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【教科書に載っていない世界一周】〜4-3贅沢するなら🇮🇳インドに限る


(この旅行記はこれまで110ヶ国を訪問した筆者が、2001年から1年かけて行った🌏世界一周を現在の目線であらためて振り返ったものです)

✨マハラジャ気分を満喫するなら西インド

インドと聞いて、ちらついていたのは「マハラジャ」のイメージ。きらきらのターバン、金箔の宮殿、駆け抜ける白馬―そんなイメージだ。

実際の“マハラジャ”は1947年の独立までインドのイスラム圏を治めていた地方豪族のことで、とりわけインド西部、パキスタン国境に近いラジャスタン州には今もその名残が色濃い。イスラム文化が混ざり、砂漠も広がる。

インドはヒンズー教徒が中心だが、西部を中心にイスラム教徒の数は多く、世界第3位。幹線道路を行くと、これまでの牛に加えてラクダが当然のように歩いているのだから、まるで別世界。

デリーより新幹線で4時間。インド西部には、かつてのマハラジャの宮殿をホテルに改装した“宮殿ホテル”がいくつもある。手頃な値段で泊まれると聞き、軽い気持ちでやってきたぼくは、予想以上に「これは夢か?」と思えるような贅沢に浸ってしまった。

泊まったのは、ジェイプル郊外のラージマハール・パレスホテル。半砂漠の真ん中だというのに、手入れの行き届いた庭には小鳥のさえずりまで響いてくる。門前には昔の大砲がずらり。さらに、立派な口髭をたくわえた門番が、門をくぐるたびに直立不動で敬礼してくるのだ。まるでインドの世界観、ここに極まれりという感じ。

部屋はというと、“離れを丸ごとひとりじめにできた。一戸建てには、玄関にベッドルーム、バスルーム、そして客間にリビングまで。ため息が出るほど広く、ひとりで泊まるにはあまりに贅沢すぎ。まあ、旅人の少ない季節だったのでこれも運命だと思い満喫することにした。家具も当時のままの立派なものばかりで、設備は一流ホテルそのものだった。

庭にはテラス席。せっかくなので、レストランと値段が変わらないようなのでルームサービスをお願いしてみた。芝生の庭園を眺めながら銀の食器でいただく食事は、どれを頼んでも500円以下

一泊のみだったが、結局かかった宿泊代は総額で約5,000円。こんな優雅な一晩を、こんな値段で?インドは恐るべき国だ。

場所さえ選べば、インドでは信じられない優雅さが、拍子抜けするほど簡単に手に入る。まさに“マハラジャ気分”を味わった夜だった。

食事をしながら眺めた宮殿ホテルの庭園

🍛100円の贅沢で、インドの食はこんなに豊かになる

インドは物価が安いおかげで、昔から「学生の財布の味方」みたいに思われている国。だけど実は、この国ほど“ちょっとだけ余裕をもった旅人”を甘やかしてくれる場所は、そうそうないのではないか。そんな気がする。

インドでは、ちゃんと店さえ選べば、どこへ行っても驚くほどおいしい。カレーと一口に言っても、日本人が思い描く“とろみ系”はほぼ存在せず、サラサラしたスープ状のものから、「マッカーニ」や「バターマサラ」のようにバターと生クリームを惜しみなく投げ込んだ濃厚タイプまで勢ぞろい。どれを選んでも舌が唸る、といえば言い過ぎだろうか。

インドの定食“ターリー”。銀色のお盆に、パン、ライス、カレーが2~5種類、ヨーグルト、デザートまで所狭しと並ぶ。店によっては、おじちゃんが勝手に“お替わり攻撃”を仕掛けてくる(もちろん追加料金などない! )ので、断らなければ延々ターリー地獄が続く、いわばインド版わんこ蕎麦だ。

慣れてくると、右手だけで上品につまんで食べられるようになり、そのほうがなぜか寿司をつまむ時のようにおいしく感じてしまうのだから不思議だ。

パンや米の充実ぶりもインド料理のおいしさを底上げしている。どのレストランにも自前の釜があり、焼き立てのナンやチャパティーが運ばれてくるのだ。北へ行けば行くほど米が美味になり、噛むごとに旨みが染み出てくる(米はインドでも南へ下ると旨みは次第に落ちてくるのだが、チャーハンにすればなぜか美味しさは復活する)。

"インドの食文化を満喫するコツ"は決まっている。それは、一食につき最低100円は使うこと

インドでは20円の食事もあるが、300円出した瞬間「ぼくってお金持ち?」と錯覚するほどおいしい料理にありつける。イギリス誌で“インドNo.1”のレストランに選ばれたウダイプルの宮殿ホテルで食事しても、最高額が1,000円もしなかった(部屋代は数万円ですが!)。

インドと、(その後訪問した)パキスタンは、隣同士で肌の色もあまり変わらない。だが文化は全く別。その最たるものが食事。パキスタンイスラム教のもと一体性があり、食事の味付けはどこも同じようなスタイルが多いような気がした。一方インドは、宗教も気候も地域によって異なるせいか、食事もバラエティに富み、味の方も圧倒的に美味しかった食事も人間も多様性の背景のもとにある方が発達するのかもしれない。

(南インドのターリー)

💸インドでの貧乏旅行はもったいない

インドには貧乏旅行者が多い。それはそれで悪くないのだが、5円、10円を削るために日々疲れ果てていく彼らを見ていると、思わず首をかしげたくなる。ヨーロッパのように物価が高くて仕方なく節約する国でもない。アフリカや中央アジアのように“そもそも贅沢品が存在しない”地域でもない。インドでそこまで削る必要があるだろうか?と思う。

インドには、良い宿も、おいしい料理も、心をゆるめて楽しめる“ご褒美”がちゃんと揃っている。だからぼくが旅の終わりに悟ったのは、ただ一つ。

「インドは生活費をケチる場所ではない。インドで贅沢をしなくて、どこでする!」

それが実感だった。

アグラからデリーを経て西インドへ

(トップ写真はジャイプルのアンベール城)


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