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伊藤美来がインタビュー🖊️KAZOO&Smile 紗季<中編>

伊藤さんをデビュー当時から見守り続けてきた振付/演出のKAZOOさん、そしてバックダンサーとしてステージを共に支えてきたSmile 紗季さんの逆インタビュー<中編>をお届けします。


演出の核。伊藤美来であること

伊藤:続いてKAZOOさんに。私のライブを演出する時に意識している核は何ですか?

KAZOO:意識してる核は2つあって。ひとつは、大きなステージを組むとか、動く機材があるとか、新しい技術が入るって言うとどうしてもそっちを使いたくなるんだけど。自分の中で絶対的に守ったのは、伊藤美来が使ったらどうなるか、ってこと。だから、これをすると全体がこう見えますよって言われても、伊藤美来消えるならいらないですって。技術の発表会じゃないから。伊藤美来がいる。後ろにいようが前にいようが、演出上で敢えて隠そうが、あくまでそれが一つの……すごく普通で当然のことなんだけど、伊藤美来が核。何があっても。

伊藤:なるほど。

KAZOO:もうひとつは、さっき紗季が言ってたんだけど、日に日に成長するから、こっちも日に日に成長していかないといけないなと思って。

伊藤:えー!

KAZOO:知ってた?伊藤さん、リハ中に上がってく時あるんですよ(笑)。

スタッフ:(笑)

KAZOO:リハーサル中に変えたりするのは、俺の予想より超えたなっていう時。だから、ひとつできたからもうこれ守ってねって押し付けじゃなくて。なんとなくの完成形を渡した後に、それの上に行く。斜めでも。随時そう成長していってくれるからこそ、作る側も成長するような風にするかな。前回の公演ではこうだったけど、ごめん今回こうしようとかって、実はちょこちょこ言ってる時は、もっといけるなとかっていう風に常に完成形のその先を目指してる感じかな。

伊藤:嬉しい。

KAZOO:よくあるのは、リハーサルの前にまず頭の中で「あ、これ絶対楽しいよ」っていうベストのもの作るじゃないですか。で、いざ実際みっくとリハーサルを進めていくと想定以上の成長を見せてくれるから、「あ、すみません。もう一歩上の話を僕します」っていうふうになる感じのほうが多いかなっていう。
あと、持っていった演出が成功したから上げようだけじゃなくて、失敗もきっかけになるんですよ。リハーサルで「ここやりづらそうだな」っていう時のできない理由が、みっくが予想のもう一つ上行ってるから。だから端から見たら「みっくのタイミングずれてますよね」っていう風に思ったとしても、逆にみっくに合わせたほうが良いかもしれないとかっていう時もある。

『No.6』と勝手に頭の中で踊るみっく

伊藤:紗季さんは『No.6』で振付を担当してくださったんですけど、その時のこととか覚えてますか?

Smile 紗季:私?って思った(笑)。KAZOOさんじゃなくて、私に頼んでくれるんだって思ったら、KAZOOさんができないものをとにかく出さなきゃって。

KAZOO:できないことなんかないですよ(笑)。

伊藤:師匠こわい(笑)。

Smile 紗季:伊藤さんの現場に入る前にも、KAZOOさんの振りはちょこちょこやってたじゃないですか。加えて伊藤さんはKAZOOさんの振りをやってる時間がすごく長い。だから、やっぱりどうしてもKAZOOさん節があるんですよ。だから、とにかくKAZOOさんがやったものをパクらないようにしないと、っていうのがまず一番最初に考えたことでした。KAZOOさんがやった……見たことあるやつをやってはいけないっていうのが、まず最初。本当にそれ、めちゃくちゃ悩んだんですよ。

伊藤:確かに、これだけ長く一緒にやってたら、ステップとか音の取り方とか。

Smile紗季:そうそう絶対似てきちゃうから。そもそも自分もそれがやりやすくなっているから絶対出ちゃうと思って、一回KAZOOさんの振り全部忘れよう、まず一旦。
で、それプラス『恋はMovie』とか『閃きハートビート』とか、あのテイストで行きたいですって言ってくれていて。実は、それの振り付けのQ(Q-TARO)さんも先輩なんですよ。

伊藤:あ、そっか!

Smile 紗季:だからQさんのテイストも知っている。と思うと、あれを作れって言われたら作れないけど、でもなんとなく形がわかっちゃうから、それとも違わないといけない。自分に頼んでくれたところを、なんか似たような感じになっちゃったねってなっちゃうのはちょっと違うぞっていうのを思って。
でもありがたいことに、たぶんもうほぼ完パケの状態で音源をもらっていたから考えやすかったのと。KAZOOさんに振り付けってどうやって作るんですかって聞いた時に、勝手にみっくが頭の中で踊ってくれるんだよねって言うの。

伊藤:かっこよすぎる……!

Smile 紗季:天才型!でもそれって、長いこと見てるから。伊藤さんって手を出す時ってこうやって出すよな、とか、振り向いてって言ったらこうやってやるよな、とか伊藤さんの動きみたいなものがあるから。
それでたぶん勝手に頭の中で踊ってくれるんだと思うんだけど、私も一緒にやってきたから、これの時勝手に頭の中でみっくが踊ってくれたの!

伊藤:すごい……!

Smile紗季:本当に寝る時以外はずっと曲を聴いて。じゃあどこの音を取ろうとか、そういう風にまず考えていって。一旦作ったものを渡して、その後何回かやり取りしていくうちに固めていくっていう風に進めていって。だから遊ぶ時間があるというか、リハーサルとかでチャレンジを許してくれる現場だから、絶対これ違うけどやってみちゃお!みたいなポーズとか、動きとかを組み合わせていったら完成して。

伊藤:へー。

Smile 紗季:だからきっとみっくがこれをやったら、「おもしろ・おかしい・かわいいができる!!」っていうのを組み合わせていってあれができて、今までみっくとやってきたからこそできたし。
これ、この動き以外ないって思ったところは、リテイクが来てないんですよ。

伊藤:おおー!すごい。そうだったんだ。

KAZOO:知らなかった。

Smile 紗季:サビはもうあれ以外なかった。

伊藤:うん。

Smile 紗季:で、そのあとまさか初披露で一緒に踊れることになって。

伊藤:踊りましたね!

Smile 紗季:思ってなかった。で、それをきっかけにやっぱり、フェスとかに出る時にダンサーも一緒にって言ってもらえることがすごく多くなって。もうみくさんには足を向けては寝れない(笑)

伊藤:(笑)。最初、『No.6』ってミュージックビデオの振り付けのお願いだったと思うんですけど、ステージ上で一緒に踊るときのことも考えている時に見えていたんですか?

Smile 紗季:いや、見えてないです。もう必死すぎて。MVだからイメージ映像とかも入ってくるし、振り付けもサビだけでいいかなみたいな話だったんだけど、いずれはどこかのステージでやんなきゃいけないから一旦全部作って渡しますって。

伊藤:うん。

Smile 紗季:ただMVの構成とかまでは知らなかったので、必要な部分だけ採用されればいいし、みたいな感じで進んでいったのに結局全編ダンス。

伊藤:そうですね、結果的にダンス全開のMVになりました。

Smile 紗季:これは歌う時大変になっちゃう、ごめん、みたいな。

伊藤:(笑)なっちゃった、後から。

Smile 紗季:でもそもそもライブでやる想定で作っちゃうと、マイクを持つ片手を大きく動かせないなと思ったから、これはあくまでMV用っていうので作った記憶があります。

伊藤:なるほど。制限出ちゃいますもんね。

Smile 紗季:なので、MVとステージ披露はもう別物ぐらいな感じ。


伊藤美来の成長

伊藤:9年で私の最大の成長ってなんだと思いますか?

KAZOO:パフォーマンス的なところじゃないんだけど。話を理解してくれてるなって思うシーンがどんどん増えてきたってこと。こうしたいんだけどの一言で、こうなるんですね、みたいな感じでそれを全部を受け取ってくれて。例えばBメロを使って歌詞に沿ってちょっと移動してほしいんだっていうだけで、期待どおりの歩幅と表情で歩いてくれる。演出を理解してくれてるなっていうのが見えることが最近はある。言ったことが伝わってるし、逆にだからこそこうしたいのかなっていう思いもこっちに返ってくるわけ。
これが見えたのが成長かな。

伊藤:嬉しい……。

KAZOO:振付師としての意見としてちょっと変なんだけど、動きって練習すればできるのよ。期間が短いからできませんでしたはあるけど。だから、上手く踊れるようになりましたっていうのは意外と俺の中では成長評価にはならなくて。
その中にじゃあ何やるかなっていう、たぶんみっくの中でもあると思うけど、今回はこういう風にお客さんを楽しませようっていうやりたいことがやれるようになった。そして、やってることがちゃんと伝わるようになった。
自分たちだけでやりたいことをやってますじゃなく、しっかり人に届けるようになったな。だからこそ作ってる最中にこっちにも伝わるし、逆にこっちも伝えやすくなったしっていう。派手な意見ではないんだけど、自分の中で伊藤の成長ってそこかな。

Smile 紗季:KAZOOさんが作るものって結構余白があるから、前までは頑張って埋めてた。ダンサー含めてだけど。けど、だんだんそれが頑張らなくても埋まるようになってきたというか。ここはじゃあ遊びどころだから、思いっきり遊ぶ場所、ここは次に繋がるところがあるから、じゃあそれに間に合うように逆算していこうとかが、ものすごく自然にできたのが『from now on』だったような気がしてて。KAZOOさんが決めて渡してくれたらやるだけだけど、ここは伊藤さんとダンサーで決めて、って余白を投げてくれるから、そこでじゃあいろんなことやってみようよ、みたいなのをやれる。みっくとダンサーの関係値も浅い時だったら難しかったけど、今ではその時出たやつでいいんじゃん、みたいな。

伊藤:「余白」ですよね。

Smile 紗季:それができるようになってきた。ダンサーとしてみっくと関わっていく中で、みっくから「これって、この時ってこうしてもいいですか?」って言ってきてくれることも増えたし。ダンサーがこんな感じでやってるんだけどって伝えたら、「あ、じゃあ私それに合わせます」って言ってくれることも増えた。奥行きが出たな、って思いますね。

伊藤:嬉しい!楽しくコミュニケーション取りながらできるようになったのが嬉しいですよね。

次回、後編に続く。