「ひらめけーひらめけー(ぴかーん)ひらめいた!」
山中恒さんの「あばれはっちゃく」をご存じですか。
ドラマ化もされ、子供の頃大好きな番組でした。人気グループ「純烈」リーダーの酒井圭一さんは5代目「あばれはっちゃく」です。
主人公である桜間長太郎のお父さんの名セリフも忘れません。
「てめぇの馬鹿さ加減にはなぁ、父ちゃん情けなくって涙が出てくらあ」
そして何より印象的なのが、「ひらめけーひらめけー」の場面です。困っている人を助けるためなど、問題解決のアイデアを考える時に、主人公の長太郎君が倒立をして「ひらめけーひらめけー」って言うんです。で、アイデアが閃くと「ひらめいた!」ってなるんですよ。
この場面が待ち遠しくてどんなアイデアが出るのかワクワクしました。
一休さんの「ポクポクポクポクチーン」にも通じるものがあるのかなと思ったり、竈門炭治郎の「全集中!」とも似ているような気がします。
ときに物語の主人公には、様々な困難が訪れます。ということで、今回は中学入試問題頻出作家さんの作品から見つけた「ピンチな状態を表すことば」を紹介しますね。
まず「カカシの夏休み(重松清)」より
保護者会は五月の終わりにすませているが、カズのことは親の耳にも入っているだろうし、授業を参観されればごまかしようがない。針のむしろは覚悟している。
「針のむしろ」です。意味は「一時も心が休まらないこと。苦しい境遇にいること」ですが、上記作品の他「ひかりの魔女(山本甲士)」「兎の眼(灰谷健次郎)」「きよしこ(重松清)」でも見つけました。
よく出てくる言葉なんですが、子供たちに「針のむしろの上にいることを想像してみて。つらいやろ」って言っても反応が薄いです。
そもそも「むしろ」が難しい。「ござ」もあやしいです。結局「レジャーシート」ぐらいでイメージ出来る感じですよ。
次に「かたみ歌(朱川湊人)」より
「じゃあ、鉄人でどうだ。28だから、こっちの方が強い」「バーカ、2と8を足して10だからブタだよ」
兄弟で面子をする場面で、この前後に「エイトマン」「鉄人28号」などが登場し、小学生には本当に「何それ?」となるところですが、ここでは「ブタ」をピックアップします。
「おいちょかぶ」で用いられることばです。
1から10の札を用いるゲームで、配られた2枚または3枚の札の合計をして1の位が9に近いほうが勝ちます。1の位が0になることを「ブタ」(もしくはドボン)といい、最も弱い数字であるということになります。
小学生には「花札」が馴染みがないでしょうし、子供にギャンブル性のあるものは覚えてほしくないという方が多いはずです。
ただトランプやすごろく、ボードゲームも経験がないという子もいて、ちょっと寂しいです。例えば主人公の決めゼリフが「チェックメイト!」だったりすると意味がわからない子が多いと思います。
「王手!」は大丈夫かな。一度お子様に聞いてみてくださいね。

それではその他【小学生が「何それ?」って思うことば】第27回「ピンチな状態を表すことば」を紹介させてください。
尻に火がつく
事態が差し迫り、追い詰められた状態のこと。切羽詰まること。
すってんてん
所有していたお金や物などが、すっかりなくなること。一文無し。

お払い箱
職場などを解雇されること。不要な物を捨てること。本来は「お祓い箱」で伊勢神宮で用いたお祓いの札を入れる箱のこと。その札は、毎年新しい札に取り替えられるので「お祓い」をもじって「お払い」と呼ばれ、不要な物を処分することを「お払い箱」と呼ぶようになった。
こむらがえり
主にふくらはぎにおこる筋肉痙攣のこと。「足がつる」とも言われる。
僕の父は「こぶらがえり」と言ってました。だから、子供の頃は蛇のコブラをイメージしてましたよ。父が言葉を間違っているのかと思っていたんですが、実はこちらも正しくて、大阪・京都では「こぶらがえり」と言うそうです。(父は京都出身)

つるしあげをくう
縛って上の方へ吊り下げられる意味から、その場にいる人たちから厳しく責め立てられることの意味になった。
まな板の上の鯉
鯉が逃げることができず、調理されるまで待つしかない状態から、相手のなすがままに任せるしかない状況のことを表すようになった。
「おいちょかぶ」のことを書きましたが、父が状況が悪くなった場合の口癖が「いんけつや!!」でした。(「じゃりン子チエ」でお馴染みのセリフです)
ギャンブルで大損したときの他、様々なトラブルが起きたときにこのセリフを叫んでいた姿が懐かしいです。かなりピンチな状況なはずなんですが、このセリフを吐きつつ、なんだかテンションを上げていってる様子だったなぁと偲ばれます。
今回「あばれはっちゃく」を思い出しついでに、今から山中恒さんの「ぼくがぼくであること」をあらためて拝読します。盛り込まれているたくさんのエピソード、主人公のキャラクターを楽しみたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
子供たちの読書量が豊かになり、家族の会話が増えますように。
次回は「放課後の思い出に関することば」を書こうと思います。「グリコ」「下駄占い」などなど…。
よろしければ前回の記事です。「気持ちに関係することば」をどうぞ!
