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【各国の本質②🇻🇪ベネズエラ】世界一豊かなはずの貧困率77%の国

米国が2026年1月に軍事介入したベネズエラ。多くの人がまず思い浮かべるのは「石油」や「経済破綻」といった言葉だろう。

だが、ベネズエラの問題を単なる「経済危機」や「失政の結果」として理解すると、この国の実像を見誤ることになる。ベネズエラの本質は、政府の基本機能そのものが長期にわたって失われてきたことにあるからだ。

この記事ではベネズエラの一体何が問題なのか。その本質に迫りたい。


🛢️世界有数の石油資源を持ちながら、なぜここまで壊れたのか

人口2800万人のベネズエラは世界最大の原油埋蔵量を持つ国だ。本来であれば、中東の産油国のように「資源を国家運営の土台」にできたはずだった。しかし実際には、石油は国家を支える柱ではなく、国家を壊す麻薬のような役割を果たした。

石油収入に依存した結果、
・税を集める必要がなく
・産業を育てる必要もなく
・国民に説明責任を果たす必要もない
そんな国家が出来上がった。

ベネズエラの街角

🏢問題は「貧困」ではなく「国家が機能していない」こと

現在貧困率78%といわれるベネズエラでは
電気が突然止まる
水道が数日に一度しか出ない
病院に薬がない
通貨は崩壊し2019年以降は米ドルが代替

これは「貧しい国」だから起きているのではない。
政府が公共サービスを提供する能力を失っているから起きている。

重要なのは、ベネズエラには「政府」は存在しても、
国民生活を支える”国家装置”が存在しないという点だ。

ベネズエラには
・行政
・司法
・電力会社
・石油会社
・中央銀行

といった国家を構成する組織そのものが、10年以上統治能力を失ってきた

ベネズエラでは、政権交代原油価格下落が起こった2013〜14年を機に、政府の統治能力が急速に劣化し、16年以降国家機能そのものが事実上崩壊してしまったのだ。

⛽石油は国家を豊かにも空っぽにもしてしまう

ベネズエラの歴史は、石油が国家を救うこともあれば、国家を空洞化させてしまうことを示している。

石油収入があったからこそ、
税制は育たず
行政能力は磨かれず
国民との関係も失われた

結果として、石油があるのに国家は弱く、資源があるのに社会は脆い国が生まれた。

ベネズエラの問題は、「石油が多すぎたこと」ではない。石油に頼りきった国家運営を修正できなかったことにある。

🕌中東の産油国は、なぜ「ベネズエラにならなかったのか」

ただし、ここで一つ疑問が残る。世界には、同じように石油に依存しながら、国家としては崩れていない国々も存在する。

中東の産油国だ。たとえば、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール。これらの国々もまた、石油という単一資源に強く依存する国家である。彼らもまた、

石油収入に強く依存し
・国民から多くの税を取らず
民主的とは言いがたい体制を持つ

条件だけを並べれば、ベネズエラと大きな違いはない。それでも、湾岸諸国では国家機能が維持され、インフラはきちんと保たれている

にもかかわらず、彼らは国家の崩壊を回避してきた。理由は単純ではないが、一つだけ、はっきりと言える違いがある。

それは、石油を「配るための財源」としてだけでなく、国家の仕組みを作るための「時間」に変えたかどうか。

湾岸諸国は、石油収入がある間に、
・行政組織
・インフラ
・統治のルール
を先に固めた。民主的かどうかは別として、政府の役割を、誰の目にも分かる形で固定された。

一方、ベネズエラでは、石油は主に社会の安定と政権の延命に使われ、国家の仕組みそのものは、後回しにされた。

同じ石油国家でも、石油が尽きた後に何が残るかという点で、両者はまったく異なる道を歩んだのである。

(調査に基づき執筆していますが、経験に基づく主観や思い込みが反映している場合や、引用情報が間違っている可能性もあります。その点を踏まえ、あくまで「読みもの」としてお楽しみいただけると幸いです)

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