たいとうプレイスラボと"場所をひらく「ひと」"第1回 東浅草 サンジョルディ 市川さん
こんにちは!たいとうプレイスラボのタテイです。
たいとうプレイスラボは、一人ひとりが心地よいと感じる場所を見つけるための、地域を使った場づくりの実験室(ボランティアチーム)です。
台東区内で、活用されていない場所を「ひらかれた場所」にしたり、すでにひらかれている場所の魅力をさらに引き出し、地域の皆さんに知ってもらうための活動をしています。
このnoteシリーズ、たいとうプレイスラボと”場をひらく「ひと」”では、たいとうプレイスラボと一緒に場づくりを行ってくださっている「ひと」と「場所」を紹介していきます。
第1回は東浅草の花と本のお店、SANT JORDI(サンジョルディ)の市川勝也さんです。どうぞよろしくお願いします。
Q 自己紹介をお願いします
花と本の店サンジョルディの市川です。妻の実家が近くにあることもあり、東浅草に住んでいます。娘が1人います。
サンジョルディでは、花の仕事をしている時間がほとんどです。フラワーアレンジメントや会場・企業などの装飾をしたりすることもあります。


Q SANT JORDI(サンジョルディ)の紹介をお願いします
「花と本を通して、平和を考えるきっかけに」というのをコンセプトにしているお店です。


花も本も、生きていく上で必ずしも必要なものではないですが、生活が豊かになったり、心にゆとりを持てたりすると思うんです。そこで、花と本を組み合わせたお店をやっています。
ー平和を考えるきっかけ、ですか。
そうですね。戦争と平和、それからLGBTQなど、自分と違った個性を受け入れる心を持つ人が増えれば、世界はもっと平和になって、みんなが楽しく暮らせるようになるんじゃないか、そうずっと考えていて、そんなお店にしたいと思っています。
ー市川さんが平和について興味を持ったきっかけはありますか?
小学校 6年生ぐらいの時から、七夕の短冊に願い事を書く時に「世界平和」と書いていました。
最初は、何を書いていいかわからなかったから「平和」と書いていただけだと思うのですが、そういう機会のたびに毎回「世界平和」と書いていたら、いつの間にか自分がそういう風にマインドセットされたのではないかと思っています。

もう一つ、大きなきっかけとなったのは、大学一年生の時にバイト先で出会ったトランスジェンダーの方の存在です。仕事はとても厳しかったですが、飲みにも連れて行ってもらい、とてもお世話になりました。
でも、世間ではそういう人に対して差別的な言い方をする人がいるのを聞いたり見たりして、すごく嫌だなと思ったんです。
そんな思いを抱えていた時に、カナダへワーホリに行って、プライドパレードを見ました。今では日本でもプライドパレードは開催されていますが、当時(15年ほど前)見たカナダのパレードは、大きな通りを全部封鎖して歩行者天国にするような大規模なもので、消防士や警察官の方もパレードしているなど、驚くような盛り上がりでした。
「日本もこうなったらいいな」と感じました。
LGBTQの方だけでなく、例えば障害を持った人や、社会に馴染めなかったり、コンプレックスを持っている方などが、それを「自分の個性」として普通に表現できるハードルが低くなればいいのになと、強く感じました。
Q この場所にSANT JORDIというお店ができた経緯についても教えてください。
その後、日本に帰ってきて花屋になったのですが、本を読んだりしながら「なぜ人は争うのだろう?」というのをよく考えていました。そこで、花と本を通じて、平和や戦争、人の個性などについて発信できるお店をやりたいと考えるようになりました。
まずは地域から、子どもや親世代の人たちに今まで知らなかったことや意識していなかったことを知るきっかけになってもらえたらなと。
それをこの「山谷」でやりたいなと考えるようになりました。
山谷は元々ドヤ街とも言われていたような、日雇い労働者が多く住む街で、貧困の問題とも切り離せない場所です。この地域でお店を構えることで、もしお店が有名になったらそれをきっかけに、他の地域からいろんな人が訪れて、山谷という場所のことを知ってもらえるなぁという気持ちもありました。
あと、この辺りに住んでいるということもあり、地域や街に触れられるような場所でお店をやりたかった、というのもあります。
このお店は元々、少し高級な杖を扱う「杖屋さん」だったそうです。タイトーキタリズムさんにこの場所を紹介してもらって、始めはポップアップとして少し植物を置かせてもらうところからスタートしました。オーナーさんがとても良い方で、少しずつここを作業場としても使わせてもらえるようになり、そこから最終的にサンジョルディができていきました。

Q この場所が「地域にひらいた」エピソードがあれば教えてください。
2階のスペースで、ワークショップなどを開催して人が集まることが多いですね。保護猫の譲渡会や、写真・絵の展示なども行われています。僕は基本的に何でもウェルカムな姿勢なので、みんなが色々な提案をしてくれて、使ってもらったり、僕自身もイベントに参加したりしています。
Q SANT JORDIをどういった場所にしていこうと思っていますか?
もっと人が交流できる場所にしていきたいですね。
今はお花を買いに来てくれる人が多いのですが、ここで長居しておしゃべりしていってくれてもいいなと思います。2階ももう少し活用して、カフェのようにゆっくりしていってもらえるといいですね。

将来的には「平和の発信基地」のようになるといいなと思います。
地域の人が笑顔になったり、交流したりして、こういう場所が増えることで、世界平和の一助になればいいなと感じています。

あとは、ここで友達が増えればいいなとも思います。
戦争や、移民との対立なども遠い国にいる知らない人たちの話に感じてしまうかもしれません。でも、その国に1人でも仲良くなった人がいると、気持ちが変わってきますよね。

Q 東浅草のこの地域についてどう思いますか?
住民としては住みやすい街ですし、お祭りがあるからか町内会のつながりがあったり、優しい人が多い街です。
最初にこの場所でポップアップストアをやった時に、お花を買ってくれた年配の女性が、コンビニで飲み物とお弁当を買ってきて僕にくれたことがあったんです。優しいなあ〜!と思いました。
あと、この辺は桜鍋の中江さんや、伊勢屋さん、カフェ バッハさんなど、遠くからでも人が集まる老舗がいくつもあり、わざわざ来てくれる人がいるお店がある、すごく可能性のある街だと思います。マンションも建って人が増えているので、昔から住んでいる人も新しく移って来る人も、ちゃんと楽しめる街になってほしいなっていう思いはありますね。
Q たいとうプレイスラボと一緒に取り組みを行ってくださった理由や、たいとうプレイスラボへの期待をお願いします!
たいとうプレイスラボの「居場所を作る」という考えに、すごく共感するものがありました。活動も、SNSなどで見ているとすごくみんな楽しそうにしている感じが伝わってきて、素敵だなと思います。
この前「サンジョルディの日」のイベントを一緒にやれてよかったなと思います。あとイベントを企画して実行するまでのスピードがとても早かったので、行動力がすごいです。
これからも一緒に楽しいイベントができればいいですね。



編集後記
たいとうプレイスラボから見た、サンジョルディと市川さん
ご縁をいただき、東浅草のサンジョルディに初めてお伺いさせていただいたのは2026年4月。
花と本と雑貨に囲まれた、美しくて温かい雰囲気のある空間に、私たちも一気にお店のファンになってしまいました。
すでに「地域に開かれた場所」として、地域の人たちに親しまれているサンジョルディと市川さん。訪れるお客さんも、お花を買うだけでなく市川さんとの会話を楽しみにされている様子が印象的でした。
「平和の発信基地」となる「居場所」を地域からつくっていく。その目標に向けて、私たちたいとうプレイスラボもこれからも応援をしていきたいと思います!
市川さん、インタビューご協力ありがとうございました。
SANT JORDI(サンジョルディ)
〒111-0025 東京都台東区東浅草2丁目2−1
HP
https://santjordi.jp/
https://www.instagram.com/santjordi.flowers?igsh=NmFxbjZ6dDU3aTZh&utm_source=qr
