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子どもはなぜ「学校行きたくない」と言うのか|記事紹介

人は死にます。

どんな偉業を成し遂げた人間でも、
どんなに人類に貢献した人間でも、
死ぬときはあっさり死にます。

あれだけ劇中で人を殺しまくっている北野武も、その原点は死への恐怖にあったといいます。

そりゃあ、友達が死んだわけだから、悲しかったには違いない。けれど結局のところ、心に浮かぶのは「ああ死んだんだ」なんて、あまりにも単純な思いだけ。
悲しくて、悲しくて、たとえ三日三晩泣き明かしたとしても、4日目には涙も涸れる。どんなに死んだ人間のことを思っていたとしても、生きている人間は、死者とは無関係の世界を生きていく。その殺伐とした事実に、ひどく衝撃を受けたのだ。
ああ死んだんだ、それで終わりかよって。
だから、死ぬのが怖くてたまらなかった

北野武「全思考」

冒頭から重たくなったのは、

子どもの命を守ろう

と訴える記事をご紹介するからです。

冒頭の北野武の引用でも、
「生きている人間は死者とは無関係の世界を生きる」
とある通り、私たちは

生と死が明確に
分かれている

と考えがちです。
でも、それは私たちが勝手に作った

思い込み

なのかもしれません。

医者をやっているとだんだんわかってくるんですが、生と死の境界線は意外とあいまいなものなんですよ。どこまでが生で、どこからが死なのか?

心臓を刺されて、臨床的には死亡した状態で運ばれてきた男性がいました。ところが、すぐに胸部を切開して心臓にかかる圧力を軽くし、心臓を縫合したところ、みごとに生き返ったんです。その男性は蘇生したのですから、死んでいたとはいえないんですが、臨床的には死んでいたともいえます。生と死は一本の線ではっきり分かれているのではなく、しだいに混ざり合ってくるんですよ。

スタッズ・ターケル「死について! 上」

シカゴのクック郡立病院で外傷センター部長を務める、55歳(当時)の外科医の言葉です。

もちろん、これはあくまで外科医的な視点です。
しかし、「学校に行きたくないと訴える子ども」だって、似たようなものなのかもしれません。

みもママさんによれば、

夏休み明け前後は18歳以下の子どもの自殺リスクが1年で1番高まりやすい時期です。

とのこと。

「行きたくない」と言ったら
「話してくれてありがとう。
 学校は行きたいときに、行ったらいいよ。」

と言ってあげてほしいです。

と続けます。

学校よりいのちが大切です。

学校に行っても行かなくても
子どもたちの価値は1mmも変わりません。

その通りですよ。
本当にその通りだと、心から思います。

でも、なぜみもママさんは、
「学校に行きたくない」と
「子どもの命」を
ここまでガッチリと結び付けて書くのでしょうか。

みもママさんはその理由をこう述べます。

学校にいきたがらないのは
子どもからのSOSです。
なまけではないです。
甘えではないです。

子どもは大抵できるところまで
自分ですごく頑張っていて、
それでも限界がきてるので「行きたくない」とSOSを発するのです。

「学校行きたくない」は、
なまけでも甘えでもなく、
SOSなのだと。

これを読んで、先ほど引用したシカゴの外科医の言葉が、私の頭をよぎりました。

つまり、「学校行きたくない」
というSOSを出している子は、

見た目は生きているけれど、
実はもう生死の淵にいる

状態なのかもしれない、と。

十三階段

という言葉があります。
絞首台の異名です。
かつて西洋の絞首台の階段が十三段だったことから、こう呼ばれたそうです。

もしシカゴの外科医が言う通り、
生と死の境がグラデーショナルなものだとしたら、「学校行きたくない」と訴える子どもは、

実はもう十二段目にいる

のかもしれないな、と感じました。

17世紀のフランスの貴族が、
こんな言葉を残しています。

太陽をじっと見つめることはできない。死もそのとおり。

ラ・ロシュフコー「箴言集」

私たちは、死を直視することはできません。
身近な人、ましてや自分の子どもの死なんて、どんなに時間をかけたとしても、視界に入れることさえ難しいでしょう。

だからこそ、みもママさんは、
「生死の淵」にいる子どもの
声をしっかりと掬い上げようと、
言葉を尽くして事の重大さを語るのです。

決して「十三段目」に上らせまい、と。

そんな切迫したものを感じさせる、
息を呑む言葉の数々に、心を打たれました。

※十三階段の表現は敢えて誤用しています。詳細は記事末尾のディスクレーマーをご参照願います。

***

以下、余談になります。
みもママさんは、人間の「死」という、触れるだけでも大変なテーマで、いくつか記事を出されています。

本日、15歳高校生の人身事故がありました😢
悲しすぎます。涙が出ます。
私が祈りを込めてnoteを書いたところでなんにもならない気もします。
どんなお子さんで、どんな人生だったんだろう。どんなことを感じて考えていたんだろう。親御さんは今どんなおもいなんだろう。
どうしたらいいのでしょう。
私たちになにができるでしょう?
答えはわかりません。
でも真剣に考えることはできます。

守りたかった命丨1,500スキありがとうございます✨️|みもママ🌼生きてれば大丈夫!

子どもだってこんな私が母親で
本当に申し訳ない。
消えたい、誰にも迷惑をかけず、
ふっと消えたい。
この時に一番強く願ったのは、
同じような経験をした方に「わかるよ」
と、ただ話を聞いて共感してほしかった。

アドバイスじゃない。

消えてしまいたい、、孤独な夜に読んでください|みもママ🌼生きてれば大丈夫!

尊敬します。

今回メインでご紹介した「いのちを落とす子が一人もいないように」で、なんでこの方はこんなにも迫力と包容力を両立させたような、不思議な魅力のある文章が書けるのだろうと思ったのですが、ご自身も「十二段目」をさまよったご経験があるからこそ、

明確な死生観

がおありなのかな、と感じました。

死生観とは、自己や親しい他人の死(の可能性) に対して抱く主観的な覚悟、思い、哲学のことだ。
いわば、死をめぐる人生観である。

中村圭志「死とは何か」

東大出身の哲学者の先生によると、人間の死生観というのは、おおよそ以下の6パターンに集約されるようです。

1 他の人間や動物に生まれ変わる
2 別の世界で永遠に生き続ける
3 すぐそばで子孫を見守る
4 子孫の命の中に生き続ける
5 自然の中に還る
6 完全に消滅する

伊佐敷隆弘「死んだらどうなるのか?――死生観をめぐる6つの哲学」

引用文にも記載の通り、みもママさんは、「私たちに何ができるか」という視点が非常に強いようです。
これは、上記の6パターンでいえば

6 完全に消滅する

という死生観に基づくのかな、と。
死んだら元も子もない、
とにかく生きるのだと。

だからこそ、ペンネームにも

生きてれば大丈夫!

という、明確であたたかいメッセージが入っているのかな、と感じました。

以上、余談でした。

(ご参考 1/2)あなたの記事を紹介させてください!

こんな企画やってます!
本稿公開時点で、ご依頼待ち2件です!

(ご参考 2/2)引用した書籍

北野武「全思考」は、独自の子育て論も実に面白いのですが、たけしの死生観に丸ごと1章分くらい使って、とめどなく「死」について語りまくっているのがまた面白いです。バイオレンス映画の巨匠が語る死生観、凄まじい迫力と説得力があります。

スタッズ・ターケル「死について!」は、引用した外科医以外にも、弁護士から牧師、物理学者まで、多彩な職業の、あらゆる年齢の人たちの死生観を集めまくった、異色の本です。特に戦地に赴いた帰還兵の死生観はズシンと響きまくるものがあり、読みやすいのに読み応え抜群という不思議な本です。

ラ・ロシュフコー「箴言集」は、17世紀の貴族が残した名言集的なもの。「死」以外のテーマの言葉の方が多いです。私のお気に入りはこれ。

青春とはつねに酔っている状態である。それは理性の発熱である。

「理性の発熱」ですって!おしゃれすぎてキュンとしますね。

中村圭志「死とは何か」は、様々な宗教が「死」をどのように扱ってきたのかを読み解きながら、人間が持つ死生観の本質に迫った力作です。
どこを読んでも発見だらけで、眠れなくなるほど面白いのですが、どこか1か所だけと言われれば、以下が本書のハイライト。

① 死が物理的な崩壊、精神的な消失であるということ。
②(遺族や親友にとって) 死者の存在感はにわかには消えないということ。
これが人類にとっての変わらぬジレンマだ。

伊佐敷隆弘「死んだらどうなるのか?」も、同じく世界の宗教から人間の死生観を探るアプローチの本。
中村圭志「死とは何か」と比べると、先生と生徒の講義形式・語り口調なので圧倒的に読みやすいです。

※ディスクレーマー※

正確には、十三階段は死刑執行の絞首台です。
このため、本稿をお読みになった方の中には、「学校に行きたくない子どもに罪があるとでも言うのか?」などと、ご不快なお気持ちになった方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。

まず、天地神明に誓って、そのような意図は微塵もございません。

生と死がグラデーショナルであり、学校に行きたくない子が極めて危険な状況にあること、また、深刻なSOSとして受け止めるべきことを、階段にたとえる形でなんとかわかりやすくお伝えしたいとの意図のみをもって、敢えて誤用しています。

ただし、本ディスクレーマーをお読みいただいてもなおご不快であり、表現として不適切であるとのお考えの方が一人でもいらっしゃいましたら、一切のご遠慮なく、直ちにコメント等お寄せください。

そのお訴えを踏まえ、本稿の削除や該当部分の表現修正等、速やかに対応させていただきます。

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東大卒2児ママの夫 お気持ちめちゃくちゃ嬉しいです!でも、本当にいいんですか?