【教育】公教育と各種学校は同じではない―無償化の対象をめぐる誤解を正す
高校無償化は、本来「一条校」に限って適用されるべき制度です。一条校とは学校教育法第1条に規定される学校であり、教育課程・年限・目的・教員資格・施設基準など、国が定めた枠組みに従って運営される公教育機関です。卒業に必要な単位数や教育内容も法令で明確に規定されており、社会的にも公的性格を帯びた教育機関として位置づけられています。したがって、国が財政支援を行う合理的根拠が存在します。
これに対し、各種学校は学校教育法第134条に基づく「その他の教育施設」であり、教育内容・年限・教員資格などに法的拘束はほとんどありません。所管も文部科学省とは限らず、教育課程も自由に設定できます。自由度が高いこと自体は否定されるべきではありませんが、その代わりに国の教育行政の枠外にある以上、国費による支援を受けないというのが制度の前提です。国の基準には従わないが、国の財源だけは受け取るというのは、公平性の観点からも整合しません。
私立高校は一条校であり、公立高校と同じ法的枠組みのもとで設立されています。創設者の教育理念が反映されているとはいえ、それは学校教育法が認める範囲内での多様性であり、公教育の一部として制度的に保障されています。したがって、私立高校と各種学校を同列に扱い、「私学も各種学校も同じだから無償化の対象にすべきだ」という議論は、学校制度の基本構造を理解していない極論と言わざるを得ません。
とりわけ朝鮮学校については、教育内容・教員資格・教育課程が日本の学校教育法の枠外にあり、国の教育行政の監督を受けていません。政治的・組織的な問題以前に、制度上そもそも「無償化に手を挙げる資格がない」というのが正確な理解です。それにもかかわらず、制度の立て付けを無視して無償化対象に含めるべきだと主張する論者が「学者」を名乗るのは、正直なところ疑問を抱かざるを得ません。
高校無償化は、公教育としての要件を満たす一条校に限定されるべきであり、制度の根幹を踏まえない議論は、教育政策として成立しません。
