うなぎの蒲焼きに合う日本酒おすすめ5選|タレの甘辛味に負けない一本の選び方
うなぎの蒲焼き。あの甘辛いタレの香ばしさと、ふわっとした身の脂。
考えるだけでお腹が鳴りますが、いざ日本酒を合わせようとすると、吟醸酒じゃ負ける、辛口じゃ物足りない、と意外と悩む方が多いんです。
うなぎの蒲焼き や うな丼 のペアリングは、実は日本酒の中でもやや上級テーマ。
タレの甘味、うなぎの脂、香ばしさ という3つの要素を同時に相手にしなければなりません。
でも、コツさえ掴めば大丈夫です。
この記事では、タレ系の寿司 や蒲焼きに合う日本酒の選び方と、SAKE DIPLOMA的視点で選んだおすすめ5本を紹介していきますね。
うなぎの蒲焼きと日本酒が難しい理由

甘ダレの存在がペアリングのハードルを上げる
蒲焼きのタレは醤油・みりん・砂糖をベースにした 甘辛味 です。
この甘味がかなり強いため、酒のほうにも相応の甘さがないとタレに押し切られてしまいます。
よくある失敗パターンは、華やかな 吟醸酒 を合わせてしまうこと。
フルーティな香りとタレの甘辛さがケンカして、どちらの良さも中途半端になってしまうんですね。
同調かウォッシュか、2つの攻め方を使い分ける
うなぎに合う日本酒 の選び方は、大きく2パターンあります。
ひとつは 同調 。甘味と旨味がしっかりした濃醇な酒で、タレとうなぎの脂にがっちり寄り添うアプローチです。
古酒 や 貴醸酒 、生酛の純米酒 がこの方向の代表選手ですね。
もうひとつは ウォッシュ 。脂とタレでくどくなった口の中を、キレのある 淡麗辛口 ですっきり洗い流す方法です。
同調ほどの一体感は生まれませんが、次の一口へのリフレッシュ効果が抜群ですよ。
うなぎの蒲焼きに合うおすすめ日本酒5選
大七 純米生もと <生酛純米>
うなぎの蒲焼き との同調型ペアリングで、最初に手に取ってほしい一本がこれです。
大七 の 生酛造り が生み出す豊かなコクと旨味、ほどよい酸味のバランスは、タレの甘辛味と真正面から渡り合える強さを持っています。
燗をつける と酒の甘味がぐっとふくらみ、うなぎの脂との同調感が一段と高まります。
蒲焼きの濃厚さに負けない 強度 がありつつ、後味にキレもあるので重たくならない。
うな丼 にして米と一緒に楽しむときにも、この一本があれば安心ですよ。
菊正宗 純米樽酒 <生酛純米・樽貯蔵>
実は うなぎには樽酒がもっとも合う という話があります。
吉野杉の樽から移った爽やかな木の香りが、醤油ベースのタレの香ばしさと同調するんですね。
さらに樽由来のほのかな渋みが、脂っこさでくどくなった口内をさっぱりさせてくれる。
菊正宗 純米樽酒 はまさにこの理論を体現した一本で、灘の辛口ならではのキレと、杉の清々しい香りが蒲焼きを別次元の体験に変えてくれます。
ぬる燗 にすると樽香がやわらかく広がり、うなぎとの一体感が最高潮に達しますよ。
黒龍 貴醸酒 <貴醸酒>
仕込み水の代わりに日本酒を使って醸す 貴醸酒 は、凝縮された甘味とジューシーな酸味が持ち味。
タレの 甘ダレ と酒の甘味がきっちり同調するので、蒲焼きのペアリングにおいて非常に心強い存在です。
黒龍 の貴醸酒は、甘さの中にしっかりした酸があるため、ただ甘いだけでなく全体のバランスが保たれています。
蒲焼きの脂に甘味が寄り添い、酸味が後口を引き締める。
この二段構えの味わいが、うなぎとの相性を高い次元で成立させてくれますよ。
久保田 千寿 <吟醸>
ここからはウォッシュ型の提案です。
久保田 千寿 の持ち味は、穏やかな香りとスッとキレていく 淡麗辛口 の味わい。
蒲焼きの濃厚さに対して、水のように口中を洗い流して次の一口への準備を整えてくれます。
ただ洗い流すだけではなく、米の旨味がほんのり感じられるので、タレの旨味と最低限の接点を保っているのがポイント。
冷酒 から 常温 まで幅広い温度帯で楽しめるので、季節を問わず蒲焼きのお供になってくれますよ。
春鹿 超辛口 <純米>
ウォッシュ型のもう一つの選択肢として、日本酒度+12の 春鹿 超辛口 を。
久保田 千寿 が穏やかに洗い流すタイプだとすれば、こちらは一刀両断にリセットするタイプです。
脂もタレもスパッと切り落とすキレ味は、関西風の蒲焼き のようにしっかり焼き込まれて香ばしさが強いうなぎと特に好相性。
冷酒 で飲むとキレが際立ち、ぬる燗 にすると米の旨味が少し前に出てきてまた違った表情を見せてくれますよ。
うなぎと日本酒のペアリングをワンランク上げるコツ

古酒という選択肢も覚えておきたい
蒲焼きのタレは醤油を煮詰めたメイラード反応の風味が核になっています。
これと同じメイラード反応由来の香ばしさを持つ 古酒(熟成酒) は、蒲焼きとの親和性が理論的にも非常に高いんですね。
手に入る機会があれば、3年以上熟成された純米酒をぬる燗にして蒲焼きと合わせてみてください。
タレと酒の香ばしさが溶け合い、まるで長年連れ添った夫婦のような安定感のあるペアリングが楽しめます。
関東風と関西風で酒を変える必要はある?
結論から言えば、大きな差はありません 。
蒸してから焼く関東風のほうがやわらかく、直火で焼く関西風のほうが香ばしいという違いはありますが、タレの甘辛味というベースは共通しています。
強いて言えば、関西風の焼き目の強い蒲焼きには、樽酒や古酒の香ばしさがより同調しやすいかもしれませんね。
まとめ
うなぎの蒲焼き に合う日本酒を選ぶときは、タレの甘味と脂に同調できる濃醇な酒 か、キレで口中をリセットする辛口酒 か、まず方向性を決めてしまうのが近道です。
同調型なら 大七 純米生もと を燗で、樽酒好きなら 菊正宗 純米樽酒 を。
甘味で攻めるなら 黒龍 貴醸酒 、ウォッシュ型なら 久保田 千寿 や 春鹿 超辛口 が頼りになります。
今年の土用の丑の日は、うなぎと一緒にお気に入りの一本を用意してみてください。
いつもの蒲焼きが、驚くほど美味しくなるはずですよ。
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この記事を書いた人:Tasterr
J.S.A. SAKE DIPLOMA / Wine Expert。全国でお酒のイベントを開催し、これまで7,000人以上にお酒を注いできました。旅を通して、その土地ならではのお酒との出会いやペアリングを楽しんでいます。プロフィール [EN]
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