見出し画像

決断力を磨く経験|20代にオーダースーツをおすすめしたい理由と、テーラー直伝失敗しない選び方

「オーダースーツって、まだ早いですよね?」

オーダースーツサロンをやっていると話すと、
こう20代の美容師の方から聞かれました。

このような質問を受けると、「そんなことありません、オーダースーツも投資と同じで早く始めるとメリットが多いです!」とおすすめしています。

私がスーツやファッションが大好きなのと、職業柄ポジティブなお話をする、というのももちろんありますが(笑)、オーダー製品の買い物は、自分の基準を作っていくプロセスだと私は思っています。

自分のスタイルを早くから知ることは、メリットだらけです。

今回は、若い方にこそオーダースーツの良さを知ってもらいたい、という思いを熱く伝えたいと思います!



① なぜ、20代こそオーダースーツなのか

オーダースーツをおすすめする理由は、単に「サイズが合うから」ではありません。

もちろん、体に合ったスーツは見た目を整えます。肩の収まり、ウエストのシェイプ、全体のシルエット。既製品ではどうしても生まれる“微妙なズレ”がなくなるだけで、印象は驚くほど変わります。

ただ、本質はそこではありません。

ファッションは、
「自己イメージを把握すること」と、
「それを外に表現すること」
この両方を担っています。

自分はどう見られたいのか、どんなスタイルに心地よさを感じるのか、そして、何を「良い」「好き」と感じるのか。こうした価値観は、本来、試行錯誤の中でしか見えてきません。そして、その探索を20代のうちから始めておくことは、単なる服選びを超えた「経験」として大きな意味を持ちます。

しかし実際には、多くの人がそこに気づかないまま、なんとなく既製品を選び続けています。サイズが合っているかどうかも曖昧なまま、「こういうものだろう」と受け入れてしまう。

オーダースーツは、その状態から一歩抜け出すきっかけになります。

採寸を通して自分の体を知り、生地やデザインを選ぶ過程で、自分の好みや基準に向き合う。そうして出来上がる一着は、単なる衣服ではなく、“自分なりの基準”の出発点になります。

20代で一度この体験をしておくと、ファッションに関するその後のディシジョン・メイキングが確実に変わります。

だからこそ、オーダースーツは「余裕ができてから」ではなく、「まだ基準が固まっていない20代」にこそ、おすすめなのです。


② オーダースーツの基礎知識

オーダースーツに興味を持っても、「種類が多くてよく分からない」という段階で止まってしまう方は少なくありません。まずは、最低限おさえておきたい基礎をシンプルに整理します。

オーダーには、大きく3つの種類があります。

1つ目は、パターンオーダー。
既に用意された型紙(パターン)をベースに、サイズや生地を選んで調整する方法です。比較的価格も抑えられ、初めての一着として選ばれることが多いです。

2つ目は、イージーオーダー。
パターンオーダーよりも調整範囲が広く、体型に合わせた補正がより細かく入ります。既製とフルオーダーの中間的な位置づけです。

3つ目は、フルオーダー。
型紙を一から作る、最も自由度の高い仕立てです。その分、価格や納期も上がります。

20代の一着目として考えるなら、結論はシンプルです。
パターンオーダーか、イージーオーダーで十分です。

この段階でフルオーダーを選ぶ必要はありません。なぜなら、まだ「自分の基準」が固まりきっていないからです。まずは適正な価格帯で、フィット感と基本的なデザインを押さえることのほうが重要です。

価格の目安としては、パターンオーダーで3〜5万円、イージーオーダーで5〜10万円です。ここをひとつの基準にすると選びやすくなります。

ここで大切なのは、「高いものを選ぶこと」ではなく、「自分に合った選択をすること」です。

オーダースーツは、一度作って終わりではありません。着て、違和感を感じて、次で修正していく。その繰り返しの中で、自分のスタイルが輪郭を持っていきます。

だからこそ最初の一着は、
「完成度」よりも「スタート」として適切かどうか
を考えることが重要です。

▼失敗しないオーダースーツの選び方について、詳しく解説しています。


③ 20代のオーダースーツの選び方【5つのポイント】

ここからは、実際に一着目を作るときの具体的な選び方です。
大切なのは、「迷わないための基準」を持つこと。最初は選択肢を広げすぎないほうが、結果的に良い一着になります。


1. 色は「ネイビー or グレー」

まず迷ったら、この2色に絞ってください。

ネイビーは誠実でシャープな印象、グレーは落ち着きと柔らかさがあります。どちらもビジネス・フォーマル問わず使いやすく、汎用性が非常に高い色です。

一着目で奇をてらう必要はありません。まずは、一軍のワードローブとして成立することを優先するのが正解です。

👉 アクション:ネイビーかグレーに絞る


2. 柄は「無地 or 控えめストライプ」

柄も同様に、シンプルが基本です。

無地は最も汎用性が高く、合わせるシャツやネクタイを選びません。ストライプを選ぶ場合も、遠目には無地に見えるくらいの控えめなものがおすすめです。

柄で個性を出すのは、2着目以降で十分です。

👉 アクション:無地を第一候補にする


3. シルエットは「やや細身」

20代の強みは“若さ”です。それを活かすなら、シルエットは少しだけシャープに。

とはいえ、タイトすぎる必要はありません。重要なのは、「細く見せること」ではなく「体に沿っていること」です。

オーダーの価値は、この“ちょうどよさ”にあります。

👉 アクション:フィット感を優先して試着


4. 生地は「ウール中心」

見た目の上質さと実用性のバランスを考えると、基本はウール素材。

ポリエステル混も扱いやすさはありますが、質感や経年変化まで含めると、ウールのほうが満足度は高くなります。

季節感や細かな機能は、まずは気にしすぎなくて大丈夫です。

👉 アクション:ウール素材を選ぶ


5. 用途を決める(仕事 or 勝負)

最後に、「このスーツをどこで着るか」を明確にします。

日常の仕事用なのか、ここぞという場面で使う勝負用なのか。この前提が曖昧だと、すべてが中途半端になります。

一着目は、まず“使用頻度が高いシーン”に合わせるのがおすすめです。

👉 アクション:着るシーンを先に決める


FICCOから20代の方へのアドバイスですが、
最初の一着で大事なのは「外さないこと」です。

シンプルかつフィットしていて、ちゃんと使える。
この3つを満たせば、その一着は満足いくものになるはずです。


④ 20代がやりがちな失敗

オーダースーツは自由度が高い分、選び方を間違えると「良くない方向に完成度が高い一着」ができてしまいます。

ここでは、20代に多い典型的な失敗を整理します。


1. オプションを盛りすぎる

裏地を派手にしたり、ボタンやステッチにこだわりすぎたり。せっかくのオーダーだからと、あれもこれも足したくなる気持ちは自然です。

ただ、一着目に関してはその多くが“過剰”になります。結果として、価格だけが上がり、使いづらいスーツになってしまいます。

オーダーは「足すこと」よりも「削ること」のほうが難しいですが、同時に重要なことでもあります。


2. 派手なデザインを選ぶ

既製品にはないものを、という意識から、色柄やディテールで個性を出しすぎるケース。

しかし一着目で必要なのは“個性”ではなく“基準”です。汎用性の低いスーツは、着用機会が限られ、結果的に満足度も下がります。

個性は、ベースがあって初めて活きてきます。


3. 見た目優先でサイズを犠牲にする

「細く見せたい」「かっこよく見せたい」という思いから、無理にタイトなサイズを選んでしまうことも良くある失敗です。

ですが、動きづらさやシワの出方に違和感が出て、結局着なくなることも少なくありません。

フィット感とは、“細さ”ではなく“自然さ”です。


4. 店に任せきりにする

「プロに任せれば安心」と思い、ほとんど意思表示をせずに進めてしまうパターン。

もちろんテーラーはプロですが、“あなたの基準”までは持っていません。好みや用途を伝えない限り、無難な一着に落ち着きやすくなります。

オーダーは共同作業です。最低限の意思は持って臨むべきです。


5. 一着で完成させようとする

「せっかく作るなら完璧な一着を」という発想も、よくある落とし穴です。

ですが実際には、最初から100点のスーツを作ることはほぼありません。着てみて初めて分かることが多く、そこから調整していくものです。

一着目は“完成形”ではなく、“スタート地点”と考えましょう。
この前提があるかどうかで、満足度は大きく変わります。


⑤ FICCOが伝えたいこと|オーダーを始めるにあたって

オーダースーツは、「一着で完成させるもの」ではありません。
少しずつ精度を上げていくプロセスに価値があります。


1. “制服化できる一着”を作る

自然と手に取る頻度が高い一着が、結果的に一番価値を持ちます。

派手さよりも、「日常で使えるかどうか」。
それが、自分のスタイルの土台になります。

👉 アクション:着用頻度を想像する


2. スーツは“自分軸を洗練させるもの”

1着目でフィット感を知り、
2着目で選び方が洗練され、
3着目でようやく“自分らしさ”が見えてくる。

この繰り返しの中で、①で触れた「自分のスタイル」が具体化していきます。

一着で完成させるのではなく、経験として積み上げること。
それが、オーダースーツ、ひいてはファッションのの楽しみ方の一つだと思います。ご自身のファッションジャーニーをぜひオーダースーツという経験を通して楽しんでください。

👉 アクション:次に繋げる前提で考える


⑥ 予算別おすすめ戦略

オーダースーツを考えるとき、気になるのが予算です。
ただし重要なのは、「いくらかけるか」よりも「どう使うか」です。


〜5万円:まずは“基準を知る一着”

パターンオーダー中心の価格帯。

細かい仕様よりも、まずは「サイズが合うとはどういうことか」を体感する段階です。ここで得たフィット感の基準は、その後のすべてに影響します。


5〜10万円:バランスを整えるゾーン

イージーオーダーも視野に入る価格帯。

フィット感に加えて、生地や仕立てのバランスも取りやすくなります。日常使いとしての完成度が一気に上がるゾーンです。


10万円〜:差をつくる一着

素材やディテールで明確な違いを出せる価格帯。

ただし、この段階で重要なのは「高級にすること」ではなく、「何に価値を感じるかが明確になっていること」です。基準がないまま上げても、満足度は上がりません。


どの価格帯でも共通して言えるのは、
最初に優先すべきは“フィット感”であること。

高い生地よりも、まず体に合っているかどうか。
そこが整って初めて、価格の意味が生きてきます。

▼フィット感を優先すべき理由はこちらで解説しています。


⑦ まとめ

20代でオーダースーツは決して早すぎることはありません。

20代にとってのオーダー経験は、自分の基準を持つためのスタートです。

サイズが合うだけで見え方は変わり、
一着作る経験を通して
自分の好みや違和感が言語化されていきます。

その積み重ねが、自分のスタイルの軸になっていくのです。

オーダースーツに関して、
最初の一着で意識すべきはシンプルです。
シンプルで、フィットしていて、ちゃんと使えること。

そして何より、一着で終わらせないこと。作って、着て、次に活かす。この繰り返しの中で、“自分なりの基準”は少しずつ形になります。

その一歩が、その後のあなたの選択を確実に変えていきます。

もし「もう少し理解を深めてから選びたい」という場合は、以下の記事も参考になります。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
20代の方に参考になる、オーダースーツに関する記事をご紹介させていただきます。

▼FICCOが考えるオーダーのメリット

▼ビジネスカジュアルの作り方

▼FICCOのサロンではご相談も受け付けています。

▼ご予約は公式ラインから、友達追加をお願いいたします。


いいなと思ったら応援しよう!