「そんなに書かなくても大丈夫?」と言われても、私が走り書きをやめない理由。 ──国家資格3つ合格した“思い出す記憶術”
新しい仕事を覚えるとき、私にはひとつの「儀式」があります。それは、とにかく めちゃくちゃ書くこと。
今日も経費処理のレクチャーを受けながら、A4コピー用紙を高速で埋めていました。自分でも「ちょっとこれは書きすぎじゃない?」と思いながら、手は止まりません。
その様子を見た社員さんが、笑いながら言いました。
「諏訪さん、そんなに書かなくても大丈夫ですよ(笑)」
その言葉に救われつつ、心の中の私は静かにこう思っていました。
「でもね、これが必要なんです。これをやらないと、私は理解できないんです…!」
ここでは、一見ムダに見える「大量の走り書き」が、なぜ私の仕事習得や資格勉強を支えてくれているのか。そのリアルな理由をお話しします。
とにかく「迷わず書く」という儀式
仕事を教わるとき、私は綺麗なノートを作ろうとはしません。そもそも、綺麗に書く余裕なんてないのです。
裏紙でもOKなA4コピー用紙を取り出して、「重要かどうか考えない。書くかどうか迷わない。」このモードに入ります。
説明中に「あ、これ書くべき?」と考えている一拍のあいだに、流れが変わってしまったり、相手の何気ないニュアンスを聞き逃してしまうのです。だから、耳に入った言葉、画面の変化、相手の指の動き、全部を書くことにしています。
あとで読むと「これ必要?」「なんの暗号?」というメモもたくさんあります。でも、その「その場の匂い」みたいなものは、丁寧なノートでは絶対に残せないと思うんです。
走り書きを「理解」に変える──清書の時間
本番は、仕事を教わった「その後」にやってきます。
できるだけ記憶が新しいうちに、自分だけの業務マニュアルノート を開き、走り書きから清書していきます。書き写すのではなく、整理し、意味づけし、つなげていく。
ここで毎回必ず思うことがあります。
「え、私これ、理解したつもりでぜんぜん理解してなかったんだな…」
走り書きを見ながら、記憶をたぐり寄せていきます。
「このボタンの次は…あ、そうだ、この画面だ」
「あ、だからあの説明が必要だったんだ」
点だった情報が線になり、線が面になる瞬間が訪れることがあります。
これは資格勉強でも全く同じでした。講義中にはひたすらノートに書きなぐり、家に帰ってからは マインドマップ で整理をするのが、私の勉強法です。キーワードだけを見て内容を思い出す練習を、毎日繰り返しました。
私はこのやり方で、国家資格を3つ取ることが出来ました。
記憶のカギは、「思い出す」という負荷
脳には、
すぐ消える“短期記憶”
残ってくれる“長期記憶”
の2つがあります。
ただ読んだり、ただ聞いたり、ただ書き写したりしても、脳は「大事じゃない」と判断し、短期記憶フォルダに入れてしまう。
でも、
「なんだっけ?」と記憶を探す行為は、脳にとって“大仕事”です。
脳はこの負荷を重要サインとして受け取ります。
「ここまで思い出そうとしてる。これは生きていく上で大切な情報に違いない!」
こう脳が“勘違い”してくれるからこそ、情報が長期記憶に送られる。記憶は努力の量ではなく、思い出す回数 で決まるのです。
走り書きは、未来の自分への“種まき”。そして、誰でも今日からできること
現場では、とにかく迷わず書きなぐる。
あとで、悩みながら清書する。
この一見まわり道なプロセスの中に、
「思い出す」→「理解が深まる」→「自分の知識になる」
という強力な流れが自然に生まれます。
私はこのやり方で、仕事も資格勉強も、自信を持って覚えられるようになりました。
そして何より——走り書きの紙は、数時間後の“過去の自分”からのメッセージです。清書するとき、そこに眠っている「あの瞬間の感覚」を拾いにいくことで、理解が格段に深まります。
🌱 読者のあなたも、今日からできる“超シンプルな記憶術”
もしあなたが、
新しい仕事を覚えたい
学びを深めたい
忘れっぽさをなんとかしたい
と思っているなら、ぜひ一度この方法を試してみてください。
① コピー用紙を1枚用意して、とにかく書き殴る
② その日のうちに、5〜10分だけ清書する
③ 清書中に「思い出せないポイント」を見つけたら、そこが伸びしろ
たったこれだけで、理解の深さが驚くほど変わります。
あなたの「あの瞬間の熱量」を、紙に閉じ込めてみてください。それは、未来のあなたが知識を思い出すための、最高の「種まき」になります。
