見出し画像

【お金】会社員の副業は住民税に注意!確定申告で確認したい「自分で納付」のポイント

副業を始めると、まず気になるのは「確定申告が必要かどうか」だと思います。

副業の収入は雑所得になるのか、事業所得になるのか。
20万円以下なら申告しなくてよいのか。
開業届や青色申告は必要なのか。
このあたりに意識が向きやすいですよね。

※前回の記事では、会社員の副業に関する所得区分や開業届、青色申告について整理しています。

ただ、会社員が副業をする場合、もう一つ気をつけたい税金があります。
それが、住民税です。

所得税の確定申告ばかりに気を取られていると、翌年の住民税で「あれ?」となることがあります。

また、会社員の場合、住民税は給与から天引きされることが多いため、副業所得がある人は、確定申告時の住民税の納付方法にも注意が必要です。

特に、勤務先の副業ルールが気になる方は、住民税の仕組みも知っておいた方がよいと思います。

この記事では、会社員が副業をした場合の住民税について、特に確定申告時に確認しておきたい「自分で納付」のポイントをやさしく整理します。


1.住民税とは?

住民税とは、住んでいる都道府県や市区町村に納める税金です。

会社員の方であれば、給与明細に「住民税」という項目があると思います。
毎月の給与から差し引かれているので、普段はあまり意識していない人も多いかもしれません。

所得税は、毎月の給与から概算で差し引かれ、年末調整や確定申告で精算されます。

一方、住民税は少し流れが違います。
ざっくりいうと、住民税は、
前年の所得をもとに、翌年度に納める税金です。

たとえば、2026年中に副業で所得が発生した場合、その所得は2027年度の住民税に反映されます。

会社員の場合、5月ごろに各従業員が住んでいる市区町村から、6月から翌年5月まで給与から天引きする住民税額の通知が会社に届きます。

私の会社で使用している給与計算システムでは、その金額を5月中に1年分登録し、6月支払いの給与から新しい住民税額を自動で天引き計算します。
そして、毎月、会社が天引きした住民税を各市区町村へ納めます。

従って、多くの会社員の方は、6月ごろから、給与から天引きされる住民税の金額が変わることになります。


2.住民税は前年の所得で決まる

副業を始めたばかりの人が見落としやすいのが、
住民税は翌年に影響する
という点です。
副業で利益が出た年に、すぐ住民税が増えるわけではありません。
多くの場合、住民税として影響が出るのは翌年度です。
たとえば、次のような流れです。

つまり、副業で利益が出た場合、所得税だけでなく、翌年の住民税の支払いも考えておく必要があります。

副業で得たお金をすべて使ってしまうと、翌年に住民税の負担が来たときに困ることがあります。
副業収入が増えてきたら、所得税だけでなく、住民税分も少し残しておく意識が大切です。


補足:退職した翌年の住民税にも注意

住民税が前年の所得をもとに決まる、という点は、副業だけでなく退職した翌年にも注意が必要です。

たとえば、退職した年に給与収入が多かった場合、退職後に収入が減っていても、翌年に住民税の納付書が届くことがあります。
これは、退職した年の給与所得などをもとに、翌年度の住民税が計算されるためです。

一方で、退職金そのものについては、通常の給与や副業所得とは少し扱いが異なります。
退職金にかかる所得税や住民税は、原則として退職金の支払時に差し引かれることが多いです。

そのため、
退職金をたくさんもらったから、翌年の住民税がそのまま大きく増える
というよりも、

退職した年の給与所得などに対する住民税が、退職後の翌年に発生することがある
と考えるとわかりやすいと思います。

退職後は収入が減っていることもあるため、翌年の住民税の納付に備えて、手元資金を残しておくことが大切です。


3.副業所得が増えると住民税も増える可能性がある

住民税は、基本的に所得に応じて課税されます。
副業で利益が出れば、その分だけ課税対象となる所得が増えます。

ここで大切なのは、住民税も「売上」ではなく「所得」をもとに考えるということです。

たとえば、副業の売上が50万円あっても、必要経費が20万円あれば、所得は30万円です。
売上50万円 − 経費20万円 = 所得30万円

住民税の計算に影響するのは、基本的にはこの「所得」の部分です。

副業で売上があっても、経費をきちんと整理していなければ、自分の所得がいくらなのか把握できません。

そのため、副業を始めたら、次のような管理が大切です。
売上を記録する
経費を記録する
レシートや領収書を保存する
請求書や入金履歴を残す
事業用とプライベートのお金をなるべく分ける
住民税のためにも、日ごろから売上と経費を整理しておくことが大切です。

4.「副業所得20万円以下なら申告不要」は住民税では注意

会社員の副業について調べていると、
「副業所得が20万円以下なら確定申告不要」
という話を見かけることがあります。

これは、一定の会社員について、所得税の確定申告が不要になる場合がある、という話です。

ただし、ここで注意したいのは、住民税は別ということです。

所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。

つまり、
副業所得が20万円以下だから、何もしなくてよい
と考えるのは危険です。

正しくは、
所得税の確定申告が不要になる場合がある。ただし、住民税の申告は別に考える必要がある
という理解がよいです。

副業所得が少額であっても、住民税の申告が必要かどうかは、お住まいの市区町村の案内を確認するようにしましょう。


5.会社員の住民税は基本的に給与から天引きされる

会社員の場合、住民税は会社の給与から天引きされることが多いです。
これを特別徴収といいます。

特別徴収とは、会社が従業員の給与から住民税を差し引き、本人の代わりに自治体へ納付する仕組みです。

会社員にとっては、自分で納付書を使って支払う必要がないので便利です。
一方で、副業所得がある場合は注意が必要です。

副業所得を含めて住民税が計算され、その住民税額が会社に通知されると、給与に対して住民税が高いことから、会社が違和感を持つ可能性があります。

もちろん、住民税額が高い理由は副業だけとは限りません。

たとえば、次のような理由でも住民税額は変わります。
医療費控除
ふるさと納税
扶養家族の変動
不動産所得
株式や配当の申告
前年の給与収入の増減
そのため、住民税が高いからといって、必ず副業がわかるというものではありません。

ただ、会社員が副業をする場合、住民税が会社経由で見える可能性があることは知っておいた方がよいです。

私は給与計算をするとき、前月との比較をして、金額に大きな変動がないか確認しています。
そのため、住民税の金額が大きく変わっていれば、給与計算をしている側からは気づきやすいです。


6.確定申告で確認したい「住民税の納付方法」

副業会社員が確定申告をするときに確認したいのが、住民税の納付方法です。

確定申告書には、住民税に関する事項があります。
そこで、給与・公的年金等以外の所得に係る住民税について、
給与から差引き
自分で納付
を選ぶ項目があります。

副業が雑所得や事業所得など、給与以外の所得である場合、副業分の住民税を自分で納付したいなら、原則として「自分で納付」を選ぶことになります。

「自分で納付」を選ぶと、副業分の住民税について、給与から天引きではなく、自分で納付する形になる可能性があります。
ただし、ここで大切な注意点があります。

「自分で納付」を選べば、必ず会社に知られないという意味ではありません。

自治体の処理や所得の内容によって、希望どおりにならない場合もあります。(自治体の担当者がミスすることもあります。)

そのため、会社に副業を知られたくないという理由で住民税を気にしている人は、確定申告書のチェックだけで安心しすぎない方がよいです。
不安な場合は、確定申告後にお住まいの市区町村へ確認するのが安全です。


7.副業がアルバイトの場合は特に注意

副業といっても、内容はいろいろあります。

たとえば、次のようなものがあります。
アルバイト
原稿料
デザイン制作
動画編集
せどり
アフィリエイト
note販売
業務委託
講師料

このうち、特に注意したいのが、アルバイトなどの給与所得になる副業です。

副業先から給与として支払われている場合、副業先は給与支払報告書を自治体へ提出します。

その結果、本業の給与と副業の給与が合算されて住民税が計算されることがあります

この場合、「自分で納付」を選んだからといって、副業給与分だけを完全に分けられるとは限りません。

一方、業務委託、原稿料、事業収入、雑所得、事業所得など、給与以外の所得であれば、確定申告時に「自分で納付」を選ぶことで、副業分の住民税を普通徴収にできる可能性があります

ただし、最終的な取扱いは自治体によって異なる場合があります。

8.「自分で納付」にした後も確認しておきたいこと

確定申告で「自分で納付」を選んだ場合でも、それで終わりではありません。
確認しておきたいことがあります。

① 確定申告書の控えを確認する
まず、確定申告書の控えで、住民税の納付方法がどうなっているか確認します。

e-Taxで申告した場合も、送信した申告内容を確認しておくと安心です。
特に、副業分の住民税を自分で納付したい人は、「住民税に関する事項」の入力内容を確認しておきましょう。

② 5月〜6月ごろに住民税の通知を確認する

住民税は、通常、翌年度の5月〜6月ごろに通知されます。
会社員の場合は、会社経由で住民税の決定通知書が渡されることがあります。

自分で納付する分がある場合は、自宅に納税通知書や納付書が届くことがあります。
確定申告で「自分で納付」を選んだ場合でも、実際にどのように通知されるかは確認しておきたいところです。

③ 不安な場合は市区町村に確認する
住民税は、市区町村が計算・通知します。
そのため、
「自分で納付にしたつもりだけど、きちんと処理されているか不安」
という場合は、市区町村の住民税担当窓口に確認するのが確実です。

税務署に確認したくなるかもしれませんが、住民税の納付方法や通知の処理については、市区町村側の取扱いになります。


9.住民税のためにも帳簿と経費整理が大切

住民税の話になると、「会社に知られるかどうか」に意識が向きやすいです。
もちろん、それも大切なポイントです。

ただ、それ以上に大切なのは、自分の副業所得をきちんと把握することです。

住民税は、売上ではなく所得をもとに計算されます。
そのため、次のようなことを整理しておく必要があります。

売上はいくらか
経費はいくらか
利益はいくらか
領収書や請求書は残っているか
雑所得なのか事業所得なのか
給与所得にあたる副業なのか

特に、副業を継続していくつもりがある人は、早めに帳簿をつける体制を作っておくと安心です。

最初から完璧な会計処理を目指す必要はありません。
まずは、

  • 入金日

  • 売上金額

  • 支払日

  • 経費の内容

  • 経費の金額

  • 領収書やレシートの保存

このあたりを整理するだけでも、副業のお金の流れが見えやすくなります。


10.副業のお金は「翌年の税金」まで考えて残しておく

副業で収入が入ると、ついその年の手取りだけを見てしまいがちです。
しかし、副業の利益が出ている場合、所得税だけでなく、翌年の住民税にも影響する可能性があります。

たとえば、副業でまとまった利益が出た場合、そのお金をすべて使ってしまうと、翌年に税金の支払いで困ることがあります。

副業を始めたばかりのうちは、
「売上が入ったから全部使える」
と考えるのではなく、
「この中から税金が出るかもしれない」
と考えておくことが大切です。

特に、会社員の場合は給与から税金や社会保険料が天引きされるため、自分で税金を納める感覚に慣れていない人も多いと思います。

副業では、入ってきたお金を自分で管理する必要があります。
だからこそ、税金分を残しておく意識が大切です。


11.まとめ:副業を始めたら、所得税だけでなく住民税も意識する

副業を始めると、どうしても所得税の確定申告に意識が向きます。
しかし、会社員の副業では、住民税も重要です。

特に大切なのは、次の3つです。

  • 住民税は基本的に前年の所得をもとに決まる

  • 副業所得があると翌年度の住民税に影響する可能性がある

  • 確定申告時には住民税の「自分で納付」を確認する

副業を始めたばかりの方は、所得税の確定申告だけでなく、住民税のことも早めに意識しておくと安心です。

みなさんの副業ビジネスが大きくなり利益が増えていくことを願います。


次回予告

次回は、「経費にできるもの・できないものの基本」について整理します。

副業を始めると、

「これは経費にしていいの?」
「プライベートでも使っているものはどう考えればいいの?」
「レシートや領収書はどこまで残せばいいの?」

と迷う場面が出てきます。

次回の記事では、副業をしている会社員や個人事業主の方向けに、経費にできるもの・できないものの基本をやさしく解説する予定です。


※この記事は、会社員の副業に関する住民税の基本的な考え方をまとめたものです。具体的な取扱いは、所得の種類やお住まいの市区町村によって異なる場合があります。
不安な場合は、市区町村の窓口や税理士などの専門家に確認してください。

いいなと思ったら応援しよう!