いつのまにか「大・録音時代」!"サウンドメモ"はじめてみた
「音声」が、気づいたら資産になっていた。
僕はYouTube「てけしゅん音楽情報」の動画制作において、ミュージシャンたち本人の発言やコメント、いわゆる「一次ソース」を大切にしています。
それらを提示した上で、補足あるいは新たな視点を持ち込むことで、信頼性とエンタメ性が両立できる。そう考えているからです。
これからキュレーションとAIの時代が進めば進むほど、この「一次ソース」の重要性は増していくことが予想されます。
そんな「一次ソース」の最たるものが今回のテーマの「音声」であり、それを最大限活用するのが“サウンドメモ”です。
筆者プロフィール:照沼健太
編集者・ライター・YouTuber。テレビ東京やNetflixのメディア運営、レディオヘッドら数々のアーティストのCD封入解説文、HIKAKIN、米津玄師、押井守、藤本タツキなどのクリエイターや多くのビジネスパーソンの取材を担当。2023年末からはYouTubeチャンネル「てけしゅん音楽情報」を運営(2025年9月時点でチャンネル登録者数約6万人)。
今、あらゆるコンテンツが“耳の時間”を奪い合う

ここ数年、音声コンテンツは主流へと一気に跳ね上がりました。駆け上がったというか、ジャンプした感じです。
なぜならば、通勤や家事、散歩や筋トレのあいだ、いわゆる「ながら聴き」が当たり前になり、YouTubeやポッドキャストが“耳の可処分時間”を丸ごと開拓しているから。
実際に僕たちが共催した、映画・音楽ジャーナリスト 宇野維正さんと文芸評論家 三宅香帆さんとのイベントでも「音声コンテンツの渋滞」という話題が上がっていました。
ちょうど最近、ポップ音楽の世界でも次のような超重要な音声コンテンツが連発されていて、僕たちのYouTubeライブ配信でも話題の中心となりました。
藤井風のFM802出演
Number_iのApple Musicオリジナルラジオ番組
米津玄師×藤本タツキ 対談
これにはもちろんAirPods Proのようなワイヤレスイヤホンの普及、そしてタイパ志向の一般化も影響しています。
↑Apple副社長にインタビューしました。貴重な内容ですので、ぜひ!
さらには、市場の数字もそれを裏づけます。
オトナルの調査によれば、ポッドキャストの全年代の利用率は15.7%だが、15~19歳では32.8%、20代では25.0%が利用しており、TikTokと同等の利用率となっている。
"価値ある情報"の本質は、ほとんどが「言葉」
僕たちのYouTubeも、実は本質的には音声メディアであり、できるだけ画面を見なくても成り立つように作っています。
とはいえ、基本的にはそれを意識せずとも、ほとんどのYouTube動画や映像は「音声に映像がくっついている」構造になっています。テレビの情報番組だってそうですよね。
つまり、言葉が情報の基本単位なんです。これは当たり前のことですが、多様なメディア発信ができる時代だからこそ、あらためて確かめたい事実です。
そして、その言葉を紡ぐこと、さらには言葉に信頼性を持たせる最もプリミティブな方法が「音声」なんです。
しかし、ここでは「音声コンテンツ作らないとヤバいよ!」「発信しよう!」みたいなクリエイター/メディア側の話をしたいわけではありません。
こんな時代にこそ、受け手としても「録音」が重要なのではないか?
そう考えての実践レポートを紹介したいと思います。
なぜ「録音」するのか? なにを「録音」するのか?

まず、録音しようと思ったきっかけは2つあります。
一つ目は「日記を書きたかった」から。
二つ目は「音声データが資産になる」と直感したから。
ベストセラー本『サピエンス全史』で知られる歴史家ユヴァル・ノア・ハラリは、AI時代に対応した2025年の著作『NEXUS 情報の人類史』で「富の源泉は土地から貨幣、そして情報へと移ってきた」旨を書いています。
そう考えれば、まさに「GAFAM」は“情報の結節点”にいる企業ばかり。
僕たちがGmailやInstagram、YouTubeを無料で使えるのは、彼らに情報を支払い、広告という情報を受け取る時間を提供しているからです。
ただし、情報はお金の完璧な代替ではありません。価値は文脈しだいであり、同時に時間とともに劣化もする。だからこそ、音声データを“手元資産”として運用する視点が要るのではないかと思いました。
あまりこういう言い方はしたくありませんが、「音声を活用しないのは損」ってことです。
活用。つまり、録音するだけでなく「その録音データをどうするか」が肝心なわけですね。
押さえたいのは、次の3点。
なにを録るか
どう構造化するか、文脈をつくるか
どこに置くか
一つ目の「なにを録るか」から説明していくと、僕が録音しているのは……
いただいたチップはより良いコンテンツ制作に使わせていただきます!
