「稼げない」 書けば書くほど稼げない
繰り返される「ライター」問題
ライターが稼げない問題は、時々話題に上がります。直近でもこのようなポストが拡散されていました。
ライター稼業の整理、ということをこの1年でものすごく考えるようになった。私を必要としてくれる人はいるにはいるが、彼らの提示するギャラでは全く生きてはいけない。今後は親の介護も一人っ子の私にきっとのしかかってくる。そもそも全然稼げていない。もう今までみたいには生きてはいけない(続 https://t.co/FVUg4KoIK3
— 白央篤司 (@hakuo416) August 31, 2025
発信者の方はきっと切実な思いを抱いているのでしょう。
がんばっても安い報酬しか得られない。文章を書くことは大変なのに、得られる収入では生活は楽にならない。未来が見えない。そうした苦しみを抱えていることが、想像されます。
こちらの「ライター食えない問題」についてはてけくんも書いており、ここに書かれていることに僕も同意しています。
ただ、僕の視点から話せることも沢山あるので、僕なりの意見を述べていきたいと思います。
著者プロフィール:伏見瞬
批評家・音楽系YouTuber。東京生まれ。
音楽・映画・文学など、表現文化全般に関する執筆を様々なメディアでおこなう。2017~18年「第三期ゲンロン批評再生塾」で東浩紀審査賞を受賞。2018年から旅行誌を擬態する批評誌『LOCUST』編集長。2022年からトークイベント「歌舞伎町のフランクフルト学派」を批評家・西村紗知とともに主宰。
著書に『スピッツ論 「分裂」するポップ・ミュージック』(2021年、イースト・プレス)。2023年末からはYouTubeチャンネル「てけしゅん音楽情報」を運営(2025年8月時点でチャンネル登録者数約6万人)
そもそもの話
まず、僕は思うわけです。
「そもそもなんで稼げると思っているのか?」
今の社会を見渡せば、いわゆるライターが稼げないのは明らかです。僕が商業媒体で書き出した2019年頃にも、すでにわかりきっていました。
これが1990年代なら違ったでしょうが、その頃とは産業形態も社会状況もまるっきり違います。広告収入が雑誌や本に潤沢に入っていて、その分原稿料に上乗せできた時代と今では、何もかも違うわけです。
依頼された原稿料と執筆にかかる時間を計算すれば、採算が取れない。カルチャー系の媒体では4000字書いて1万円くらいの仕事がざらにある。僕の場合、4000字書くには8時間くらいは必要です。速く書けても4時間はかかる。そうなると、時給換算で1250円~2500円になります。文献を調べたり作品を鑑賞したりする必要のある批評文ではもっと割りが合わない。バイトに毛が生えたような金額しかもらえない。多くの雑誌やweb媒体の経済的体力が衰えている。それはすぐに直感できました。
これでは仕事にならない。
だから僕は、会社に勤めながら文筆を続けるしかないと思い、兼業生活を続けてきました。
安定した収入を得ながら、空いてる時間で書き仕事をする。
生活の保障と、実存的な執着をどちらも満たすためには、それしかないと思っていました。
しかし、その生活にも変化が訪れることとなりました。
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