、ドレスコードの言いきり。いわば素人によるダンス。そして参加型ランウェイ。
これらを考案し、デザインし、決めきる。権限と責任の点でも、知見 知恵 思考の深さの面でも、政近校長にしかできないことだった。
これらが当日に向かって、編みまこまれたように、糸が撚りあげられるように、形になっていった。

背景のある人が掲げると納得しかない。「あぁ…!」となった『Renaissance』

◆「想像できないこと」を想像し、取り組む。

パーティーの構想を政近校長から聞いて、「一体どうなるのだろう?」と何度も思ったものです。
・帝国ホテルで、200名(最終270名)。
・生徒によるダンス、お客さま参加型のランウェイウォーク。

参加費をどう設定すればいいのか。高すぎては参加のハードルが上がる。といって赤字になることはできないし、開催する意味がない。それだけのお申込みが来るのか。プラスワンを連れてこれるのだろうか。

ダンス、ランウェイ、写真撮影、それ自体は知っている。仕事で、大規模なイベント運営に従事したこともある。だけどもそれらは、所属する学校や会社が、結果の責任を負い、自身はメンバーとして参加するものだ。ランウェイに至っては見て知っているだけだー。
「どうなるのだろう?」と思いながら、示された構想を実現するため、動きはじめました。

自分たちで詳細を決めて、自分たちで作り込んで、自分たちで運営し、出演する。運営メンバー間のミーティングは、延べ数十回、累計100時間を超えていたと思います。
パーティーが、成功、というより、まず成立するのか。
正直なところ、本番を迎えるまでわからなかった。

結果は、Facebookの政近校長のポストをはじめ、タイムラインに流れる参加者皆さまのポストをご覧ください。
人間、自分で経験していないことを、想像では補いきれないものだ。そしてそれでも、最後までやり続けると、とにかくどんな結果であれ、たどりつけるのだ、と、つくづく実感しています。

プロのカメラマンの手になる写真。ぜんぜん違う。

◆「任せる」の意味。

いま振り返っても驚くのは、私たち生徒有志、いわば『パーティーの素人集団」に、具体的な準備・運営を任せきったこと。
「自分たちで準備しました。いっしょう懸命やりました」といくら言っても、最終結果のすべての責任を負うのは政近校長(ファッションレスキュー社)なのだ。
延べ何十回、累計100時間超(推定)のうち何度か、コアとなるミーティングには参加されたし、要所では(要所、要所、要所では)叱咤や軌道修正の指示が飛んだ。
けれど、ともかく任せきった。
そのうえで、大詰め、本当に手が回らない部分には、強力な援軍に声をかけて、助けていただいた。(誘導、受付、カメラマン、その他その他、助けてくださり、、、ただただ ありがとうございました!)

この、「何は任せて、何は陣頭指揮するか」「どんなことに寛容で、どんなことに厳しいか」。
その観点ひとつ、、めちゃくちゃ勉強になる。今回にはじまったことでなく、MFJに参加したときからだ。

政近校長のポストに「やらない理由や、逃げる思考を断つこと」とある。
任せるのをやめとこうと思えば、いくらでも判断できるだけの材料はある。
疑おう、心配しようと思ったら、いつどの瞬間でも、そうすべき理由はある。
だって私たちは、しょっちゅう失敗したし、紆余曲折したし、迷走していたのだから。
それを、決めて、任せた。

他人ごととしてこの話を聞いたら、呆れたかもしれない。自分の友人がそうしたら、慌ててとめたかもしれない。
私たちを、単に『信じた」のとも違う。そんな単純なキラキラした話ではない。決めたのだ。「逃げる思考を断つ」ように、「心配しないライン」を決めたのだと思う。
決めて、ブレない。
「ダンスもランウェイも、やりきります」
「ベストドレッサー賞はかならず開催します」
「集合写真も絶対に撮ります。撮るには、を考えて」
「プラスワンは『なるべく』じゃない。連れてくること。やりきりなさい」
最後までブレなかった。
前にも何度か触れた、「ファッションのプロである前に、根っからの教育者」だからだ。と思っている。

ファッションのプロである前に、教育者。

◆現地現物主義。

パーティーの開催までに、現地(首都圏)では、仲間たちがリアルに集まって、コアな部分を進めてくれた。

数度にわたる会場視察と打合せ、シミュレーション。
会議室を借りてのダンスの練習会。
GW連休のどまんなかに、半日かけての通しのリハーサルと詰めをおこなう(私たち地方組はリモート参加)。
備品、設備を発注し、配送先を決め、受け取り、前日~当日に搬入する。

それぞれに本業の仕事もある中で、予定を確認し、日程を合わせる。集まりやすいエリアで場所を探し、予約確保する。往復の時間をつかう。
自分でやってみるとわかるけど、非常に労力と負担がかかるものです。
何度も集まり、地道に詰め、練習を重ね、搬送関連を担ってくれた現地のみんなには頭が上がりません。
たびたびの質疑、打合せ、内容変更に対応くださった帝国ホテルスタッフの方々も含めて、改めて御礼申し上げます。

数ヶ月にわたって準備をともにした仲間たち with 写真スポット用「等身大政近準子パネル」

◆「素の集まり」の持つエネルギー。熱い空間、熱い時間。

そして迎えたパーティー当日。
さまざまなトラブルは起きた。失敗もあったけれども、ゲスト皆さんが、とにかく笑顔だった。
仲間たちが練習を重ねたダンスには温かい拍手と歓声があがった。
写真撮影スポットでは、途切れることなく待ち行列が発生した。
ランウェイは、ものすごい盛り上がりだった。

私個人は、「いちばん悪くてどんな結果か」を予測するのが習性になっています。悲観的とか心配性とかともすこし違う。自分のお役目、持ち味だとも思っている。みんなが同じところに注意を集中したって仕方ない、とも思っている。
その「悪い予測」は 大外れして、とにかくテンションの高い、熱量の多い時間となった。

(ランウェイの写真のちほど)

そして、270人の持ち味、素が集まった空間は、視覚的にも素敵でした。
ドレスコードは「ブラックタイを基調としたフォーマルな装い」タキシードやイブニングドレス。なのだけど、会場にはさまざまな装いが集まった。
そして、それが良かったと思う。

正統派タキシードの人がいたから、アレンジして遊びを入れた人も映える。
ドレスの人がいたから、和装の人も映える。
ファッション達人の装いが勢揃いしたから、それ以外の皆さんのそれぞれの工夫も光る。
ロングスカートの女性がいるから、中性的に寄せた女性もかっこいい。
イベントやパーティーのプロの方たちがいるなかで、素人集団が、冷や汗をかいたり青ざめたりしながら、真剣にやるから応援してもらえるー。
人との違いがその人の価値である。
持ち味が、互いに照らしあい、引き立てあう。
学校の教え、新著の教えを、生きた実例として感じとれた日だった。

こうして、
途中、「本当に当日がやってくるのかしら?」
当日、「無事に最後までいけるんだろうか?」
と何度も思った一大ミッションは、とにもかくにも完了したのでした。

集合写真ひとつ、大事(おおごと)だった、270名。

私事ながら今回家族で参加させていただきました。
どんな人に学んでいるのか。どんな人たちと、どんな場で学んでいるのかを、じかに知ってもらうことができた。さらに特別枠の賞をいただく等など、連れていけてよかったと噛みしめています。
「プラスワン=大切な誰かを誘う」を提示し、仕向けてくださった政近校長には、感謝しかありません。
企画全体の振り返りや次への改善点等を言語化して記録に残すなど、すこしでもお返ししていきます。

当日の台本ほか資料。万一の紛失を想定して「拾われた方にはお礼さしあげます」。

以上、第一弾をご報告します。
長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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