カメを観察していたら、仮説が壊れた話
子供を幼稚園へ送る道。
川沿いに、小さな岩がある。
そこにはいつも、アカミミガメが集まっていた。
昼になると、岩はぎゅうぎゅうに埋まる。
「この川はアカミミばかりだな」と思っていた。
ところがある朝、そこに一匹だけ、黒い亀がいた。
クサガメだった。
しかも、アカミミたちがいない時間帯にだけ現れる。
私は勝手に仮説を立てた。
——この二種類は、同時には存在できないのではないか。
朝はクサガメ。
昼はアカミミ。
同じ場所を使っているのに、互いを観測できない関係。
そんな構造を想像していた。
だから数日間、観測ログを取り始めた。
曇りの日。いない。
雨の日。いない。
増水の日。いない。
どうやら、日光や気温、水位が関係しているらしい。
そして、気持ちよく晴れた暖かいある日。
私はついに、二種類の亀を同時に観測した。

同じ岩の上。
アカミミガメと、黒いクサガメが並んでいた。
仮説は崩れた。
——いや、正確には、更新された。
彼らは排他的ではなかった。
同じ川にいて、
同じ太陽を浴びながら、
ただ少しだけ、現れる条件が違っていただけだった。
ずっと、見えていなかっただけだった。
——そして後日。
私は、さらに別の存在を観測することになる。
▼続きはこちら
(※最初の観測記事はこちら)
(※おまけ)

まるで漂流しているようで、つい笑ってしまった。
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