有償カメラマン2年やったけど撤退するから、失敗の原因を見ていけ
これまで必死こいて「役者ポートレート」をやってきたわけですが、この度、有償のご依頼について撤退を決めました。
これまでご愛顧いただいた皆様に感謝の限りです。
いろいろ破綻が出始め、私自身に限界が来てしまいました。
最短で今年8月、長くても年末までには、ポートレートを趣味の範囲内まで縮小させる計画です。
期間ギリギリまでご依頼受け付けておりますのでご検討ください。
2020年の終わりごろに始めたポートレート。
2022年から本格的に有償対応にしていくつもお仕事を頂き、細々ながら続けてきました。
その中で数多くの失敗をしてきました。
インターネット芸人の端っこにいる身ですから、そんなこともコンテンツにネタに昇華してナンボ。
私の浅はかな見立てで始まった物語を見てやってください。
構成としては
・失敗3つ
・失敗の中でも成功してたこと
・個人的なメンタルの話
です。
これから写真で何か目指そうという方の道中の石を拾う記事になれば。
大きな失敗3つ
失敗は大きく3つ。
①心理的ハードルの高さ
②営業が向いてなかった
③ターゲットに届くメディア戦略
それぞれ解説していきます。
①心理的ハードルの高さ
私がターゲットにしているクライアント様は役者さんです。
宣材写真を用意しようとしたとき、事務所に入っていれば一括で撮ってもらえるので準備できる。
一方でフリーの人は自分で準備せざるを得ず、自撮りをするか、お友達に頼むか、プロで宣材写真を撮っている人に依頼するかになります。
また舞台に出演する場合は、一定程度撮影される機会が訪れるのです。
その時に撮影慣れしている役者さんの方が、何かと有利に働いたりします。
私の撮影でもって経験を積んで、撮られなれてもらおうというプラン。
そんな戦略で挑んでいたワケですが、どうにも依頼を増やすのに苦戦しました。
一番の原因は「なにもそこまでして撮られる必要がない」「依頼することに心理的ハードルがある」こと。
よく聞く言葉は「いつか撮ってもらいたいです~」ですね何百回と聞きました。
人間、キッカケがないと主体的じゃないんです。
ここを解消するための戦略が立てられなかったのです。
プロのマーケティング術なら太刀打ちできたかもしれないけど、私のポンコツマーケティングでは何もできん。
これが子供の七五三だったり、運動会だったり、就活用の証明写真だったり、定期的に多くの人が必要とする写真だったら話は違います。
役者さんの写真はいつ撮ってもいい、逆に言えばいつでもいい、後回しにしても問題ないのです。
そりゃ依頼増えないわね。
②営業が向いてなかった
一方で舞台の撮影スタッフだったらどうでしょう。
こちらも需要在りそうだよね?
そんなことない。
ある劇団さんが撮影スタッフを選定するとき、①縁 ②手近な安い人 ③クオリティの高い人、の順で選んでいるように(私目線で)思います。
つまり過去に一度依頼した人には継続して依頼するし、出演者にカメラをやっている人がいればその人に頼んじゃう。
外部の人間に入り込む隙間がそもそも存在しなかったのです。
また「写真にそこまでクオリティを求めてない」「クオリティを気にしたことがない」という声も聞きます。
カツカツで講演打ってるわけですから、お金かけられる箇所は限られます。
逆に「写真にこだわる」という舞台ならプロの第一線で活躍されている人に依頼するのが筋です。
平たく言うと営業力が必要だったんです。
私の本職は技術職、営業を相手する立場。
もう興味ない営業の相手している時間の無駄さ、断るときの気まずさ、そういったものが分かるからこそ営業することが苦痛で仕方なかった。
フリーランス向いてないっすね。
別の角度から行くと、レッドオーシャンなのか否かは、事前にわからない、もしくは分かる範囲が限られてる。
最初からもっと大きな縁に恵まれていたなら話は違ったのでしょうが、ごくごく小さなところからスタートする身としてはハンデが大きすぎるのです。
③ターゲットに届くメディア戦略
私がマーケティングとまでは行かないまでも、新規開拓をしてきたプラットフォームは旧Twitter、Instagram、note。
また営業として役者さんのSNS回り、配信回りなど。
と色々やってきたわけですが、結局役者さんへ直接届くメディアを作り上げられなかった点は大きな失敗と捉えています。
一番わかりやすいのは旧Twitter。
現在800人程度フォロワーがいますが、そのうち大半が写真アカウントなのです。
写真ばかり投稿してたらそりゃそうなるだろうと。
ましてやホームページも作っていません。
毎月の運営費用の方が高くつくと思ったので。
「役者 宣材写真 撮影」なんかで調べるとスタジオ完備の会社がズラァ…なので相当のSEO対策とスタジオの賃貸と機材が必要になりますね無理です戦えません。
もっとマーケティングリサーチなり戦略なりで、より実現性の高いブランディングやターゲット広告の打ち出しなどが必要だったのでしょう。
もしくはコミュニケーションスキルを磨いて、ファンたちに混ざってリプを送る地道な活動…は私にはできなかった。
そういった意味で一定の成果は出たものの、メディア戦略も失敗していたんだろうと。
失敗の中でも成功していた箇所
なにも失敗だけしていたワケではない。
ここではパンドラの箱の底に残った希望のように、わずかながらでも成功していた箇所をシェアしていきます。
①noteでの発信
写真を撮る人間がnote、ないしブログを書く利点として、写真だけでは伝わらないコンセプトや考え方が伝わるという点です。
私にご依頼をくださる方の多くが「note読んで依頼しました」と言ってくださるのです。
写真からだけではどんな人なのか分かりません。
写真以外に日常投稿をしていたら別ですが。
深いところ、つまり写真に対しての向き合い方や、撮影のコンセプトなんかについてはブログは有利に働きます。
ある種の「心理的ハードルを下げる戦略」にはなってくれました。
②「使ってもらえる写真」を前提にしたこと
当たり前と言えば当たり前なのですが。
自分のアーティスト性を出すよりは、「使ってもらえる写真」であろうとした点はよかったと考えています。
「○○さんのアイコン私が撮ったんですよ~」と共通で知っている役者さんの名前を出すことは、ご依頼獲得の第一歩として最適でした。
なにより私自身が営業せずとも、役者さんの共演者さんが興味を抱いてくださるケースが少なくなかったのです。
勝手に広告塔みたいになってくださるし、役者さんは写真を褒めてもらえて自己肯定感上がる、win-winの媒体でした。
しかし「ほかの誰かに代替される」という感覚とも背中合わせであったことは確かです。
なのですこーしだけ私の好きな要素を入れて、そこにグッと来るか来ないかの反応を伺ったりしていました。
個人的な話
ここからは、再現性はないかも知れないけどメンタル的にキツかった話。
むしろこの内容こそ、有償ポートレートをやめるに至った根本原因なので、何か趣味から仕事へ発展させようという方は知っておいてほしいこと。
〇自分の人間としての価値=受注や実績 に置き換わっていた
端的に言うと「仕事貰えない自分に価値なんかない」「賞を取れない自分はゴミだ」になっていました。
ここから始まり様々な悪影響をメンタルに及ぼしており、以外のコミュニティで何人もの方へご迷惑をかける羽目に。
何が起きたかという話ですが。
ポートレートでもポートレート以外のコミュニティにおいても、「それが仕事に繋がるか」という思考が抜けなくなってしまったのです。
趣味だったプロレス観戦はお金の無駄だから行かない。
人との付き合いも損得勘定してから。
なにかお金を出すからには「記事としてウケるか」を基準に判断。
そんな日々にいよいよ限界が来てしまったのでした。
賞について。
記事にしようか迷っていたテーマとして「美容師を大会の実績で選ぶか」を持っていました。
Instagramでバズってる人に担当してもらって自信を付けたい人もいれば、自分の感性に合っているからの人も、家から近いからの人もいる。
でも「なにか実績がないと自分はダメなんだ」という強迫観念から、日夜いろんな人の華々しい実績にダメージを食らい、写真が辛いものになっていったのです。
写真を嫌いになる前に、もっと純粋に写真と向き合いたい。
そう思い決断に至ったのです。
そして自分自身を見つめ直し、本気で変わろうとも。
〇撮影0件の月のストレスに耐えられなかった
フリーランスに向いていない問題。
会社員の仕事と違って計画通りに事が進みません。
なので全く撮影のない月もあれば、今月のように月6本の撮影でレタッチが絶望的に間に合わないと震える月がランダムに来るのです。
特に私のテリトリーである演劇は、舞台公演の時期が被るということが往々にして発生します。
たとえばゴールデンウイークや年末、その中間あたりは役者さんが稽古で忙しく、依頼が全く来ないのです。
撮影0件の時のメンタルは絶望的。
だって苦手な営業活動しなきゃいけないのですから。
そして自尊心も削られていく。
よく2年やってこれたなと。
もしフリーランスとして営業も実務も全部やろうとしている方は、組織内で仕事を分担していたときとのギャップについて考えることをオススメします。
自分がやらなければならない仕事は圧倒的に増えます。
耐えられないなら組織にいなさい。
おわりに:ポートレート撮りを人に勧めるか
これまでを振り返って。
辛かったことと嬉しかったことで天秤にかけたなら、嬉しかったことの方が多かったように思います。
舞台上でキラキラ輝く役者さんが、私に撮られてみたいと言ってくださり、自分の新たな可能性に気づく機会を提供できたのですから。
特に嬉しかったのは「自分の笑顔に自信を持てるようになりました」という言葉。
笑顔を撮ることが目的でない私の写真で、結果的に笑顔を好きになってくださった。
何ごとにも代えがたい。
また写真が圧倒的に上達したと思っています。
3年前の自分と比較して、どのジャンルの写真も見違えるほど質の平均値が上がりました。
私の場合、質の良いホームランを打てるようになるというよりは、安打をたくさん打てるようになることが”上達”だと思っているので。
さて、ポートレート撮りを人に勧めるか、で締めましょう。
「人間として明確に評価されることに耐えられるなら楽しいよ」です。
技術は大前提として、会話や容姿への気遣い、人に対しての興味の持ち方など、ありとあらゆる面において配慮や努力が必要になりました。
私はそれを成長と位置付けられましたが、プライドが高く「(努力したくないけど)ありのままの自分を受け入れてくれ!!!」という救えぬ者だったら周囲に迷惑を振りまくだけなので絶対に勧めません。
いや、私もそのケがあるけど仮面を被っていただけのケダモノでしたが、ね。
長々と自分語り失礼しました。
今後ともよろしくお願いいたします。
それでは。
こちらもどうぞ
これまで撮ってきたポートレートのマガジンです。
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