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雨の日だけ、見えるものがある。


 

朝から、雨が降っていた。

 

窓の外を見ると、

いつもなら見えている遠くの景色が、
今日は白く霞んでいる。

 

山も、
建物も、

雨の向こうに隠れていた。

 

いつもなら、
遠くを見ながら歩く道。

 

今日は、
なんとなく足元を見ていた。

 

濡れたアスファルト。

水たまり。

傘から落ちる雫。

 

そして、

道の端にある、
一枚の葉っぱ。

 

葉っぱの上に、
小さな雨粒が乗っていた。

 

落ちそうで、
落ちない。

 

風が吹くと、
少しだけ揺れる。

 

それでも、
雨粒はそこにいる。

 

私は、
しばらく眺めていた。

 

こんなものが、
ここにあったんだ。

 

いつも通っている道なのに、

今まで、
見たことがなかった。

 

もちろん、

そこに葉っぱがあることは
知っていた。

 

でも、

「見ていた」のと、
「見えていた」のは、

少し違うのかもしれない。

 

晴れている日は、

遠くを見る。

 

目的地を見る。

信号を見る。

時間を見る。

 

次にすることを考えながら、
歩いている。

 

そうすると、

近くにあるものは
視界に入っていても、

ちゃんと見ていないことがある。

 

雨の日は、

遠くが見えにくい。

 

だから、

自然と近くを見る。

 

すると、

今まで気づかなかったものが
見えてくる。

 

葉っぱの上の雨粒。

濡れた草。

水たまりに映る空。

 

いつも通っている道の、
ほんの小さな変化。

 

人のことも、
少し似ているのかもしれない。

 

誰かがかけてくれた言葉。

いつもの場所。

温かい飲み物。

何も言わずに、
そばにいてくれる人。

 

いつもそこにあるものほど、

「あること」が
当たり前になってしまう。

 

だから、

大切なものも、
もしかしたら同じなのかもしれない。

 

必死に探さなくても、
ちゃんとそこにある。

 

ただ、

先のことばかり見ていると、
近くにあるものが
見えないことがある。

 

少しだけ、
近くを見る。

 

それだけで、

気づけるものがある。

 

しばらくして、

もう一度、
さっきの葉っぱを見た。

 

雨粒は、
もうそこにはなかった。

 

その代わり、

葉っぱの先から、
小さな雫が落ちた。

 

一滴。

 

また一滴。

 

見つけようと思って、
見つけたわけではない。

 

ただ、

いつもより少しだけ、
近くを見ていた。

 

それだけだった。

 

今日、
雨が降っていてよかった。

 

特別なことが、
あったわけじゃない。

 

ただ、

いつもなら見過ごしていたものが、
少し見えた。

 

明日、
晴れていたら、

また遠くを見るのだと思う。

 

山を見る。

空を見る。

いつもの景色を見る。

 

それも、
きっと好きだ。

 

でも、

たまには、

近くにあるものにも
目を向けてみようと思う。

 

道の端にある葉っぱ。

濡れた草。

小さな水たまり。

 

そして、

いつもそこにある、
大切なもの。

 

雨が、
何か特別なものを
見せてくれたわけではない。

 

いつも見ていたものが、
少し見えにくくなっただけ。

 

その代わり、

近くにあるものが
見えてきた。

 

雨の日だけ、

見えるものがある。

 

そんな朝だった。





🌸楽曲を作ってみました🌸(これはお時間にご無理なく😌🙇)

この文章を元に、Suno(AI)でシネマティックで静かな楽曲を作ってみました🎵

雨の日の空気感や、ふっと世界の見え方が変わるような静かな情景を音にしています。よければ聴いてみてください😊(約4分)

🎵 『雨の日だけ、見えるもの』



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