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【第5話】月30万稼いでも満たされない?在宅ワーカーが「ただの内職」だと悟った日

【前回までのあらすじ】
専業主婦からクラウドワークスで10万円稼げるようになり、プロクラウドワーカーの称号をもらう。勢いに任せて開業届を出して個人事業主になった。夫に「いくら稼げばいい」と聞いたら、返ってきた答えは「500万円」。サラリーマンの平均年収がベンチマークとなる。

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開業届を提出したあの日の高揚感は、今でも鮮明に覚えている。

「ついに私も、一人の個人事業主になったんだ」と、やる気はこれ以上ないほどに満ちあふれていた。

クラウドソーシングサイトで地道に実績を積み上げ、念願だった「プロクラウドワーカー」の称号も獲得。

しかし、目標だった月10万円を稼げるようになっても、私の心はどこかスッキリしない。

「月10万円じゃあ、到底満足できない!」

それが正直な本音だったのだ。

そんなときに頭を悩ませたのが、クラウドワークスのシステム手数料。せっかく稼いだ報酬の2割が引かれてしまうのは、事業として考えるとかなり痛手なのは間違いない。

100万円稼いでも、手数料で20万円取られてしまうのは大きい。

手元に残る金額を見るたびに「もっと効率よく稼ぎたい。直接依頼を受けられるようにならなければ」という思いが日増しに強くなっていった。

Xでの直営業とポートフォリオ戦略

そこで私が目を向けたのが、X(旧Twitter)を通じた営業活動。

実は以前、ライター検定講座を受講した際、講師の方から「SNSを活用したほうがいい」とアドバイスを受けてアカウントは開設していた。

なんとなく発信していたところを、1日3ポスト×毎日を継続。同業のライターたちと積極的に交流を図りながら、タイムラインに募集ポストが流れてくればすかさず応募。

行動量を一気に引き上げた。

応募時に欠かせないポートフォリオは、使い慣れた「note」で作成。しかし、当時の私には、何か突出した専門性があったわけではない。

それでも、「プロクラウドワーカー」という第三者からのお墨付きは、営業において大きな武器になったのは間違いない。

実績をきれいにまとめたnoteを添えてアピールすると、拍子抜けするほどすんなりと採用が決まっていったのだ。

収入の逆転劇!月収30万円への軌跡

その後、Xでの営業だけでなく、参加していたコミュニティ内での募集にも瞬時に手を挙げるなど、積極的に行動した。

さらに、少し先を歩く先輩ライターさんたちに積極的に話しかけ「何かお手伝いできることはありませんか?」と仕事をもらう工夫も重ねた。

その泥臭い行動量は、確実に数字となって表れるようになった。

なんと、月の収入は10万円から15万円、そして20万円へと順調に伸びていったのだ。

クラウドワークスでの売上は毎月8万~15万円で安定。加えて大きく変化したのは、やはり直案件の収入だ。

1月には0円だった直案件が、4月に5万円、9月に8万円と成長し、11月にはついにクラウドワークスと直案件が10万円ずつで並ぶまで成長。
そして12月、クラウドワークス10万円に対し、直案件は20万円。

見事に逆転を果たしたのだ。

仕事の内容も、クラウドワークスではWordPressの入稿作業が中心だったのに対し、直案件ではSEO記事の執筆や取材案件など、より裁量と責任の大きなものへとシフトしていった。

「やれるものは全部やる!」

どんどん仕事をこなし、ライター仲間との交流も広がる毎日は、ただひたすらに楽しく、充実感に満ちていたた。

奥歯の詰め物が外れた日

しかし、そんな全力疾走の年末に、思いがけない異変が起きた。

ある日、ふとした瞬間にポロリと奥歯の詰め物が外れてしまったのだ。
虫歯になったわけでも、硬いものを噛んだわけでもないのに…。

慌てて歯医者に行くと「無意識に強く食いしばっているのが原因ですね」と指摘されだ。

その言葉を聞いて、私はハッとしたのだ。

自分では「楽しい」「充実している」と思い込んでいたのだが、知らず知らずのうちにプレッシャーを感じ、ものすごいストレスを抱え込みながらキーボードを叩き続けていたんだ…。

納期に追われ、クオリティへの重圧と闘いながら、文字通り「歯を食いしばって」仕事をしていた現実に、その時初めて気がついた。

これは「単価の高い内職」

詰め物が外れた奥歯を気にしながら、私は自分の働き方を冷静に振り返ってみた。

確かに収入は増えた。

でも、自分が手を動かすのをやめた途端、収入はゼロになる。

どれだけ文字を書き、どれだけ案件をこなしても、それはその場限りの「労働の切り売り」であり、自分自身の資産として積み重なっていくものではない。

「この仕事って、結局のところ『単価の高い内職』みたいなものだな」

それが、月30万円を稼げるようになってたどり着いた一つの結論だった。赤ペン先生をやっていた時と働き方は、何も変わっていない。

ライティングの仕事自体には大きなやりがいを感じていた、クライアントの役に立てる喜びもあった。

でも、これを5年後、10年後もずっと同じペースで続けていくのかと問われると、答えは「ノー」かも。

体力も気力も、いつか必ず限界が来る。

ただの内職で終わらせないためには、労働集約型の働き方から抜け出す必要がある。そう気づいた私が、次の一手として考えたのは「営業」と「提案」の在り方を根本から変えることだった。


この記事は「note創作大賞」に応募するための私のノンフィクションビジネスエッセイです。
専業主婦15年以上から、内職を経て、個人事業主になり、夫に言われた年収をクリアするまでの地方在住引きこもりおばちゃんの成長物語です。

果たして、ただ依頼をこなすだけだった在宅ワーカーが、どのようにして自分だけの価値を生み出すようになっていったのか。

そのヒントは、私が日々書き溜めていたnoteでの「ある宣言」に隠されていたのだ。

──次回予告『【閑話休題】働き始めて良かったこと』へ続く。

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