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【写真】現代童話『サカナの骨が苦手なネコ』の世界を写真で歩く〜No.1〜真鶴編①〜

これは、現代童話『サカナの骨が苦手なネコ』の世界を、写真で歩いてみる試みです。

物語の主人公ニャムダーは、サカナの骨が苦手なネコ。
けれど彼は、自分の苦手さを抱えたまま、少しずつ外の世界へ歩き出します。

今回は、そのニャムダーが見ていそうな景色を探しに、真鶴を歩きました。


駅に着く

旅は、錆びた柱の横から始まった。
誰かを待つでもなく、急ぐでもなく、駅はただ静かに立っていた。


信号機は、何も言わずに空を見ていた。
進んでいいのか、止まるべきなのか。
旅のはじまりは、いつも少しだけ迷う。


町の記憶

白い壁に、緑が少しずつ入り込んでいた。
置き忘れられた椅子のように、町の時間もそこで休んでいるようだった。


道は曲がる、と標識が言っていた。
まっすぐ進めないことを、ここでは誰も責めていない。


閉じた扉の向こうにも、暮らしは残っている。
古びたガラスには、まだ誰かの声が薄く映っているようだった。


遊具は、もう回らない。
けれど、止まったものだけが知っている時間もある。


神社・境界

石段は、上へ上へと続いていた。
登るほどに、町の音が少しずつ遠くなっていく。


灯籠の列が、道の端を守っていた。
ひとつひとつの灯りは消えていても、そこには祈りの形が残っていた。


赤い橋の向こうに、小さな静けさがあった。
渡っていいのか迷いながら、それでも足は前へ出た。


振り返ると、町はまだそこにあった。
遠くなったのは景色ではなく、さっきまでの自分かもしれない。


森の奥へ

木々は、まっすぐではなかった。
曲がりながら、絡まりながら、それでも森は奥へ続いていた。


森の奥に、鳥居があった。
入っていい場所なのか、ただ通り過ぎるべき場所なのか、少しだけわからなかった。


倒れた木は、まだ何かを抱えていた。
枯葉の中の小さな赤だけが、眠った体温のように残っていた。


森の中に、言葉だけが残されていた。
全部は読めなくても、誰かがここで何かを思ったことは伝わってきた。


大きなものが、ここにいた跡。
朽ちた根のまわりから、小さな緑がまた生えていた。


海へ向かう

木々のすき間から、海の気配がした。
まだ遠いのに、潮の匂いだけが先に届いているようだった。


草の向こうに、海が見えた。
道は細く、少し荒れていたけれど、たしかに海へ続いていた。


海岸へ。
その文字は、迷っていた足に小さな向きを与えてくれた。


港の現実

森を抜けると、港町の端に出た。
赤い灯台は小さくても、海の前で確かに目印になっていた。


錆びた結び目は、ほどけないままだった。
海のそばには、きれいな景色だけではない重さがある。


港の裏側には、置かれた網と閉じたシャッターがあった。
ここでは、誰かの仕事のあとが、静かに風を受けていた。


現代童話『サカナの骨が苦手なネコ』をNoteとTALESで公開しております。
写真とあわせて読んでいただけると、ニャムダーの旅が少し違って見えるかもしれません。

⭕️Noteの連載記事

⭕️TALESの連載記事


今回の撮影機材

撮影:SONY α7C / Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS
現像:ART


ニャムダーの旅は、少しずつ写真と物語として残していこうと思っています。
いつか、小さなフォトブックのような形にできたらいいなと思いながら。

つづきはまた
気が向きましたら・・・

では



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