問題点が出ても 解決するところまで会議だと思っていない会社
会議で問題点が出ること自体は悪くない
むしろ現状への疑問や将来への不安が何も出ない会議よりは健全だと思う
先日の会議でも 会社の今後に関わる重要な話がいくつも出た
これまで会社を支えてきた主力製品の総数が今後減る可能性があること
仕事の総数が減れば 競合他社との取り合いが今より激しくなること
今の作り方を変える分岐点に来ているかもしれないこと
新しい事業についても ただ製品を設置して動かせるだけでは いずれ他社との差がなくなる可能性があること
受注から納品まで長期間かかる案件では 目の前の仕事だけでなく 一年後や二年後の予定まで見ながら人員と予算を考える必要があること
どれも会社の将来を考えるうえで軽く流していい話ではない
ところが会議が終わったあとに残った決定事項は一つもなかった
何を調べるのか
誰が担当するのか
いつまでに案を出すのか
次回の会議で何を判断するのか
そのどれも決まらなかった
問題点は出た
危機感のある言葉も出た
参加者もそれぞれ意見を言った
それでも何も決まらない
この会社では 問題点を見つけたところで会議が終わっているのだと思う
問題を口にしただけでは何も変わらない
主力製品の仕事が減る可能性があるなら 本来はその次を考えなければならない
今の作り方のどこを変えるのか
設備を変えるのか
工程を変えるのか
見積もりの出し方を変えるのか
対応できる製品の幅を広げるのか
納期で勝てる体制を作るのか
別の業界へ営業範囲を広げるのか
競争が激しくなったときに 会社として何を受注の武器にするのか
ここまで話して初めて 分岐点について考えたことになる
しかし実際には 作り方を変える必要があるかもしれないという話が出ただけで 何を変えるかという話には進まなかった
コンサルがいるなら どのような改善方法が考えられるのか聞けばいい
同じような状況の会社では どこから手をつけているのか
設備投資以外に何ができるのか
受注体制と生産体制をどうつなげればいいのか
今のうちに集めるべき数字は何か
そのために外部の知識を借りているはずなのに 話を聞いて感想を言うだけで終わってしまう
それでは知識を買っているだけで 会社を変えるために使えていない
社員に無理をさせられないなら 仕組みを変えるしかない
製造部についても似た話が出た
急ぎの仕事を頼みにくい
対応できる人とできない人がいる
今の時代は社員に無理をさせることが難しい
ここまでは一定の理解が示されていた
昔のように 気合いや長時間労働だけで急ぎの仕事を乗り切るやり方は続かない
それはその通りだと思う
ただ そこで話が終わってしまった
社員に無理をさせられないなら 無理をさせなくても回る仕組みを考えなければならない
どのような急ぎ案件なら受けるのか
誰が優先順位を判断するのか
通常案件の納期を変更する条件は何か
応援に入れる人をどう育てるのか
外注を使う基準はどこか
急ぎ案件に備えて あらかじめ余力を残すのか
特急対応なら価格へ反映するのか
こうした話まで進めなければ 現場は何も変わらない
社員へ無理をさせにくい時代になったと理解を示すだけでは 次に急ぎの仕事が来たとき また誰かへお願いするしかなくなる
そして断られれば 製造部の士気が低いという話になる
会社から見れば 士気が低い社員かもしれない
でも社員から見れば 会社が何も整えないまま また自分たちへ負担を頼んでいるだけかもしれない
何も決まらない会議は社員の士気まで奪う
社員の士気が低いとよく言われる
しかし社員が最初から会社へ興味を持っていなかったとは限らない
問題点を出しても何も変わらない
改善案を出しても担当も期限も決まらない
危機感を共有しても次の行動につながらない
会議で話した内容が 翌日からの仕事に何も反映されない
これが続けば 社員は少しずつ学習する
言っても変わらない
考えるだけ損をする
意見を出せば 自分の仕事が増える
黙って言われた仕事だけしていた方が楽だ
何も決まらない会議は 時間を奪うだけではない
社員から考える意味と発言する意欲まで奪っていく
AIの話になると担当者へ全部流れてくる
会議では AIを使って作成した業務アプリについても話が出た
他の業務にも使えないかという話になると 企画も設計も実行も担当者へ全部流れてくる空気を感じる
AIで何ができるのか
どこまでなら任せられるのか
元になる情報をどう整理するのか
誰が確認するのか
導入後の保守をどうするのか
こうした部分を理解しないまま AIに詳しい人へ振ればいいと思われても困る
経営側も少しは自分で触った方がいい
実際に入力してみなければ どのような回答が返るのか分からない
間違い方も分からない
得意なことも苦手なことも分からない
自分で触らなければ理解できないし 一度説明を聞いただけでは覚えられない
AI推進を担当者へ任せること自体が悪いわけではない
会社として何を実現したいのか
どの業務を優先するのか
どこまでの予算を使うのか
誰が運用責任を持つのか
それを決めるのは経営側の仕事だと思う
目的も優先順位も決めずに全部振るのは 任せているのではなく 問題解決の責任を移しているだけになる
営業へ仕事を取ってこいと言う前に
会社として受注体制や生産体制を整えないまま 営業には客と仲良くなって仕事を取ってこいと言う
私はこの言葉にずっと腹落ちしていなかった
客と仲良くなることは営業の仕事だと思う
関係を作れば 次の案件情報を早く聞けるかもしれない
顧客の困りごともつかみやすくなる
ただし それは会社が用意した受注の武器に上乗せするものだと思う
会社として狙う市場を決める
選ばれる理由を作る
価格と納期に根拠を持たせる
受注後にきちんと作れる体制を整える
営業が使える設備や技術や仕組みを用意する
そのうえで この武器を使って受注してほしい できれば顧客と関係を作って次の情報も取ってきてほしいと言われるなら理解できる
しかし会社側が何も整えず 仲良くなって仕事を取ってこいだけでは 受注の責任を営業個人へすべて載せることになる
客と仲良くなることは営業の仕事だけど 仲良くならなければ売れない会社にした責任まで営業に負わせるのは違う
実際に受注体制が整っている競合他社は 接待をしなくても仕事を受注している
接待をしなくても 返事が早い
見積もりが早い
納期回答が正確
技術提案ができる
難しい案件でも できる条件とできない条件を整理して返せる
顧客から見れば 仲がいい会社よりも 任せても事故が起きにくい会社の方が発注しやすい
接待しない他社に仕事を取られているなら 足りないのは営業の愛想ではなく 会社としての受注体制だと思う
解決するところまでが会議ではないのか
問題点が出ることは悪くない
経営者が危機感を持つことも必要だと思う
コンサルの話を聞いて 自社について考えることにも意味はある
ただ そこで終わってしまえば会社は変わらない
何をするのか
誰がやるのか
いつまでにやるのか
どの数字を確認するのか
その結果を見て何を決めるのか
ここまで落として 初めて問題が前へ進む
問題点が一つも出なかった会議より 問題点が山ほど出たのに決定事項が一つも残らなかった会議の方が危ないのかもしれない
問題に気づけない会社も危ない
でも問題に気づいているのに何も決めない会社は もっと危ない
問題を口にしただけでは 会社は一ミリも変わらない
問題を次の行動へ変えるところまでが 会議の仕事だと思う
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