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「Oくんの7年間の記録 ぼくのペースで前へ①」【不登校×発達障害】未来が希望に変わるストーリー|子育て|悩み|引きこもり|繊細|学校|HSP|フリースクール


不登校になり、親御さんが相談に来られた春

Oくんが私たちのフリースクールに来たのは、
小学3年生の5月のことでした。



学校に行けなくなり、
家庭でも癇癪(かんしゃく)が長引くようになって、
お母さんが「もうどうしていいか分からない」と
相談に来られたのがきっかけでした。

お父さんもお母さんも、
どうにかOくんを助けたい一心で、
一緒に来所されたのを覚えています。



当時のOくんは、
自分の思い通りにならないと怒りが爆発し、

と、周りのせいにしてしまうことも多くありました。



活動のあいだも、
お父さんお母さんと体がくっついていないと
不安で仕方がなく
離れることはほとんどできませんでした。


小さなきっかけは、草刈りでした


そんなOくんが初めて
安心や達成感を感じたのは、
ある日の庭の草刈りの時間でした。



お父さんと一緒に、同年代の子と
「こっちとあっちから草を刈って合流しよう!」
という遊びのような設定で始めた草刈り。



鎌(かま)は上手に使えず、
草をむしるような形でしたが、
その手には確かな“達成感”が残りました。


「ぼくもやれた」
この小さな成功が、
お父さんお母さんから半歩離れる
大きな一歩になったのです。


“伝える”経験がOくんを変えていった


Oくんは、気持ちを言葉にするのが苦手でした。
言いたいことがあっても、


と頼んで自分は口を閉ざす。
そこでスタッフは、メモに書く支援を始めました。


書いたメモを渡すと、
相手がちゃんと受け止めてくれる。



その経験を何度も積み重ねるうちに、
「伝えればわかってもらえるんだ」
という安心が生まれていきました。


家庭でも、母のLINEを使って
スタッフに不安や心配などの気持ちを伝えるように促してもらいました。

怒りの裏にある“心配”や“不安”
受け止めてもらえる場ができたことで、
爆発的な癇癪は少しずつ減っていきました。


おうちの中のルールも変わっていった


おうちでも、少しずつ対応を変えました。



これまでは、Oくんが困らないように
家族が先回りして動いていたけれど、
それをやめていったのです。



応用行動分析※という考え方で、
「困った行動を減らす」よりも
うまくいった瞬間を増やす」ことを意識。



楽しめる活動を一緒にし、
ほめるタイミングや言葉がけを統一していきました。

その経験がOくんの心を少しずつ落ち着かせ、
怒りや不安を言葉で表せるようにしていきました。



※応用行動分析(ABA:Applied Behavior Analysis)は、
「行動には必ず理由がある」という考え方に基づく支援法です。

子どもがどんなときに落ち着くのか、
どんな言葉かけで安心できるのかを観察し、
うまくいった行動を少しずつ増やしていきます。

「叱る」より「できた瞬間を見逃さない」が基本です。


“見られる怖さ”とのたたかい


Oくんには“見られること”への
強い不安もありました。


エプロンや三角巾、靴下を脱ぐこと、
眼鏡を外すことなど、
自分の姿が変わることがとても怖い。


スタッフは無理に変えようとせず、
「今日はこの部分だけつけてみよう」と、
少しずつ慣れていく方法をとりました。

そう言われることで、Oくんは
自分で選びながら挑戦できるように
なっていったのです。


不安を“伝える力”が育っていった


夏休みが終わるころ、Oくんは
またフリースクールへの登校しぶりが出てきました。

でも、外で活動していたお父さんとOくんのもとに
スクールの仲間たちがやってきて、
一緒に遊ぶようになったことで、
少しずつ打ち解けていきました。


そんな気持ちが芽生え、
秋には親と離れて活動できる時間
どんどん増えていきました。



自分の気持ちを言葉やカードで伝え、
理解してもらえる経験を重ねたOくんは、
「わからない」を「怒り」に
変えることが少なくなっていきました。


そして、小さな自立の芽が


まだイベントや畑作業などの
集団行事は難しかったけれど、
日常の活動は自分なりに
楽しめるようになっていました。


ミーティングでも、「今日楽しかったこと」を
一言話せるようになりました。


学校への放課後登校も週に1回は通えるように。


“安心できる範囲”の中で、
できることを少しずつ広げていく。


Oくんの小学3年生の一年は、
その積み重ねの時間でした。


まとめ


小さな「できた」を積み重ねて、
Oくんは少しずつ前へ進みました。


お父さんお母さんが一歩引き、
見守る勇気を持ったことで、
Oくんは自分のペースで成長できたのです。

次の一年、4年生では
「自分から伝える」「少し待てる」
そんな新しい一歩が
見えてくることになります。



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