北中米ワールドカップのチケットがリセールで億越え!?ダイナミックプライシングの悪夢
2026年6月。
いよいよアメリカ、メキシコ、カナダの3カ国共催で、FIFAワールドカップが幕を開けます。
僕はサッカー大好き人間の一人として、開幕の日をずっと心待ちにしていました。
自分の暮らすロサンゼルスのスタジアムで、世界の頂点を決める戦いが行われるなんて!考えただけで胸が高鳴ります。
でも、開幕が近づくにつれて、なんだか様子がおかしいことに気づきました。
何がおかしいかって、チケット価格が完全にバグっているんです。
ラグジュアリースイートは、1試合分が8万8000ドル

象徴的なのが「ラグジュアリースイート」と呼ばれるパッケージ。
飲食込みで16人分のチケットがセットになっていて、お値段なんと8万8000ドル。日本円にしてざっくり1400万円前後です。(2026年4月時点のレート換算)
たった1試合分、しかも予選クラスでもこの値段。クラクラと目まいがします。
たとえば、ドイツ対キュラソーみたいな組み合わせでさえ上記の値段なんです。
決勝に至っては、FIFAのリセールマーケット上で「億越え」も出現するという、阿鼻叫喚、もはやカオスのような状態。
1試合あたり1000ドルから3000ドル、約15万円から45万円を払うつもりじゃないと観られない。そんな試合が、ゴロゴロある状態です。
4年前のカタール大会では、もう少しまともな価格で買えたと思います。今回は、完全にもう別物、別次元。
「自国を応援したくても応援できない」
世界中のアチコチで、ファンの悲鳴が上がっても、何ら不思議じゃありません。
FIFAは今回からダイナミックプライシング、つまり需要に応じて価格が変動する仕組みを正式に導入しました。
コイツが値段を吊り上げる大きな要因なのは、間違いないでしょう。
世界最大のスポーツの祭典でこの仕組みを取り入れるのは、さすがにアンフェアだと感じるのは僕だけでしょうか。
わが家が「ワールドカップ・シェアハウス」になる

そんな状況下で、僕はなんと予選を含めて6試合観戦する予定です。
「えっ、どうやってチケット買ったの?」と訝られそうですが……。実は、ちょっとしたカラクリがあります。
僕には、サッカー愛が高じてJリーグのチームを買収してしまった友人がいるんです。
彼がJFA(日本サッカー協会)枠で取得したチケットに、僕や家族の分まで便乗させてもらえることになりました。
で、その友人が大会期間中ずっとロサンゼルスの僕の家に泊まり込みの予定なんです。ここを拠点に、あちこち遠征しようというわけ。完全に「ワールドカップ・シェアハウス」の状態。
具体的なスケジュールは、こんな感じになっています。↓↓↓
①6月14日:日本対オランダ
場所は、ダラスのAT&Tスタジアム。日中の試合なので、朝発って夜帰る日帰り強行軍予定
②6月20日:日本対チュニジア
スタジアムは、メキシコのモンテレイなのでさすがに1泊
③6月25日:日本対スウェーデン
再びダラスに戻って、これは夜の試合なので1泊
ここまでで、やっと序盤。本番はこの先なんです。
国土が広すぎて、決勝トーナメントの予定が組めない
ベスト32以降の本戦の会場は、「予選を何位で通過するか」で決まります。
これが、ホントにやっかいなんです。
たとえば、日本がグループF(オランダ、スウェーデン、チュニジア)を1位通過するか、2位通過するか。それともギリギリ3位で通過するか。
結果次第で、次の試合会場がまるで違う都市になってしまいます。
北米3カ国は国土がとにかく広い!
ロサンゼルスからニューヨークまでは飛行機で約5時間。時差を入れたら、約8時間という距離感。日本国内の感覚で計画を立てると、確実に痛い目を見ます。
僕は去年の秋の段階で、ロサンゼルスのソーファイ・スタジアムで開催される準々決勝(クオーターファイナル)のチケットだけは、家族と友人の分も含めて確保済みです。
1人1100ドル、つまり一人当たり約16万円強でした。現在のバカみたいな高騰ぶりからすると、これでも安いほうだと感じています。
それ以外の本戦は、勝ち上がりが決まるまで、どうにも動けません。
おそらく、世界中のガチ勢ファンは、考えられる全パターンの都市の航空券とホテルを先に押さえているはず。そして、決まった瞬間に不要分をキャンセルするんでしょう。
そんな荒業をやれるのは超富裕層だけ。結局のところ、またしても「お金持ちだけのお祭り」の感が強まります。
航空券もホテルも便乗値上げ
追い打ちをかけるように、移動と宿泊のダイナミックプライシングも容赦ありません。
ロサンゼルスからダラスのエコノミー往復は、普段は400ドルから500ドルくらいのもの。それが大会期間中は倍以上の金額にはね上がってるんです。
ホテルも同様で、試合日に合わせて軒並み数倍の値付けになっています。
日本でも東京や大阪のホテル代が高騰していて頭が痛いと聞きますが、北米の便乗値上げはスケールが一段違うんです。
ワールドカップは誰のものなのか

今回の一連の動きを見て改めて感じることがあります。世界最大級のイベントだからこそ、利益や効率を優先しすぎてはいけないんじゃないかということです。
結果的に、本来もっとも大切にされるべきファンの体験が、置き去りになってしまうのですから。
FIFAは、今大会でかなりの利益を上げるでしょう。でも、長い目で見たときに「ワールドカップは誰のものなのか」という根本が揺らぐ気がします。
世界中のサッカー少年や、長年代表を応援してきた普通のファンが置き去りにされる祭典に、どこまで価値があるのか。
スタジアムを埋めるのが富裕層の優越感だけになってしまったら、それはもはやワールドカップではない、別の何かなのではないでしょうか。
そんなことを、ここロサンゼルスの地で悶々と考えています。
まあ、こうしてアレコレ言いつつも、6月と7月には現地から実況中継する気満々なんですけどね。
はたして実況の更新は、ダラスかメキシコか、それともニューヨークか。まだわかりませんが、楽しみに待っててもらえるとうれしいです。
