【アルコール依存症】事例から学ぶ看護|ベテラン・新人看護師・学生、医師のリアル
タイトル:【アルコール依存症】事例から学ぶ看護|ベテラン・新人看護師・学生、医師のリアル
設定:夜勤の静まり返った内科病棟。 アルコール依存症で入院中の男性患者が急変。 新人とベテラン、師長、医師が協力しながら、依存症ケアと救急対応の狭間で葛藤、学びを得る。
登場人物:
瀬戸さつき(新人看護師)
司馬悠子(ベテラン看護師)
中村真奈美(師長)
桐山啓人(内科医)
疾患テーマ:アルコール依存症(離脱症状、肝臓障害、CIWAスコア、ジアゼパム投与など)
モニターができたましく鳴った、
SpO₂ 86%、脈拍128、血圧82/50。
「先生っ、Aさんの意識レベル下がりました!JCSⅡ−30です!」と、さつきの声が怖がっている。
「離脱症状か…血圧下がってる、すぐ酸素2L。さつき、SpO₂再測定して!」 司馬の低い声が聞こえる。
「は、はいっ!脈拍早くて…指が冷たいです!」手元でピッ、ピッとモニターが続く。
「アルコール離脱せん錯の可能性が高いな。禁酒3日目だったはず」と桐山が眉を寄せる。
「昨日、夜中も『虫が見える』って叫んでました…」さつきが不安げに報告する。
「CIWAスコア、今測れる?」
「強度3、発汗2、焦3、見当識障害もあり…合計14です」
「中等度発散。ジアゼパム10mg、静注で」
ベテランの司馬が静かに準備を始める。
「先生、肝臓機能AST180、ALT150まで上がってます」
「ふむ…代謝落ちてるな。少し注意して。5mgずつゆっくりあけていこう」
落ち着いた桐山の声に、一瞬緊張の糸が緩んだ。
「……、先輩アルコール抜けって、どうしてそんなに怖いんですか?」 さつきがくつぶやき
。
中村師長が駆けつけ、状況を見て瞬時に判断する。
「点線2本目入れて!ビタミンB1、100mg追加して!肝機能保護も同時に」
「承知です!」緊張の中、さつきの動きに少し迷いがある。針の角度が抜けた。
「…焦らないで、呼吸を合わせよう」司馬が優しく手を添える。
「反応あります。意識レベル戻ってきました」
よし、体が覚えてる。怖くて、希望も。私たちも忘れないようにね」師長が微笑む。
桐山がカルテに記入しながら、ふとつぶやく。
「依存って、“やめること”じゃなくて、“支えを変えること”なんですね」
「ええ。看護も同じ。患者さんの支えになれる時間、一番大事なんです」 司馬が小さく答えた。
「私、怖かったけど…今日、あの人の『助けて』を、ちゃんと見ていた気がします」
ナースステーションに朝日が差す。
「一歩ずつ、自分を支えられる人になっていけばいいのよ」 司馬の言葉に、皆が聞いていた。
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