退職後の資金作りで本当に怖いのは、「市場が下がること」そのものではない?
Three Sixty Financial の田中です。
退職後の資金作りで本当に怖いのは、
「市場が下がること」そのものではない。
怖いのは、退職前後のタイミングで市場が大きく下がり、
生活費のために下落した株式を売らざるを得なくなること。
これは Sequence of Returns Risk と呼ばれるリスク。
同じ平均リターンでも、
下落が「いつ起きるか」によって、退職後の資産寿命は大きく変わる。
特に、退職の5年前から退職後5年までの期間は、
資産形成における非常に重要なゾーンになるという。
株式は長期的には資産形成の強力なエンジンになり得る。
しかし同時に、短期的なボラティリティは避けられない。
もし退職直後に大きな下落が起き、そのタイミングで生活費のために株式を売却すれば、単に「一時的に損をする」だけでは済まない。
保有資産そのものが減り、その後に市場が回復しても、
回復の恩恵を受ける元本が小さくなってしまう。
つまり、退職後の資産運用では、
どれだけ増やすか だけではなく、
いつ、どの資産から取り崩すか が非常に重要になる。
長期的な市場低迷は頻繁に起こるものではない。
例えば、S&P500が2年以上連続でマイナスとなったケースは、
1926年以降で数回に限られる。
しかし、問題は「頻度」ではない。
退職資金にとっては、たった一度でも悪いタイミングで下落が来れば、その後の生活設計に大きな影響を与える可能性がある。
だからこそ、退職が近づいてから慌てて対策を考えるのでは遅い。
早い段階から、長期的に、着実に退職後の資金を確保していくこと。
そして、退職前後には、株式だけに依存しないポートフォリオ設計を考えること。この狙いはポートフォリオ全体の変動自体をならし、損失の固定化を避けることでリスクを軽減すること。
具体的には、
株式、債券、現金などの分散
市場下落時に株式を売らなくて済む現金準備
定期的なリバランス
短期・中期・長期で資金を分ける設計
支出に柔軟性を持たせること
こうした基本的な対策が、退職後の安心につながる。
特に重要なのは、現金や安定資産を「投資していない無駄な資金」と考えすぎないこと。
これは前の記事も書いたが、キャッシュバッファ(現金余力)は必要不可欠である。確かに、現金を多く持てば機会費用は発生する。
しかし、市場下落時に株式を安値で売らずに済むという意味では、現金は退職後の資産を守るための重要なクッションにもなる。
老後資金は、単に高いリターンを狙えばよいものではない。
株式のボラティリティを理解し、リスクの観点も踏まえた上で、
早い段階から計画的に積み上げていく必要がある。
またポートフォリオも、形を変えてリバランスしなければならない。
退職後の安心は、退職してから作るものではない。
現役時代から、時間を味方につけて、
増やす力と守る力の両方を設計しておくことが大切だ。
まずは、小さな一歩から。もし「何から始めればいいかわからない」、「海外での資産形成について悩んでいる」という方は、気軽にご相談ください。小さな一歩からサポートします。
Three Sixty Financial
田中
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