petit musée culturel 小さな文化館 #13 「川崎市岡本太郎美術館」@神奈川県川崎市 【2023/8/4 探訪】 (2/2)
https://note.com/tasty_knot271/n/n11229c9835d4
館では先ず、火照った躰を冷却したかった。料金カウンター至近に怪獣動画「タローマン」が放映される一画に腰掛けました。気化熱が体外放出された後の、シャツ水分による自身への冷却の始まりを感じ取り。動画が面白過ぎて小1時間、観ました。館内では怪獣たちが、絵画に彫塑に姿を変えました。



人類に洞察を促すTARO。男鹿のナマハゲ、花巻の鹿踊、久高島イラブー漁を巡りました。パリのソルボンヌ大学に留学時、マルセル・モースさんに師事し。美学に一層ずつ厚みを加えた、と私は推し量りました。

1980年代「現代思想ブーム」に乗って当時、クロード・レヴィ=ストロースを些(いささ)か読んでいた私。約40年振りに名著『野生の思考』を読み直し、購入しただけで積んだままだった『構想人類学』初読みし。人類学に係わる領域を奇遇に耕した後、こちら館を探訪いたしました。
どれだけ観ても、幾度巡回しても、飽きが来ない不思議さ。精神領域の旅行体験を、漏れ無く味わえる。メビウスの環(わ)に乗った気分になります。

そして著作権に関する、突出した考え方にも吃驚(びっくり)しました。TAROは絵画を販売せず、芸術に帯びる金銭的価値を排除しました。彼の意向や精神性を財団が継承し、丁寧であれば、どの作品も自由に撮ることができます。
公器として存在する芸術。無限大の太陽エネルギーが、地球と人々をいつも照らします。陽射し強ければ尚、蔭亦(また)闇(くら)し。


個別の芸術が、爆発しております。途中で創作を止めた、と覚(おぼ)しき「半作品」に、どのような過程があったでしょう。謎を解けぬまま、次の展示に見入る私でした。

圧巻の作品群の中で、一際(ひときわ)を放つ『明日の神話』。その館に在りますし、TAROがメキシコ滞在時に仕上げた、更に巨大な同名作品が、渋谷マークシティ内に展示されております。京王線渋谷駅へ通じる路の広間に有り、往来なさる殆どの通行各位が、気付かず通り過ぎます。冷静に距離を置いて立ち止まり観察すると、滑稽にも感じました。
遠い異国で倉庫に仕舞われていた傑作に、巨費を投じ移送したでしょう。寄付金を募りつつ、無料開放し続けます。画中では1954年に被爆した第五福竜丸が、私達を真っ直ぐ見据えます。

