「Bento」世界共通語のルーツには近代的な知恵があふれていた!
日本を代表する食文化として世界からも注目される「お弁当」。
「Bento」という日本語がそのまま海外でも使われているそうです。
キャラ弁、デコ弁、ラク弁とジャンルを広げ、ブログやSNSで日々のお弁当を発信される方も多いですね。
わたしたちの生活に切っても切れない存在のお弁当。そんなお弁当界における原点であり大発明品とも言えるのが「日の丸弁当」ではないでしょうか。
子供の遠足に持たせたら、とんでもない反応になりそうですが、実は「日の丸弁当」が日本人の知恵が凝縮されたすぐれものだということを知りました。
まず梅干しに含まれるクエン酸などの有機酸によって抗菌作用がもたらされること。
そして白米とひと粒の梅干が胃の中に入ると、梅干が99%の米の酸性を中和し、米のカロリーのほとんどが吸収されること。
つまり腐りにくく、腹持ちの良い食べ物であるということです。「なんだかおかずがなくて質素だなぁ」というイメージを持っていましたが、なかなか近代的な面もあるんだと見直しました。
さて、そんな「日の丸弁当」ですが、「小さいおうち(中島京子)」に登場します。
ごはんの上に、おかずは梅干一個の日の丸弁当と決められていたから、そこは、わたしの腕の見せ所だ。弁当箱の底に、うすくごはんを入れ、そこへ醤油に浸したおかかや、アミの佃煮なぞを忍ばせ、その上にあぶった海苔を敷き、なんのことはないようにまた、ごはんをのせて、丸い梅干を飾るのである。
女中のタキが奉公先のぼっちゃんに作る弁当の説明の部分で、昭和14年の話として描かれています。この時代にも「隠れのり弁」が!
この部分を読んだとき、父が自分でこしらえていたお弁当を思いだしました。
父は、まずアルミの「どかべん」にご飯を敷き詰め、おかかとじゃこをまぶして醤油をたらし(醤油多めです)、その上にごはんをのせて、梅干を置いていました。
「これでおかずがなくても、こんだけの米が食えるんやぞ」と自慢げでしたね。

加えて劇的に進化したお弁当箱も思い出しました。
タイガーランチジャーをご存じでしょうか。子供の頃、それを肩から下げていく父を見て、「すげぇ、味噌汁も入ってる!」と驚いた記憶があります。
今もあるんですね。かっこいい。↓
では、その他【小学生が「何それ?」って思うことば】第22回「食べ物に関することば」を紹介させてください。
葛切り
私は洋菓子よりも和菓子のほうが好きなので、豆かん、葛切り、みつ豆、あんみつなどを頭に浮かべただけで、たらーっとよだれが出てきてしまう。
ややこしいのが連発です。みなさんも間違えずに頭に浮かべられますでしょうか。下のABCDが何の写真でしょう?

答えは
A:葛切り(葛粉を水で溶かし、型に入れて加熱し固めたものを細長く切った食べ物。冷やして密をかけて食べる。←「ところてん」と似ています。
B:あんみつ(みつ豆にあんをトッピングしたもの)
C:みつ豆(豆にフルーツや寒天、求肥、白玉などを合わせて密をかけたもの。アイスクリームを乗せるとクリームみつ豆。
D:豆かん(豆と寒天を盛り合わせたもの)
精進落とし
現代における精進落としは初七日法要(今ではほとんどの場合、火葬場から戻った後に行う)の際に、僧侶などの労をねぎらう宴席における食事のことをさす。

チューリップ
鶏手羽の骨をむき出しにして、肉をチューリップの花のように成型したもの。この形にすると、手で持って食べやすくなる。チェリー(さくらんぼ)ともいう。

お神酒(おみき)
神事などで神に捧げられるお酒のこと。神事の後に参列者などにふるまわれることもある。

たね
料理の材料。「お好み焼きのたね」「おでんのたね」などのように用いる。
田作り
カタクチイワシの幼魚を乾燥させ、炒って砂糖と醤油とみりんで絡めたもの。「ごまめ」ともいう。
ニッキ
クスノキ科ニッケイ(肉桂)の根皮から作られる香辛料。和菓子の「八つ橋」に使われるほか、「ニッキ水、ニッキ飴、ニッキ餅」にも使われる。
あけび
アケビ科のつる性落葉低木の一種。

三角食べ
主食、主菜、副菜(汁もの)を順番に食べる食べ方。1970年代に学校給食でその食べ方が推奨された。子供たちの偏食をなくすねらいもあった。反対語は「ばっかり食べ」
ワンカップの内側
「十二歳(椰月美智子)」に「ワンカップの内側に貼ってある風景写真」という表記が登場します。大関株式会社の商品であるワンカップの内側にはワンカップフォトがデザインされてるんです。お家でワンカップを飲むパパ・ママも珍しいかなと思うので、小学生は知らないでしょうね。
僕はよく、父の飲んだ後のカップの内側を眺めていました。電車の写ったものもあったんです。懐かしい……。
今回は【小学生が「何それ?」って思うことば】って言いながら、「タイガーランチジャー」「チューリップ」「ワンカップ」と個人的に懐かしいものがありました。
読書をしていると、あることばをきっかけに昔の記憶がよみがえることがありますね。両親のことを思い出して、ほのぼのしたり切ない気持ちになったりすることも。それも楽しみのひとつです。
受験生はあまり余裕がないかもしれませんが、いつかゆったりとした気持ちで読書を楽しんでくれればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
子供たちの読書量が豊かになり、家族の会話が増えますように。
次回は「昭和の行動に関することば」を書こうと思います。「ご飯粒で貼る」「電話帳で探す」などなど…。
よろしければ前回の記事です。「マスメディアに関することば」をどうぞ!
