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フォドラ文明史の仮説録①神は本当に救済者だったのか

私は、この世界を救ったのだろうか。

人々は皆言う。
女神が我らを救ったのだと。

だが、本当にそうだろうか。

私はただ、壊しただけではなかったか。


フォドラの歴史は、女神の救済から始まる。
だが本当にそうだろうか。

人は理解不能な出来事に直面したとき、それをそのままでは受け止めることができない。

だから人はそれを「人格」に変換する。

神の怒り。
神の救済。

そうすることで、人は初めて世界を理解できる。

そして、その物語は語り継がれる。


はじまりのもの

ソティスがその世界に降り立つと、そこには非常に発達した科学技術を持つ文明が存在した。

科学技術の発達により、本来あった自然は破壊され、
そこに暮らす人々さえ資源のように扱われていた。

このままでは、この世界は破滅する。
ソティスは、この世界をやり直すことにした。

ソティスにより、世界は海に沈められた。

それは結果として、元々あった文明を破壊することとなった。

けれど、そこに暮らしていた人々はソティスに感謝した。

飢えから救ってくれたことを。
そして、支配から解放してくれたことを。

人々は、立派な祭壇を作り、ソティスを崇める。

苦しみから救ってくれた女神を。
そして、また苦しみから救ってほしいと。

それは、ソティスの望んだ形ではなかった。

ソティスは、自分の配下に人々を見守るように言い残し、その世界から去る。

人に世界を託したつもりだった。

しかし、人々の思いは一つではなかった。

女神の眷属を慕い、その言葉に従う者たち。

そして、神の支配を拒む者たち。

それらの様子を、静かに見つめる者たちがいた。

彼らは、かつてこの世界に栄え、女神によって滅ぼされた
古代文明の末裔であった。

彼らの存在は、やがて一人の男を歴史の表舞台へと押し出すことになる。






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