windowおじさんと台湾──熱量が世界をねじ曲げる
職場に「windowおじさん」と呼ばれる先輩がいる。
技術に異様な熱量を注ぐ先輩でTCPのwindowサイズを語らせたら、ホワイトボードを埋め尽くすまで帰れない、そんな人だ。
(過去のwindowおじさんエピソードはこちら)
突然の「台湾モード」
そのwindowおじさんが、ある日突然「台湾モード」に入った。
きっかけは単純。私とリケジョ部下が「台湾に出張してきました」と報告しただけ。
「台湾!? いいじゃないか! 最高だよ台湾!」
……いやいや。私たちは出張で“ただ行っただけ”なのに。
別に「台湾大好きクラブ」でも何でもない。
でも、windowおじさんの脳内では
「台湾に行った=台湾が好き」という謎の変換が完了していたらしい。
止まらない語り
この熱量はまさかと思ったが時すでに遅し……
「士林夜市、行った? あそこは絶対に行くべき!」
「牛肉麺なら、台北駅近くに本当にうまい店があるんだよ」
「それからさ……」
止まらない。
TCPのホワイトボードを埋め尽くす勢いで、今度は台湾マップを広げ始めた。道路の一本一本まで空中にスケッチしているようで、圧がすごい。
リケジョ部下:「……観光はあまりできてなくて、台湾101は行ってみたいなと思ったんですよね」
windowおじさん:「え、もったいない! 次は絶対、士林夜市に行こう!」
……なぜ、台湾101の話は広げない。
彼の「士林夜市」愛はあの101タワーの高ささえも凌駕する。
最後はやっぱり熱量
気づけば話は、こう収束していた。
「じゃあ今度、台湾料理を食べに行こう!」
……なぜだ。なぜそうなる。
出張報告が、なぜか「グルメツアー企画」に昇華していた。
でも、不思議なことに。
私は少しワクワクしていた。
料理が目的ではない。
ただ単に
「windowおじさんが、また熱く語るのを見たい」
それだけだ。
クセになる組み合わせ
たぶん私たちは台湾料理を囲んでも、
味わうのは料理ではなく、windowおじさんの“語り”になるだろう。
牛肉麺より熱いwindowおじさん。
それを横目でスルーするリケジョ部下。
そして、それをなぜか楽しみにしている私。
この世代が違う混ざりは、私にとって台湾料理よりクセになる。
ゆるっと診断士視点
職場には、効率や生産性とは少しズレた「熱量の人」が必ずいる。
ときに話は脱線するけれど、そこにはチームを和ませる独特の温度がある。
“熱く語れる人”がいることで、組織はどこか安心感を得る。
真面目さと遊び心のバランスが、長い目で見ればチームの余白を支えている。
台湾料理の約束より大事なのは、
「熱量を共有できる仲間がいる」
その事実かもしれない。
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