黒塚古墳で感じた、1800年前の世界観

奈良県天理市にある黒塚古墳を訪れました。
3世紀後半に築かれたこの古墳は、未盗掘だったことから33面もの三角縁神獣鏡が出土し、古代史を語るうえで重要な古墳として知られています。





隣接する展示館では、原寸大で復元された石室や鏡のレプリカを見ることができます。





展示を見ながら、改めて「三角縁神獣鏡」という名前の意味を考えました。
「三角縁」は鏡の縁の断面が三角形になっていること。
そして「神獣」は、神様のような人物や霊獣が描かれた模様を表しています。

また、石室では三角縁神獣鏡が並べられ、被葬者の頭元には画文帯神獣鏡が置かれていたことから、「本当に大切にされていた鏡は別にあったのではないか」という説も紹介されていました。
しかし、私が最も心を動かされたのは、その模様でした。
神様や霊獣が何重にも入り組み、秩序があるようで混沌としている。
見ているうちに、「1800年前の人々は、この模様を見て何を感じていたのだろう」と考えました。
当時の人々にとっては、ごく自然に理解できる世界だったのかもしれません。
しかし、その世界観は時代とともに失われ、現代の私たちには簡単には読み解けません。
歴史とは、出来事を知ることだけではなく、その時代の人々が共有していた価値観や世界観を想像することでもある。
黒塚古墳は、そんなことを静かに教えてくれる場所でした。


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