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甲州ワインと和食の合わせ方|おすすめ銘柄5選とペアリングをワインエキスパートが解説

「和食に一番合う白ワインは何?」と聞かれたら、筆者は迷わず甲州(Koshu) と答えます。山梨県で1000年以上栽培されてきた日本固有のブドウ品種から生まれる白ワインは、出汁の旨味、醤油のコク、素材のやさしい甘味といった和食の特徴と自然に調和するのです。

この記事では、甲州ワインが和食に合う理由を掘り下げたうえで、醸造スタイル別の使い分けと具体的な料理ペアリング例、そしてAmazonで購入できるおすすめ5銘柄をご紹介します。
筆者はワインエキスパートとSAKE DIPLOMAの資格を持ち、甲州ワインと和食の組み合わせを日常的に実践してきた経験をもとに執筆しました。


甲州ワインが和食に合う3つの理由

理由1:穏やかな果実味が素材を邪魔しない

甲州ワインの最大の特徴は、控えめで上品な果実味です。ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランのようにアロマが主張するタイプとは対照的で、和柑橘(かぼす・すだち・柚子)を思わせるやさしい香りが和食の素材感を引き立てます。刺身や天ぷらのような「素材そのものを味わう」料理には、この控えめさがかえって最高の伴奏になるのです。

理由2:ミネラル感が出汁の旨味と呼応する

甲州が育つ山梨県の土壌には火山性のミネラルが含まれており、ワインにも独特のミネラル感が反映されます。このミネラルが、昆布や鰹節からとった出汁のグルタミン酸・イノシン酸と重なったとき、旨味がじわっと膨らむような相乗効果が生まれます。甲州×出汁の組み合わせを一度体験すると、「日本のワインは日本の料理のために存在するのかもしれない」と感じるほどです。

理由3:後味のほろ苦さが和食の余韻を整える

甲州ワインには、アフターにかすかな苦味が残ることがあります。これは甲州ブドウの果皮由来の特徴で、ネガティブなものではありません。この心地よいほろ苦さが、和食を食べ終えた後の余韻を美しく整えてくれるのです。緑茶のような渋みと似た感覚と言えば、イメージしやすいかもしれません。


醸造スタイル別|甲州ワインの選び方と合う料理

甲州ワインはすべて同じ味ではありません。醸造スタイルによって味わいが大きく変わるので、料理に合わせてスタイルを選ぶのがペアリング上手への近道です。

シュール・リー(Sur Lie)― 出汁系の和食全般に

発酵後のワインを澱(おり)と一緒に寝かせる手法で、ふくよかな旨味とクリーミーな質感が生まれます。味噌汁、煮物、寄せ鍋など「出汁が主役」の和食全般と好相性です。迷ったらまずシュール・リーの甲州を1本用意しておけば間違いありません。

グリド甲州(Gris de Koshu)― 刺身・寿司に

甲州ブドウのグリ(灰色がかったピンク)の果皮を活かして仕込む手法。果皮由来のほんのりとした色合いとやわらかなタンニンが特徴で、刺身や寿司の繊細な味わいにぴったり寄り添います。白身魚の薄造りやしめ鯖との組み合わせは格別です。

樽発酵・樽熟成 ― 天ぷら・焼き魚に

フレンチオークなどの樽で発酵・熟成させた甲州は、バニラやナッツのような香ばしさが加わり、ボディも厚くなります。天ぷらの衣の香ばしさや、塩焼きの焦げ目と樽香がリンクするため、和食のなかでも焼き物・揚げ物系との相性が光ります。

スパークリング甲州 ― 前菜・酢の物に

甲州をベースにしたスパークリングワインは、シャープな酸味と泡の爽快感が持ち味。お浸し、酢の物、枝豆などの前菜類に合わせると食卓のスタートを華やかに演出してくれます。


甲州ワインおすすめ5選

グレイス グリド甲州 <白・日本>

中央葡萄酒(グレイスワイン)が造る甲州の代名詞的存在。グレープフルーツやレモンの柑橘香に、果皮由来のやさしいほろ苦さがアフターに残ります。

刺身の盛り合わせやお寿司と合わせたときの「ぴたっとハマる感覚」 は、甲州ワインの真骨頂。筆者が人に甲州を勧めるとき、まず最初に名前を挙げる1本です。料理との相性を最優先に設計されたワインなので、どんな和食にも外しません。

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ルバイヤート 甲州シュール・リー <白・日本>

山梨県の老舗・丸藤葡萄酒が「気づけばなくなっている」をコンセプトに造る甲州シュール・リー。澱との接触で生まれるふくよかな旨味と、キレのある酸のバランスが見事です。寿司、刺身はもちろん、筑前煮や肉じゃがのような煮物にもすっと馴染みます。

日本ワインコンクールの受賞歴も多く、品質の安定感は折り紙つき。普段の和食の食卓に「いつもの1本」として置いておきたい銘柄です。

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フロムファーム 登美の丘 甲州 <白・日本>

サントリーが山梨県登美の丘ワイナリーの自園畑で育てた甲州100%で造る上質な1本。アルコール度数12%、辛口で洗練された味わいが特徴です。自社畑のブドウだけを使っているため、テロワール(産地の個性)が明確に表現されています。

天ぷらの盛り合わせや鯛の塩焼きのように、素材の力強さがある和食と合わせると、甲州のポテンシャルを存分に感じられます。特別な日の食卓にふさわしいグレード感があります。

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マンズワイン 酵母の泡 甲州 <スパークリング・日本>

マンズワインが山梨県産甲州種で造るスパークリングワイン(やや辛口)。瓶内二次発酵で生まれるきめ細かな泡と、甲州のフレッシュな酸味が楽しめます。

前菜の盛り合わせや枝豆、酢の物と一緒に乾杯すれば、和食コースの華やかなオープニングを演出できます。 スパークリング甲州は普段なかなか出会えないジャンルなので、見つけたらぜひ試してみてください。

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マンズワイン 山梨 甲州 <白・日本>

マンズワインが勝沼ワイナリーで醸造するスタンダードな甲州。フレッシュな柑橘香とすっきりした辛口で、日常の和食――味噌汁と焼き魚の定食や、冷ややっこ、ほうれん草のお浸しなど――に気負わず合わせられるのが最大の魅力です。

価格も手ごろなので、「甲州ワインってどんな味?」という入門にも最適。まずは普段の晩酌で1本開けてみてください。

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まとめ

甲州ワインと和食のペアリングを楽しむコツは、料理に合わせて醸造スタイルを選ぶこと。出汁系にはシュール・リー、刺身にはグリド甲州、揚げ物・焼き物には樽熟成、前菜にはスパークリング。この使い分けを覚えるだけで、和食の食卓がぐっと豊かになります。

「日本のワインで日本の料理を楽しむ」という体験は、一度知ると戻れないほどの心地よさがありますよ。ぜひ気軽に1本、食卓に迎え入れてみてください。

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この記事を書いた人:Tasterr
J.S.A. SAKE DIPLOMA / Wine Expert。全国でお酒のイベントを開催し、これまで7,000人以上にお酒を注いできました。旅を通して、その土地ならではのお酒との出会いやペアリングを楽しんでいます。プロフィール [EN]
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