良い物語を読むと写真で表現したくなる|ポトレでやってみたい3選

どうも、プロレスとか役者さんポートレートを撮っているたかはしです。

いろんなところからインプットを増やしてみようと、実用書以外に小説を読んでみたりしてます。
歴史的に名作とされる作品を中心に読んでいるので、読みごたえがありますし、後世に与えた影響を元に考察ができるのでいい資料になっています。

今回は読んできた作品の中から、写真で表現してみたいと思わされたシーンを3つピックアップしてみようと思います。
自分の備忘録だったり、モデルさんへの提案材料として、また共感してくれる人がいたら嬉しいな的な記事にできたら幸いです。

チャリントンの小道具屋の2階|ジョージ・オーウェル「1984」

最近聞いてるラジオ番組のパーソナリティの方が推薦していたので読んでみた、ディストピア作品の金字塔。
後世の作品へ与えた影響は数知れず、調べれば調べるほど力の大きさを思い知らされる作品です。

舞台は1984年の「オセアニア」と呼ばれる大国の一地域、旧英国。
政府によって行動や思考、情報が統制され、貧しい生活を強いられ、個人の自由などない、まさにディストピア。
そんな環境に疑問を抱く主人公ウィンストンと、彼に近づく女性ジュリア。
二人は政府の目を掻い潜り逢瀬を重ねるが…

二人の関係が深まっていくうちに行き着くのが、チャリントンという老人が営む小道具屋。
ウィンストンが物語冒頭に日記を購入した店で、2階の部屋を二人に貸し出してくれます。
この部屋には、政府によって接収されてもおかしくないような、過去の時代の物品が残っています。
またジュリアがコーヒーや紅茶など、普段味わうことのできない嗜好品を持ってきてくれる場でもあります。

この部屋のポイントは、政府に背きながら愛を育む場であり、ノスタルジーに浸る場であり、二人に迫るタイムリミットを知らしめる装置であること。
人間賛歌といいますか、抑圧された中でも残る人間としての尊厳を取り戻す抗いが、如実に描かれる部屋
なのです。
本作で有名な「101号室」も衝撃的でしたが、こちらは作品の説得力を高める舞台装置のように思えました。

単に部屋の情景を描いても良さそうですが、そこに渦巻く感情を写真に落とし込みたいなと。
背徳、愛憎、懐古。
人間にとって根源的で、魅力的で、衝動的な感情が「部屋に詰め込まれている」っていう点が創作意欲を掻き立てて
くれます。

…ネズミとか放り込んでもいいかも。

十人の小さな兵隊さん|アガサ・クリスティー「そして誰もいなくなった」

ミステリーの女王が放った、クローズドサークルの代表作品であり、見立て殺人の代表作品「そして誰もいなくなった」。
話の顛末はさておき、作品の中で出てくる童謡「十人の小さな兵隊さん」を写真で表現できたら面白そうという浅はかな考えです。

作品の中で、この童謡に見立てて殺人が行われていきます。
タイトルの通り『犯人含め誰もいなくなった』という状況、そこから始まる種明かし含め、「これは作家を動かすなぁ…」と思わされました。

童謡を写真にしたとき、10枚でセットになるわけですから、1枚1枚にバラしたら「なんのこっちゃ」になります。
ですが、一枚絵としてそのモデルさんを引き出す雰囲気づくりは欠かさず。
しかし全部をつなげると、童謡として成立する作品になる。
その上で、本作のトリックの要素を混ぜ込めたら、分かる人には分かるし、映像作品との連動なんかでもコンテンツになりそうだな、と。

あとは、明るい雰囲気のポートレートに縛られたくないという反抗期です。
死に対する恐怖、恐怖に陥れようとする狂気、原題からの改変を経て意図が見えなくなった童謡。
そんなおどろおどろしさを含んだ、人間の汚い部分の見えるポートレートが撮りたいという衝動といいましょうか。

私の汚い部分をさらけ出せるのが写真だから楽しいのかもしれません。

ネオ・ヴェネツィア|天野こずえ「ARIA」

人生の教科書、ありますでしょうか。
私のそれはARIAに他なりません。
漫画作品ではありますが、ただの漫画ではありません。

科学技術が発達し、火星に移住できるほどになった時代の物語。
そんな時代にあって、不便さを楽しんだり、感覚や感情を研ぎ澄ませたり、人と人の関わり合いを考えたり。
人間の根源にある素晴らしさ、世界の素晴らしさを知らしめてくれる、それがARIAです。

これはどの場面をどのように表現するというものではありません。
ネオ・ヴェネツィアという世界そのもの、そしてある種の哲学や宗教のような世界観を表現したいのです。

またダークサイドから抜け出せない中二病引きずりマンな私にとって、ARIAの光あふれる世界は失ってならないものなのです。
人間の汚い部分を人間賛歌と表現するのなら、世界の素晴らしさを賛歌として表現したい。
モデルさんがいて、世界があって、物語があるという奇跡を、誰かに見てほしい。

白黒のページに、オレンジ色の夕焼けと歌声が見えた私の心情は、形にできるでしょうか。

まとめ:ポートレート撮りたい

まとめると、
・1984のディストピアにある人間賛歌
・兵隊島に渦巻く狂気
・ネオヴェネツィアを満たす光
を撮りたいな
というお話し。

以前に書いたのですが、しばらくポートレート撮影がお預けになっていまして。
とにかく耐え忍ぶ期間の言い訳としてインプットを増やしております。

先日久々にプロレス観戦に行きまして、写真も撮ってきたわけなのですが、どうも勘が鈍って仕方がない。
以前なら注意できていたこと、撮り逃さなかった場面、間違いなくできていた設定など、色んなところに綻びが見えました。
ある程度継続していないとダメだなと…

ポートレートも1か月以上間が空いてしまうので、危機感を抱かずにはいられません。
しかし今がそういうタイミングなだけで、焦る必要はないと自分に言い聞かせています。
楽しむだけの余裕がないと、相手も楽しんでくれませんしね。

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