前略、道の上より。親子で受け継ぐ心!
「線踏んだら負けやで!」「白いとこだけ踏んでいくこと!」
子供と歩いていると、こんなことを言ってきませんか?
歩道でも地下道でもすぐにルールを考えてこっちに仕掛けてきますよね。
逆に線ばっかり踏んだり、白いところは踏まないようにしたりも……。
一緒に始めるとぴょんぴょん飛び跳ねたり、ジグザクに歩くことになります。「ええおっさんが変な歩き方してるで」と怪しまれそうですが、それは気にせず子供に付き合います。
実は楽しいので(笑)
僕も小学生の頃、登下校時に同じようなことをやってたことを思い出します。今でも駅のホームなんかで「線と線の間を2歩で歩くこと」って考えて歩いてたりして「今ちょっと変やったかな」と振り返るのですが、皆さんもそんなことはありませんか。
さて、今回は中学入試問題頻出作家さんの作品から見つけた「気持ちに関係することば」を紹介します。
先述した「踏む」ですが、たくさんのたとえがありますよ。
「二の足を踏む・虎の尾を踏む・薄氷を踏む・同じ轍を踏む・場数を踏む」などなど。ちょっとマイナスイメージなことばが多いでしょうか。
「気持ちに関係することば」の「踏む」としては、
まず「きみの友だち(重松清)」より
二位になったモトくんは席を立って「くっそーっ!あー、もう悔しい!」と冗談ぽく地団駄を踏んで、みんなを笑わせた。

次に「夏を拾いに(森浩美)」より
戸口でそんなふうにじゃれ合っていると「退きなさいよ、チビ」という声が聞こえ、僕は背中を押され「おっとと」と、たたらを踏んだ。
「地団駄を踏む」と「たたらを踏む」です。
「地団駄を踏む」の意味は「くやしがったり、怒ったりして激しく地面を踏むこと」で、「たたらを踏む」は「勢い余って踏むとどまれず、数歩歩むこと」です。ちょっと似た言葉
ですが、「たたらを踏む」の方は動作を表す言葉でした。
意味は異なりますが、両者とも「たたら(踏鞴)」(足で踏んで空気を送り込む大型の送風機)を踏む姿に似ていることからできた言葉だそうです。
それではその他【小学生が「何それ?」って思うことば】第26回「気持ちに関係することば」を紹介させてください。
わらにもすがる
せっぱつまったときには、頼りにならないものでも頼りにするということ。「溺れる者はわらをもつかむ」も同義語。

ぬか喜び
あてがはずれて後でがっかりするような一時的な喜びのこと。糠は「細かい・小さい」ことを表すところから「はかない・頼りない」などの意味を持つ。
グーの音も出ない
一言も反論が出ないこと。「ぐうの音」は苦しい状況にあるときに出すうめき声。
癇にさわる(かんにさわる)
腹が立つ。気に入らない。自分の思い通りにならず、イライラしたり怒ったりする様子。
癪にさわる(しゃくにさわる)も不愉快で腹を立てている様子を表します。今は両方ともほぼ同じように使うようです。
癇は、神経の意味もあるので「触る」ことができます。だから「癇に障る・癇に触る」と書くことができます。一方、癪はもともと腹痛を起こしている状態を指すため触ることができません。「癪に障る」とのみ書くことができます。
気色ばむ(けしきばむ)
怒った心情を表情にあらわすこと。むっとすること。気色(けしき)は表情や態度に現れる心の動き。「ばむ」は接尾語で「~のようすが現れる」ことを意味する。「汗ばむ」「黄ばむ」も同じ使い方。
矢も楯もたまらず
あることをしたいという気持ちを制することができないことのたとえ。矢で攻めても楯で防いでも相手の勢いをとめることができないことからできた。
腹の皮と背中の皮がひっつく
非常に空腹であることのたとえ。似た意味の言葉に「ガス欠・腹ペコ」などがある。
「ほっぺたが落ちる・のどから手が出る・目に入れても痛くない」などなど、気持ちを表すことばには、体の一部を用いたたとえが多いですね。

以前に「腹立たしい」ことを表現する際に「頭にくる」と言っていたのが「むかつく」に変化してきたという話を聞いたことがあります。
それがさらに「最悪・無理」などと短い単語で終わらせるようになりました。
やりとりのスピードが要求される風潮があることも関係していると思います。
でも、自分が感じたことをすぐに単語で反応するのではなく、心の深くに問う余裕を育みたいですね。
特に子供たちには、読書・会話を通じてたくさんの表現を持ち合わせてほしいと願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
子供たちの読書量が豊かになり、家族の会話が増えますように。
次回は「ピンチな状態を表すことば」を書こうと思います。「針のむしろ」「すってんてん」などなど…。
よろしければ前回の記事です。「生きものの名前が付いていることば」をどうぞ!
