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警察を目指す人が、「最初に知るべき現実」の話【元女性警察官】

こんにちは、みぞです。


自己紹介にも記載していますが、私は元警察官です。
警察官は、犯罪者と向き合う仕事だと思われがちです。
でも実際に心を削られるのは、もっと身近で、もっと普通の人たちからの言葉でした。
私はそれが理由で、警察官を辞めていく人を何人も見てきました。


今日は警察官が、意外なところで心を折られる話をします。


私は大学卒業後、警察官一本で勝負をしました。
一般企業は受けず、出身県と他県2件、合計3件の警察試験のみ。
幸いなことに全ての県の試験に合格。
出身県の警察官になることを選びました。


警察試験の面接も各県の色がしっかりでていて
・「そんなのが志望動機なの?」と一蹴された面接
・ペディキュアを疑われた面接
・終始面接なのか雑談なのかわからなかった面接
等、内容は県によって全く違っていて面白かったです。


あ、今度警察官の面接ではどういうところをみているのか考察するっていう記事も書いてみようかな。
楽しそう。


それはさておき。
私が記憶に残っている「警察を退職する理由」が
私と同じ年に警察官になった人の


正しい対応をして
こんな感謝されないとは思っていなかった


というものです。


警察官は法律を犯した人を取り締まるイメージが強いですけど
地域のお祭りの交通整理や事案対応もしているんです。
あれ、地味に大変なんですよ。
お祭りって基本土日にやるのに、勤務した警察官は振替休日とかないし
落し物は多いし、迷子も多発。
窃盗事件や無銭飲食事件もありますし、観光客の方から観光情報を聞かれたりもします。
重い装備をつけながら炎天下で働いていれば
お祭りが終わるころにはもうヘロヘロです。



それでこちらは一生懸命働いているのに、文句を言われるんですよ。
・そこで交通整理してたら祭の山車が見えないから退け
・いつまでここの道路は通行止めなんだ、早く規制を解除しろ。
・早く落し物の受付終わらせてよ、遅い。
みたいな。
全部私が過去に祭り関係の勤務をした時に言われた言葉です。
だいぶマイルドな表現にしていますが。


よく子供向けの警察官像とか、警察が広報している資料とかみれば
・道に迷っている人を助けて感謝された
・落とし物を返してあげたらとても喜ばれた
・犯罪者を捕まえて、被害者を守った
・悪に立ち向かい、いつもニコニコ。地域から愛されたみんなを守るおまわりさん!
みたいなのばっかりじゃないですか。


実際にそういうことも、あります。
ありますけど、警察官は文句や悪意をぶつけられる方が多いのが現実です。


警察は人の行動を規制する立場なので、圧倒的にヘイトを溜めやすいです。
誰だって、自分の行動を規制されるのはいい気分ではないですからね。


ここまではみんな理解しているかもしれません。
犯罪者とか、交通違反で取り締まった人
いわゆる「悪」のポジションの人からは
絶対好意の感情を向けられないことぐらいは想像に難くないと思います。


ただ、警察官は善良な市民からも攻撃を受けるんです。


祭りの山車の前に立って観客を制御するのはなんのためですか?
観客が山車に巻き込まれて怪我をしないようにするためですよね。
交通整理はなんのためにしていると思いますか?
市民の方が事故に巻き込まれないためですよね。
落とし物の受付を丁寧にするのはなぜですか?
落とし主の方に全部、しっかりとお返しするためですよね。
全部、善良な市民の安全安心のためにやっています。


それなのに、善良な市民から
たびたび怒鳴りながら向けられるんです。
感謝の言葉ではなく、心無い言葉を。


たぶんそんな言葉を吐く人は
警察官を傷つけるつもりなんてないんですよね。
ただ自分の行動を制限された、否定されたイライラを誰かにぶつけたいだけ。


こちらも別に感謝されたくて仕事をしているわけではないけれど
たびたびヘイトをぶつけられれば心身だって消耗します。


このヘイトが結構心に重くのしかかる人が多いみたいです。
特に警察官になりたてで、ヘイトに耐性ができていない若い人。
先に話した退職した人は、祭り警備の時にこのような言葉を浴びてしまい、心が疲れてしまったようでした。


現場に慣れてくると
『いやー、いつ規制解除になるんですかねー
こっちも上から解除って言われるまで解除できないんですよーーーーー
すみませーーーーん』
等と軽くいなせるようになるんですが
その人はまだ警察官になりたてでした。
現場経験が浅く、真っ向から心無い言葉を受け取ってしまったんだと思います。


悪に立ち向かうことだけ
みんなから頼られる存在という立場に夢見て入ってきたら
思わぬ死角からブスリと攻撃され
じわじわと傷が広がっていってしまったんでしょうね。




警察人生が長くなるにつれ、このような場面はどんどん増えていきます。


警察官を目指している方
どうか自分がヘイトを溜められる立場になるんだということを心の片隅にでも覚えておいてください。


理想と現実がかけ離れている状態
それを受け止め、耐えられる人だけが
長く残っていく仕事だと思います。


それでは。


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