うなぎに合うワイン決定版。蒲焼・白焼き別おすすめ銘柄5選とペアリング術
土用の丑の日、あるいはちょっとしたご褒美の日。ふっくら焼き上がった蒲焼のタレの香り、あるいは素材の味をじっくり堪能する白焼き。うなぎを前にすると「何を飲もう」と迷いますよね。
ビールで流し込むのもいいけれど、ワインを合わせるとうなぎの楽しみ方がもう一段階深くなります。
実はフランス・ボルドー地方には、うなぎを赤ワインで煮込む郷土料理「ランプロワ・ア・ラ・ボルドレーズ」があるほど、ヨーロッパでもうなぎとワインは古くからの仲間。決して突飛な組み合わせではないのです。
この記事では、蒲焼と白焼きそれぞれに合うワインの選び方と、具体的なおすすめ銘柄を5本ご紹介します。
うなぎとワインが合う理由――「焼き」の香ばしさがカギ

炭火焼きの焦げ感とワインの樽香は同じベクトル
蒲焼の最大の魅力は、炭火で焼かれたときに生まれる香ばしさです。この「メイラード反応」による焦げのニュアンスは、ワインが樽熟成で得るトースティーな風味と同じ化学反応から生まれています。
だからこそ、樽で熟成した赤ワインを蒲焼に合わせると、焦げの香りどうしが響き合い、驚くほど一体感のあるペアリングが実現するのです。
脂ののったうなぎは「肉料理」に近い
うなぎは魚でありながら、脂肪含有量は牛肉に匹敵するほど豊富。つまり、ワインの合わせ方も肉料理に準じた考え方でOK。赤ワインのタンニンがうなぎの脂を包み込み、口の中をすっきりさせてくれます。
蒲焼に合うワインの選び方

甘辛いタレにはスパイシーな赤ワインがベストマッチ
蒲焼のタレは醤油・みりん・砂糖の甘辛い味わい。この濃い味付けに対抗できるのは、果実味がしっかりしていてスパイシーなニュアンスを持つ赤ワインです。
品種でいえば、メルローやシラーが特におすすめ。メルローのまろやかさはタレの甘みと調和し、シラーの黒胡椒のようなスパイス感は山椒を振った蒲焼と驚くほど合います。
カベルネ・ソーヴィニヨンも候補になりますが、渋みが強すぎると蒲焼の繊細な身の味を覆い隠してしまうことがあるので、ミディアムボディからフルボディの手前あたりを狙うのがコツ。
関東風と関西風の違いも考慮する
関東風(蒸してから焼く)のうなぎはふっくらと柔らかく、タレの味がしっとり染みています。ここにはピノ・ノワールやメルローのようにエレガントな赤ワインを。
関西風(蒸さずに直焼き)はパリッとした皮の食感と香ばしさが特徴。こちらにはシラーやカベルネ・ソーヴィニヨンのようにしっかりした赤を合わせると、力強さどうしが噛み合います。
<!-- 内部リンク:すき焼きとの合わせ方は「すき焼きに合うワイン」の記事へ誘導 -->
白焼きに合うワインの選び方

素材の味を活かす白焼きには上質なシャルドネを
タレを使わず、わさびと醤油でいただく白焼きは、うなぎ本来の脂の甘みと風味を堪能する食べ方。ここにはコクのある白ワイン、特にシャルドネが最適です。
樽熟成したブルゴーニュのシャルドネなら、バターのようなリッチさが白焼きの脂と溶け合い、余韻に品のある旨みが広がります。
日本ワインの甲州も白焼きに寄り添う
白焼きを薄口醤油とわさびでシンプルにいただくなら、甲州ワインの繊細な味わいもよく合います。控えめな果実味と穏やかな酸味が、うなぎの脂をやさしく受け止めてくれるでしょう。
蒲焼にも白焼きにも万能な1本を探すなら

ロゼスパークリングが「どちらにも合う」最適解
「蒲焼も白焼きも両方食べたいけど、何本もワインを開けるのは……」という方には、ロゼのスパークリングワインをおすすめします。
赤ワインの果実味と白ワインの爽快さを兼ね備えたロゼスパークリングは、蒲焼の甘辛いタレにも白焼きのさっぱりした味わいにも対応可能。泡が脂をすっきり流してくれるので、うな重を最後の一口まで飽きずに楽しめます。
うなぎに合うおすすめワイン5選
シャトー・メルシャン 藍茜(赤/日本)
日本のうなぎには日本のワインを。メルローを主体とした穏やかな渋みと赤い果実の果実味が、蒲焼のタレと自然に調和します。マスカット・ベーリーAもブレンドされており、イチゴのような甘い香りが蒲焼の甘辛さとリンク。日本ワインコンクール金賞最多のワイナリーが手がける実力派です。
ルイ・ジャド ブルゴーニュ ピノ・ノワール(赤/フランス・ブルゴーニュ)
関東風のふっくらした蒲焼に合わせたいのがこのピノ・ノワール。ベリー系のふくよかな果実味とやさしいタンニンが、蒸してから焼いたうなぎの柔らかな食感と同調します。うな重に合わせると、ごはんとワインの相性の良さにも気づかされるはず。
ワイン・メン・オブ・ゴッサム シラーズ(赤/オーストラリア)
蒲焼に山椒を振って食べるなら、このシラーズを合わせてみてほしいです。熟したプラムやブラックベリーの濃厚な果実味に、黒胡椒やアニスのスパイシーなニュアンスが重なります。
山椒のピリッとした刺激とシラーズのスパイス感が口の中で共鳴し、蒲焼の甘辛いタレをぐっと奥行きのある味わいに変えてくれるのです。ミディアムボディで渋みも穏やかなので、うなぎの繊細な身を潰す心配はありません。1,000円前後で買えるコスパの良さも頼もしい。
ブシャール・ペール・エ・フィス ブルゴーニュ シャルドネ "ラ・ヴィニェ"(白/フランス・ブルゴーニュ)
白焼きを上質なシャルドネで楽しみたいなら、1731年創業のブルゴーニュの老舗が手がけるこの1本を。白桃や柑橘のフレッシュな果実味に、ほどよいミネラル感とクリーミーなコクが同居しています。
わさび醤油でいただく白焼きの脂の甘みに、ワインのふくよかさがそっと重なり、余韻にじんわりとした旨みが広がります。約3,000円台で、特別な夜にふさわしい品格を備えた白ワインです。
タケダワイナリー サン・スフル 赤(赤/日本・山形/マスカット・ベーリーA)
「日本のうなぎには日本のワインで」という方に、ぜひ試してほしい1本。山形県産マスカット・ベーリーA100%を亜硫酸無添加・無濾過で仕上げた自然派の赤ワインです。
イチゴや綿菓子を思わせるベーリーA特有の甘い香りが、蒲焼のタレの甘辛さと驚くほどリンクします。ライトボディながらぶどう本来の旨みがぎゅっと詰まっていて、うな重のごはんとも好相性。日本ワインならではの「寄り添う」ペアリングを体感できます。
ミゲル・トーレス サンタ・ディグナ カベルネ・ソーヴィニヨン グラン・レゼルヴァ(赤/チリ)
関西風の直焼きうなぎの香ばしさに負けない、しっかりとしたフルボディの赤。黒系果実の凝縮した風味に、ほのかなスパイスのニュアンスが山椒とも好相性。2,000円以下で手に入るコスパの良さも見逃せません。
まとめ
うなぎとワインの組み合わせは、ヨーロッパでも伝統的に楽しまれてきた由緒あるペアリングです。
蒲焼にはスパイシーな赤ワイン、白焼きには上質なシャルドネや甲州、迷ったらロゼスパークリング。 この3つのパターンを覚えておけば、土用の丑の日も、ちょっとした贅沢の日も、うなぎの楽しみ方が格段に広がります。
次にうなぎを手に入れたら、冷蔵庫に1本、ワインを忍ばせておいてください。
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この記事を書いた人:Tasterr
J.S.A. SAKE DIPLOMA / Wine Expert。全国でお酒のイベントを開催し、これまで7,000人以上にお酒を注いできました。旅を通して、その土地ならではのお酒との出会いやペアリングを楽しんでいます。プロフィール [EN]
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