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ついにJ-POP全盛期が来た!世界から注目される「J-POP 3.0」の時代

「最近のJ-POP、とんでもなくクオリティーが高い」。

これはあちこちで聞く声ですし、僕たちもYouTube「てけしゅん音楽情報」で何度もそんな話をしています。というか、こうしたJ-POPの新たな潮流=「J-POP 3.0」がなければ、僕らは音楽系YouTubeをやっていなかったかもしれません。

もはや「洋楽>J-POP」というオーソドックスな図式が成り立ちづらくなってきている時代であるだけでなく、世界でのJ-POP需要が高まっているというニュースを目にすることも少なくありません。

例えば、音楽データ分析を行うLuminate社によれば、2023年には世界のトップ10,000曲の中で日本語の曲が占める割合は2.1%となり、2022年の1.3%から大きく躍進

これは1年で約50%の相対増加に相当するなど、その成長は目覚ましく、2024年の正確なデータは発表されていないものの、さらに加速が見られたという話も聞こえてきています(小声)。

そして、そんなJ-POP躍進を示す象徴的な出来事が、米グラミー賞の運営団体による「2025年はJ-POPが流行へ向かう」というトレンド予測です。

これは2025年の音楽トレンド予測5選のひとつとして発表され、その中でもJ-POPが最初に挙げられていたことから、業界の注目度の高さがうかがえます。

こうした状況を見ると、J-POPが新たな全盛期を迎えようとしているのは明らかです。

僕たちは、このJ-POP 3.0の流れをYouTubeを通して発信・レポートしてきましたが、このnoteではより体系的にテキストとしてまとめていきたいと思います。

その第一歩として、この記事では
「そもそもJ-POP 1.0や2.0とは?」
「J-POP 3.0とは何か?」

といった基本的な話を、時系列で簡潔に紹介します。


筆者プロフィール:照沼健太
MTV Japan、株式会社インフォバーンを経て独立。2014年〜2016年にユニバーサル ミュージックジャパンのWEBメディア『AMP』の立ち上げおよび編集長を務める。2018年に合同会社ホワイトライトを設立し、テレビ東京やNetflixのメディア運営、レディオヘッドらのCD封入解説文、HIKAKIN・米津玄師・押井守・藤本タツキなどのインタビューを担当。2023年末からYouTubeチャンネル「てけしゅん音楽情報」を運営(2025年2月末時点で登録者数約5万人)。

J-POP 1.0:CDバブルとTVの時代(1980年代〜1990年代後半)

「J-POP」という言葉は、1980年代後半にFMラジオ局J-WAVEが「Japanese Pop」を略して使い始めたという説が有力です。その起源には諸説あり、1970年代のシティポップやニューミュージックをルーツとする見方もありますが、いずれにせよ、J-POPは80年代後半から90年代にかけて爆発的に成長しました。

この時代、音楽業界はCDバブルの真っ只中。レコード会社や芸能事務所、テレビ局など大手メディアが一体となり、テレビ番組・ドラマ主題歌・CMタイアップと連携しながら、次々とヒットを生み出しました。

安室奈美恵、Mr.Children、B’z、CHAGE and ASKAなどのアーティストが続々とミリオンヒットを達成し、CDが200万枚や300万枚売れるのも珍しくない時代でした。

代表的なアーティスト/楽曲

CHAGE and ASKA「SAY YES」 (1991)

ドラマ『101回目のプロポーズ』主題歌として社会現象的ヒット。テレビ視聴率との相乗効果で、音楽チャートでも圧倒的なセールスを記録しました。

B’z「LOVE PHANTOM」 (1995)

ハードロック要素を含むギターサウンドとキャッチーなメロディが融合したスタイルで、ミリオンヒットを連発。雑誌やテレビでの露出が大規模に展開されました。

Mr.Children「Tomorrow never knows」 (1994)

ドラマとのタイアップにより広く認知され、90年代を代表するバンドに。アルバム『BOLERO』は300万枚超のセールスを記録するなど、CD黄金期の象徴に。

安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE?」 (1997)
小室哲哉プロデュースによる「小室/TKファミリー」の頂点的ヒット。結婚式ソングとして長らく定着し、女性ソロアーティストとしてのミリオンセールスを更新。

J-POP 2.0:ネットと成熟/停滞の時代(2000年代〜2010年代初頭)

2000年代に入り、J-POP 1.0の根幹であったCDの売上は急落しはじめます。その大きな要因となったのが、iPodとインターネットの普及です。iPodは大量の楽曲を一台のデバイスに保存できるため、CDの価値が「音源データを取り込むためのツール」に変わっていきました。

さらに、ナップスターやWinMX、WinnyなどのP2Pファイル共有ソフトの流行が違法ダウンロードを拡大。音楽は「買うもの」から「データとしてシェアするもの」へと変わり、CDバブルは崩壊へと向かいました。

そんな時代にマスで成功を収めたのが、AKB48と嵐です。これは「AKB商法」と揶揄される握手券などの特典を主体とするCD販売、そして強いロイヤルティを持つアーティストのパワーが証明された時代とも言えるでしょう。

チャート常連の停滞も含め、この時代のJ-POPを暗黒期と見る向きも少なからず存在します。しかし、その水面下では新たな動きが始まっていました。

YouTube(2005年)やニコニコ動画(2006年)は、音楽の発信方法に革命をもたらします。特にボーカロイド(初音ミクなど)の登場は、ユーザーが楽曲を生み出し、二次創作によって拡散する新たな文化を形成しました。

代表的なアーティスト/楽曲

ORANGE RANGE「花」 (2004)

映画主題歌として大ヒットし、携帯電話の着うたダウンロードも記録的数字を叩き出す。実は2ちゃんねるが楽曲誕生に大きく影響しており、ネットカルチャーの流れを汲む楽曲でもあります。

AKB48「ヘビーローテーション」(2010)

2005年に秋元康プロデュースのもと、「会いに行けるアイドル」として活動を開始。テレビや雑誌といった従来のメディアではなく、劇場公演を基盤とする新しい形態のアイドルグループでしたが、2009年頃から「選抜総選挙」や「じゃんけん大会」などの仕掛けが話題を呼び、急速に国民的アイドルへと成長。

嵐 - 「Love so sweet」 (2007)

メンバーの松本潤が出演するTBS系ドラマ 『花より男子2(リターンズ)』 の主題歌として起用され、大ヒットを記録。

BUMP OF CHICKEN「天体観測」 (2001)

テレビ露出が少ないながらも、ラジオや口コミ、ネット掲示板などで支持を広げてバンドブームを牽引。ロックフェス文化の隆盛とも相まって人気が爆発。

ボーカロイド現象/supercell「メルト」 (2007)

初音ミクを用いた楽曲制作がニコニコ動画でブームになり、リスナー自身がリミックスやイラストを投稿。ユーザー間の“共創”文化を切り開いた重要なトピックです。

J-POP 3.0:ストリーミングと飛躍の時代(2010年代後半〜現在)

2010年代後半、SpotifyやApple Musicといったストリーミングサービスの定額制プランが急速に普及し、スマートフォンで誰もが気軽に曲を探して聴くスタイルが当たり前になりました。

さらにストリーミングサービス内では、ロック、ヒップホップ、アニソン、K-POPなど多様なジャンルが横並びで紹介され、日本国内と海外の境界も希薄に。ユーザーはアルゴリズムによるレコメンドやプレイリストを通じて、ジャンルの垣根を意識せずに新しい音楽と出会えるようになりました。

また、TikTokをはじめとするショート動画プラットフォームでは、数十秒のダンス動画が世界的なバイラルを生むようになったほか、YouTubeも含めてアルゴリズムの働きによって日本の音楽が海外で発見される動きが加速していきます。

そんな時代にJ-POPは新たな化学反応を起こし、質・量ともに爆発的に盛り上がりを見せているのがJ-POP 3.0の時代です。

代表的なアーティスト

米津玄師

ボカロP「ハチ」時代の経験を活かし、作詞作曲からイラスト・映像表現まで多角的に手がける新時代の総合芸術家的アーティスト。ネット発→メジャーという新たな構図を作った点でも重要な存在と言えます。

YOASOBI

「小説を音楽にする」というコンセプトで、ネット上の投稿小説から楽曲を制作。MVやイメージビジュアルも含めて一貫したストーリーテリングを構築し、YouTubeやTikTokでの拡散により一気に大衆化。英語版や多言語での展開も積極的に行っています。

Vaundy

学生時代からSNS経由で作品を発表し、ストリーミング再生数を伸ばしながら瞬く間に音楽チャートに躍り出たアーティスト。ジャンルのボーダーを意識しないサウンドメイクや、大胆な引用は、新たな世代を象徴。

世界へ向かう「J-POP 3.0」

もちろん、ここで示した区分は一つの整理に過ぎず、実際には1.0と2.0の狭間に位置するアーティストや、2.0の手法を取り入れながら3.0の文脈でも活躍するベテランなど、例外は無数に存在します。

とはいえ、今のJ-POPシーンを理解するうえで、「J-POP 1.0→2.0→3.0」と変遷してきた流れを俯瞰することは、大きな手がかりとなるはずです。

あらためて整理しましょう。

J-POPはその隆盛期である1.0の時代、ネットを巡る成熟と停滞の2.0の時代を経て、ストリーミングが世界を横断する3.0の時代へと大きく進化してきました。

そしてこの2025年は、J-POP 3.0が「世界基準の音楽」として本格的に花開こうとしている時代です。

音楽業界は「炭鉱のカナリア」と呼ばれるほど、あらゆる業界に訪れる変化が先駆けて表れる分野だと言われています。

カルチャー的にも、ビジネス的にも、今ほどJ-POPに注目すべきタイミングはありません。


以上はあくまで全体を俯瞰するための大雑把な概論ですので、各時代についての詳しい分析や特筆すべきアーティストや作品、話題、そして「J-POP 3.0」の最新情報などは別途記事や動画にしていきたいと思います。

ぜひ、YouTube「てけしゅん音楽情報」のチャンネル登録と、このnoteのフォローして、次の更新をお待ちいただければ幸いです。

(照沼健太)

↑J-POP 3.0前夜の貴重なドキュメントとも言える書籍です。

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