「Oくんの7年間の記録 ぼくのペースで前へ②」【不登校×発達障害】未来が希望に変わるストーリー|子育て|悩み|引きこもり|繊細|学校|HSP|フリースクール

前回「Oくんの7年間の記録 ぼくのペースで前へ①」では、Oくんが初めて「できた」と感じた草刈りの春をお届けしました。
今回は、そこから一歩進んで──
「できるかもしれない」と信じて踏み出した4年生のお話です。
できない、が少しずつ
「できるかも」に変わっていった年
小学4年生になったOくんは、
少しずつ表情がやわらいできました。
3年生の春、草刈りの活動で初めて
「ぼくにもできた」と感じたあの日から、
少しずつ、
挑戦への気持ちが芽を出し始めたのです。
それでもまだ、活動中は不安が多く、
お父さんやお母さんの姿が見えないと
落ち着かない。


そんな気持ちと
毎日のように向き合っていました。
伝えられるように
なってきた春
このころのOくんは、
スタッフには少しずつ自分の言葉で
話せるようになってきていました。
けれど、
お父さんやお母さんがそばにいると、
どうしても

と頼んでしまう。
“自分の声”で伝えることは、
まだ少し勇気のいることでした。
それでも、うまく伝えられたときに
スタッフから

と受け止めてもらえると、
Oくんの顔にはふっと笑顔が戻ってきます。
伝わる経験を積むほどに、
自信が少しずつ積み上がっていきました。
カエルがこわくて
動けなかった夏
夏の川遊びの日。
Oくんは、川の前で立ち止まっていました。
「カエルが出てくるかもしれない」
そう思うと、足がすくんでしまうのです。
お友だちが「大丈夫、ぼくが追い払うよ」と
声をかけてくれました。
その言葉に少し安心したのか、
Oくんはそっと一歩、水の中へ。
はじめは足首まで、
次は膝まで、
そして、ようやく腰のあたりまで。

何日もかけながら、
川に行く度に自分のペースで
水に慣れていきました。
家でも、
少しずつ水遊びの練習を重ねました。
お風呂で水鉄砲をしたり、
洗面器でバシャバシャしてみたり。
「こわい」が「できた!」
に変わるまでの道のりを、
Oくんはゆっくり歩いていきました。
まわりと関わる気持ちが
芽生えた秋
秋になるころ、
Oくんの中に
「ほかの子とうまく関わりたい」
という気持ちが芽生えてきました。
年下の子とペアになったとき、
自然と相手を気づかう姿が
見られるように。
「ちゃんとできたね」と声をかけたり、
道具をそっと手渡したり。

一方で、リレーなど競争のある活動は
まだ苦手でした。
「一番になれなかったらイヤだ」
そんな完璧主義の部分が顔を出します。
それでも、チームで協力するうれしさを
少しずつ感じられるように
なっていきました。
家庭で見えた小さな変化
家の中でも、Oくんの変化は
ゆっくりと訪れていました。
お母さんに「おやつ買って」と頼んでも、
毎日買ってきてもらえるわけでは
ありません。
以前なら「なんで買ってくれないの!」と
怒ってしまっていた場面も、
少しずつ落ち着いて
受け止められるようになりました。

「自分の力で行動して欲しい」
そんな願いを、
お母さんは行動に込めて接するようになり
Oくんもとまどいながらも、
できる範囲で行動する練習を
続けていきました。
お母さんもまた、
“指示する人”から
“いっしょに考える人”へ。
家族の関わり方が、
少しずつ変わっていきました。
“できない”の中にある
“できる”
Oくんは今も、不安や苦手と
向き合いながら過ごしています。
でも、それは「できない」ではなく、
「できるようになる途中」。
川遊びのあの日のように、
一歩ずつ、自分のペースで。
それがOくんの歩き方です。
まとめ
4年生の一年は、
「できるかもしれない」と思える瞬間を
少しずつ積み重ねた時間でした。
不安を完全に消すことはできないけれど、
“それでもやってみよう”と思える
心が育ったOくん。

次の5年生では、
「自分で考えて動く力」が
ゆっくりと花を咲かせていきます。

