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🇰🇪ケニア編8-1| アフリカでは“立ち止まること”が命取りになる〜世界遺産巡りをやめたら旅は面白くなる【教科書に載っていない世界一周】

世界遺産を巡れば、旅は充実するのだろうか。


(この記事はこれまで110ヶ国を訪問した筆者が、なかで最も刺激的だった2001年からの13ヶ月にわたる世界一周🌏を、現在の目線で振り返ったものです)

🧭「世界遺産を巡る旅」からの転換

アフリカに入り、ぼくは旅のスタイルを見直した。

それまでの旅は、いわゆる「世界遺産巡り」だった。文化遺産を中心に、インドでは13、中国で10、韓国で4つの世界遺産を訪問した。タージマハールや万里の長城といった名所は確かに壮大で美しく、心を動かされた。だが、数をこなしていくうちに飽きがくる。ガイドブックに載っている遺跡の多くは、学術的な価値はあるかもしれないが、一般市民である自分にとっては、素晴らしさの実感できないものが増えていった

旅行者の数も少なくなっており、NYテロ(9.11)以降は更に旅人同士の出会いも少なくなった。訪れた場所の数は増えているのに、充実感が伴わない。いわゆる「正しいルート」をなぞるだけでは、旅は深くならないと気づいた。

そこで「世界遺産」ではなく、自分が少しでも興味を持った場所や、道中で出会った旅人に勧められた場所へ、”臨機応変”に向かうことにした。だからホテルも予約しない。結果は大正解。大雑把なルートは考えるが、自分が数日後にどこにいるか、予想もつかない。面白い旅になった。それは今後わかっていただけると思う。

🌍アフリカで旅が変わった

これまでの旅は、ある意味「準備段階」だったのかもしれない。東アジア、南アジア、中東と3か月かけて巡ってきたが、本当に旅が面白くなり始めたのはアフリカからだった。

あれほど異質に感じたインドでさえ、文化的に日本とは通じるものがあった。しかしアフリカは違った。それまでとはまったく別の文化圏だった。

アフリカは54ヶ国から成り、それぞれが強い個性を持っている。陸路で移動してみると、ヨーロッパなどとは違い、国境を越えるたびに雰囲気がガラッと変わる。別の国に来る感覚とはまさにこのようなことを言うのだろう。

出発前の自分にとってアフリカは“暗黒大陸”だった治安は悪く、病気のリスクも高い。できれば行きたくない場所だった。しかし、アフリカを3か月かけて回った後には、心から「来てよかった」と思った。「もう少しいたい」と思いながらアフリカを後にすることになる

✈️最初の関門-ナイロビ到着

ドバイを出発した飛行機が降り立ったのは、ケニアの首都ナイロビ。ここが今回のアフリカ最初の入口だった。ここからアフリカ大陸の東岸を希望峰まで南下する予定だ。

ナイロビ到着前からぼくの身体は緊張でこわばっていた。空港から市内へどう移動するべきか、ずっと迷っていたからだ。

ガイドブックにはこう書かれている。
「空港からローカルバスで市内へ行くと、ほぼ確実に強盗に遭う

ケニアはアフリカでも治安の悪い国上位に入る国だった。

タクシーという選択肢もあるが、100%安全なわけではない。料金も日本円で約2000円。日本にいれば大した金額ではないが、長く旅をしていると金銭感覚が現地に近づいてしまい、2000円がとてつもない大金に思えてくるのだ。

誰かと一緒にタクシーを乗れたりしないだろうか。。。そう考えながら入国審査の列に並んでいると、後ろに日本人らしき女性が並んだ。思い切って声をかけてみると、彼女は日本から出張できたJICAの職員。

「現地の車が迎えに来ているので、よかったら一緒に乗っていきます?

とてつもなくありがたいオファーだった。旅では人の善意に助けられる場面が少なくない。このときもそうだった。

彼女の手配したバンはぼくらを乗せ、盗賊たちのたむろするサバンナを快適に走り抜け、15km離れた中心部に無事たどり着くことができた。ようやく肩の力が抜けたのだった。

⚠️ナイロビの街角で立ち止まってはいけない!

だがしかし、安心したのも束の間。ナイロビ中心部も決して安全ではない。昼間でもひったくりが頻発し、観光客が襲われることも多い

中心部で車から下ろされたぼくは、ドバイでお世話になった日系旅行会社(道祖神)の事務所でまず荷物を預かってもらい、手ぶらで宿を探しに出かけた。

地球の歩き方に乗っていた評判のよい日本人宿(New Kenya Lodge)を探し当てチェックイン。そして荷物を取りに戻る。ただし、宿の周囲の区画はナイロビで最も治安が悪いと言われる地帯であり、夜は出歩けない。昼も注意が必要だ。抱えた荷物を肌身離さず、前後左右に意識を集中させる。治安の悪い街では、立ち止まらず、一定の速度で歩き続けることが大事といわれる。わずか5分の道のりが、何倍にも感じられ、宿に到着したときにはクタクタだった。

宿泊客からの話では、前日に向かいの通りで白昼堂々と白人カップルが強盗に遭っていた。「キャー」という女性の叫び声が響き渡り、男が力ずくで旅行カバンをひったくって逃げたらしい。立ち止まってガイドブックを開いた瞬間を狙われたとのこと。この街では、「立ち止まること」自体が危険なのだ

🧠アフリカで生き延びるための4つのルール

アフリカ最初の数時間で実感したこと。それは、日本やアジアで当たり前にできる行動、つまり立ち止まる、考える、ぼんやり歩く、それらがリスクに変わるということだ。逆に言えば、それを理解し、行動を合わせれば、生き延びることはできる。

ここは「危険な場所」なのではない。「行動のルールが違う場所」なのだ。

念のためアフリカでの「行動のルール」を記しておくと

①「立ち止まってはいけない」
 → 立ち止まった瞬間が“隙”になる

②「持ち物は見せない」
 → ガイドブックや地図は”カモ”のサインになる

③「人は基本的に助けてくれない」
 → 他人への善意より、自己防衛が優先される社会

④「情報の価値が非常に高い」
 → 正しい情報が翌日の身の安全を保証する

アフリカの旅は、ここから始まったのだった。

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