その「防災セット」で、本当に親を救えますか?元介護職員が教える「在宅避難」と「福祉避難所」の賢い使い方
導入:なぜ「介護」が始まると、あなたの「防災の常識」は通用しなくなるのか?
「防災セット、準備していますか?」
この記事を読んでいる意識の高いあなたは、水や食料、簡易トイレ、懐中電灯などをリュックに詰め、「準備はしている」と答えるかもしれません。
では、質問を変えます。
「その防災セットで、本当に“要介護の親”を支えられますか?」
もし、停電で介護ベッドが動かなくなったら?
在宅酸素のボンベが尽きたら?
何日も続く断水で、おむつ交換後の手を洗えなくなったら?
認知症の親がパニックになり、避難を頑なに拒否したら…?
おそらく、自信を持って「はい」と答えられる方は、ほとんどいないのではないでしょうか。
はじめまして。私は、介護施設、病院、訪問介護の現場で10年以上働いてきた、元介護職員のたくみです。
100を超えるご家族の「介護の始まり」に立ち会うと同時に、私はもう一つの現場を間接的に見てきました。
それは、地震や台風、豪雨といった災害そのものではありません。
本当の恐怖は、その後に訪れる「支援が途絶えた日常」です。
私が現場で見てきたのは、
「避難所に行ったはいいが、硬い床で雑魚寝するしかなく、たった2日で床ずれ(褥瘡)を作ってしまった寝たきりの方」
「支援物資のおにぎりやパンは食べられず、支援の輪からこぼれ落ち、自宅で栄養失調になっていた方」
「いつもと違う環境(停電、断水)のストレスで認知症が悪化し、大声を出してしまい、避難所で孤立してしまったご家族」
…そんな、あまりにも過酷な「介護防災の現実」でした。
その経験から、はっきりと断言できることがあります。
私たちがテレビや行政の広報で学ぶ「一般的な防災」と、 介護が必要な家族を守るための「介護防災」は、 似て非なる、まったくの“別物”だということです。
「一般的な防災」のゴールは、健康な大人が「避難所」で公的な支援(炊き出しなど)が始まるまでの数日間を生き延びることです。
しかし「介護防災」は違います。
介護が必要な親御さんにとって、多くの人が詰めかける「一般の避難所(学校の体育館など)」は、命を繋ぐ場所どころか、
かえって命を削る危険な場所になりかねないのです。
では、私たちはどう備えればいいのか?
私たちが目指すべきゴールは、ただ一つ。
原則は「在宅避難(家での籠城)」です。
電気・水道・ガスが止まった家で、公的な支援が届かない「7日間」を、親御さんの命と尊厳を守りながら、いかにして耐え抜くか。
これこそが、「介護防災」の核心です。
この記事は、一般的な防災本には絶対に載っていない、介護現場の視点だからこそ語れる 「介護に特化した防災の全知識」 を、一つのパッケージにした「完全ガイド」です。
なぜ、安易に避難所に行ってはいけないのか?
「在宅避難」を成功させるために、一般的な防災セットに「プラス」すべき備蓄品(介護食、衛生用品、電源)の全リスト
もし家が壊れたら…その時の“切り札”である「福祉避難所」の本当の使い方
読み終える頃には、あなたは「その時」に何をすべきか、明確な「判断基準」と「準備リスト」を手にしているはずです。
「まだ大丈夫」ではありません。「その日」は、今この瞬間に来るかもしれないのです。 元介護職員が明かす「後悔しない介護防災」のすべて、スタートです。
第1章:「避難所に行けばなんとかなる」という幻想。介護家族が直面する“3つの地獄”
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