採用候補者のSNS素行調査|探偵が教える合法的な範囲とやり方
「面接では好印象だったのに、入社後にトラブルを起こされた」
採用担当者や経営者からよく聞く悩みです。
探偵歴8年の現役調査員として、採用前の候補者調査を依頼されるケースは年々増えています。
履歴書や面接だけではわからない人物の素性が、SNSを見るだけでかなり見えてきます。
今回は、採用前に合法的な範囲でできるSNS素行調査の方法をお伝えします。
なぜ採用前のSNS確認が必要なのか
履歴書・面接・筆記試験。採用プロセスはいくつもありますが、いずれも「見せたい自分」を見ているにすぎません。
SNSは違います。日常の言動・価値観・人間関係が、本人の意識が薄い状態で記録されています。
採用前に確認することで防げるリスクは主に3つです。
■ 入社後の情報漏洩リスク
■ 社内外でのトラブルリスク
■ 経歴詐称によるミスマッチリスク
確認① 職務内容の漏洩・不適切な投稿がないか
実際の調査でこんなケースがありました。
「採用を検討している候補者のSNSを確認してほしい」という依頼で調査したところ、
候補者は前職の在籍中にXで会社の内部情報を繰り返し投稿していました。
取引先の社名・社内の人間関係・上司への不満…
採用する側の立場から見れば、入社後に同じことをされるリスクは明白でした。
依頼企業はこの時点で採用を見送りました。
確認するポイント:
■ 前職・現職の社名・取引先・業務内容を投稿していないか
■ 職場の写真・社内資料と思われる画像を投稿していないか
■ 上司・同僚・取引先への誹謗中傷がないか
■ 「会社の愚痴」「職場の内情」系の投稿が頻繁にないか
確認② 身分・経歴の虚偽記載がないか
LinkedInと履歴書を照合することで、経歴の矛盾を発見できることがあります。
在籍期間・役職名・担当業務がSNSの過去投稿と一致しているか確認しましょう。
たとえば履歴書に「部長職」と記載されていても、過去のSNS投稿に昇格を喜ぶ投稿が残っていて時系列が合わないケースがあります。
SNSの投稿は本人が意識せず残した記録なので、経歴詐称を見抜く有力な手がかりになります。
確認するポイント:
■ LinkedInの経歴と履歴書の内容を照合する
■ 過去のSNS投稿に記載された役職・在籍期間が一致しているか確認する
■ 「転職した」「退職した」などの投稿時期と履歴書の日付が一致しているか確認する
■ 学歴・資格についての投稿が履歴書と矛盾していないか確認する
確認③ 問題のある言動・素行がないか
実際の調査でこんなことがありました。
「採用候補者の素行を確認したい」という依頼で調査したところ、候補者の非公開アカウントとは別に、鍵なしのアカウントで特定の属性への差別的な発言を繰り返していることが判明しました。
面接では温厚な印象だったとのことでしたが、
SNS上での言動は全く異なっていました。
採用後に社内外でトラブルになるリスクが高いと判断されました。
確認するポイント:
■ 特定の人物・集団への誹謗中傷・差別的発言がないか
■ 暴力的・反社会的な内容の投稿がないか
■ 飲酒運転・薬物など法的問題につながる投稿がないか
■ ハラスメントと受け取られる可能性のある言動がないか
確認④ 裏アカウントの存在を確認する
実際にこんな調査がありました。
候補者の本アカウントは問題のない内容でしたが、プロフィール写真を逆画像検索したところ、同一人物と思われる別アカウントが見つかりました。
そのアカウントには前職の内部情報の暴露や
同僚への悪口が大量に投稿されていました。
「見せ用」と「本音用」を使い分けていたケースです。
確認するポイント:
■ プロフィール写真を逆画像検索して別アカウントを探す(記事②参照)
■ ニックネームで複数のSNSを横断検索する
■ 本アカウントのフォロイングに怪しいアカウントがないか確認する
■ 文体・口癖・絵文字の使い方が似た別アカウントがないか確認する
合法的な範囲でやるために守るべきこと
SNS調査は公開情報の閲覧なので基本的に合法ですが、採用選考においていくつか注意が必要です。
やってはいけないこと:
■ 不正アクセスして非公開情報を取得する → 不正アクセス禁止法違反
■ 調査結果を本人に無断で第三者に提供する → プライバシー侵害
■ 人種・宗教・出身地などを理由に採用を判断する → 就職差別
採用判断に使う際の注意点:
■ 調査はあくまで「公開情報の確認」に留める
■ 業務上のリスク判断にのみ活用する
■ 調査結果を記録・保管する際は適切に管理する
まとめ
採用前のSNS素行調査で確認すべき4つのポイントをまとめます。
■ 職務内容の漏洩・不適切な投稿がないか確認する
■ 履歴書の経歴とSNSの投稿内容を照合する
■ 問題のある言動・素行がないか確認する
■ 逆画像検索で裏アカウントの存在を確認する
採用は会社にとって大きな投資です。
面接だけでは見えない部分を、公開情報で補完する習慣をつけましょう。
次回は「経営者が知るべきネット上に残る自社情報」を解説します。
探偵歴8年の現役調査員がOSINTの知識を発信しています。
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