未来を変える高校生たち
vol.1338
12月ということで、ちょこちょこと今年を振り返っています。
特に印象に残った経験の1つが、小売業協会・生活者委員会で高校生たちと一緒にディスカッションしたこと。
昨今は教育の現場でESDが浸透しつつあるからなのか、非常に社会への意識が高い若者が多いと感じます。
より良い社会を築くために、起業も積極的に行う。
そうした動きは、私が触れ合った生徒たちだけではなく、世の中全体に広がっているようです。
そして、そうした想いをサポートするための環境も昔よりも整っている。
今日はそんな興味深いプログラムについて取り上げたいと思います。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ😊
高校生が運営する水族館
最近、面白い事例だと思ったのが、愛媛県南部の大洲市にある「長高水族館」です。
“長高” とは、県立長浜高校のこと。
そうなのです、こちらの水族館は長高の生徒たちが運営しているのです。
〈共同通信 / 2024年11月25日〉
実は、その歴史は古く、全国初の高校内水族館として誕生したのは1999年1月。
魚好きの子どもたちにとっての大きな魅力となっていました。
しかし、少子化もあり、近年は入学者数が2年連続で40人を下回ったこともあり、存続の危機にあったのです。
そこで2021年度から、全国から入学できる留学制度を導入したところ、2022年度は県外からの11人を含む57人が入学。
人気の高い水族館部を前面に出し、志望増の牽引力にもなっています。
昨日、【狭く強く届ける】という記事でもお話しした通り、
今はSNSでPRすれば、全国の子どもたちに、その魅力を伝えることができる。
今では、30人ほどだった部員は95人に増加し、約半数を県外出身者が占めるまでになっています。
横浜市出身の1年吉野響さんは
「魚が好きで、中学生の時に長高水族館を知り受験した。3年間でクマノミの交配を成功させたい」
と話しているのですが、その大人顔負けの目標設定と、その想いを叶えられる環境があることが素晴らしいですね。
ほかの場所でも、公共施設の運営を高校生たちに任す、もしくは協力してもらうという発想が生まれて欲しい。
地域にとっても、若者がその地に根付くきっかけになると思うのです。
そんなことを考えさせてくれる、長高の取り組みでした〜
高校生たちへの知的投資
そうした新しい風は、宮崎県西都市でも吹いています。
同市には、市内唯一の高校・県立妻高があるのですが、市が同校の生徒たちに20歳までの数年間、本を1冊貸し出す取り組みを始めたのです。
〈読売新聞 / 2024年12月2日〉
これは単に本を貸すというプログラムではありません。
市出身のカウンターテナー歌手米良美一さんや、お笑いコンビ「おかずクラブ」のオカリナさんを始め、Jリーガーやアイドルなどなど、市にゆかりがある方を中心に、約60人が選んだ約250種類の本が用意されたのです。
本はタイトルや著者が分からないよう1冊ずつブックカバーで覆い、背表紙に選者が付けたキーワードが記されている。
例えば『無理をして生きてきた人』(加藤諦三・著)という本については、「幸せになるために読む本」といったようなキーワードがつく感じです。
ほかにも
「心をタフにする本」
「夢を追い続けたくなる本」
「肩の力を抜く本」
といったように、推薦者が人生にプラスとなると思ったポイントをキーワードに。
さらには、選者のコメントが印字されたしおりが本に挟まれているのです。
もしかすると、人生を変える一冊に出会えるかもしれない。
普段、本に興味がない生徒でも、このようなイベント仕立てにすれば、面白そうと思う子はいるでしょう。
市と共に企画を考えたのは、一般社団法人「まちづくり西都KOKOKARA」なのですが、非常に参考になるアイデアです。
20歳の節目で思い出す
さらに、この企画は単に運命の本との出会いを提供するだけにも留まらない。
その続きがあるのです。
実は、本を貸す際、生徒たちには未来の自分に手紙を書いてもらいます。
高校時代の心の内や、なぜその本を選んだのかなどを綴ってもらう。
手紙は主催者側がいったん預かり、地元で開催される「20歳を祝う会」が近づく時期に本人に発送します。
高校時代の自分からの手紙に目を通し、本を改めて読み返してもらい、祝う会のために帰省したタイミングで返却してもらうことで、この企画は完結するのです。
このことについて、市とKOKOKARAは
「人生の節目に、かつて自分が書いた手紙や本を読み返し、次に進む力になればいい。地元に思いを寄せるきっかけにもしてほしい」
と語っています。
冒頭の高校生起業ということでいえば、最近も日経新聞で名古屋市が起業家を志す学生向けに20年に始めた「小中高生起業家人材育成事業」について紹介されていました。
〈日本経済新聞 / 2024年11月15日〉
今年度は高校生を対象に、航空・宇宙分野のディープテックでの起業家育成を目指すプログラムを新設したのですが、同事業に参加した高校生の人数は、11月10日時点で前年度比8割強も多かったそうです。
このように高校生の可能性を広げるさまざまなプログラムが社会に広がり、その環境を生かそうとする生徒たちも数多くいる。
こうした機会を通して、未来を豊かにしてくれる若者たちが増えていくと良いですね。
私もそんな事例に刺激を受けながら、自分も何か若者たちに提供できる企画を考えていけたらと思っています😊
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!
