【短編小説(短編連作)】辻切区のどこか奇妙なXmas 24 清々しい朝 1000字
[HL:クリスマスって結局いつ祝うものなんだろ]
25日の早朝は不思議に晴れて空気は綺麗に澄み渡り、俺は白い煙を吐きながら、駅に向かう人の流れに逆走していた。家に飛び込んで大慌てでシャワーして、簡単に髪を整えていてなんだかげっそりしているなと気づく。それで少しのコンシーラーをぼかして何回か顔の角度を変えてチェックして、まあいいかと伸びをした。
昨日の記憶はほとんどないけれど、なんかやり遂げた感はある。そう思えば、同時になんかすっきりしてるなとも感じた。あと半分だ。
「さて、行きますか」
そう呟いて再び家から出れば、世界は不思議に白かった。大慌てで走ってきた街路は除雪されていたけれど、それ以外の部分は淡く白い。試しに靴でその端っこを踏んでみれば、カシュリと音がした。夜中に雪が降ったのか。全然気が付かなかった。それで地面はなんだか冷たく、両腕をこすりながら丘を降りて街道で左折しクウェスの前でいつもの席に環が座っているのをチラ見して煉瓦坂に入れば、それぞれの店先で雪かきが行われている。その白に商店街でレンタルした各店の前のに置かれたポインセチアの鉢の赤が綺麗に映えて、なんとなく紅白でお正月的だなと感じる。環の歳末感謝祭の言葉に引っ張られているのかもしれない。
「公理さん、おはようございます。ちゃんと帰ったんですね」
「おはよう吾郷君。まあなんとかね。身だしなみ整えないと始まらないし」
なにせ俺はスタイリストのはずなので。他の人をかっこよくきれいにするにのに自分が乱れてると駄目なんだ、やっぱり。
「今日は雪だるまがないんです」
「え? 雪だるま」
そういわれて見渡せば、ないな。妙に寂しい。
「いつもは雪が降ればいくつかはできてるんですけどね」
「パーティで忙しかったんじゃない?」
店内でツリーのオーナメントをお客さんに差してなかったことを確認し、ツリー下の散らかりは手を振れないぞと心に決めて歳末感謝祭と呟き、バックヤードにに入って25日用のギフトを失念していたことに気が付く。パーティって24日のイメージだったから。それであたりを見回して、思い出してバックから雪まみれのスノードームを取り出して袋に突っ込んだ。
「パーティか。本当にパーティなんてやるのかね」
そう呟けば、パーティパーティとかすかな声が聞こえた気がしたけれど、きっとそれは気のせいだ。
それで深呼吸して、ハイタッチして、店のボードを再びOpenにひっくり返す。
to be Continued
一応次が最終話予定ですが、中身を何も考えていないので、流れによっては25日に追加1話を書いて完結にするかもしれません。
簡単に家とかきましたが智ちゃんの家はグランタワーの中層階の賃貸で結構ラグジュアリーな感じの広い1LDKです。税理士さんの言うまま美容院名妓で借りて経費として落としてます。室内には冷蔵庫とベッドとソファとテーブルとテレビくらいしかなくて寝に帰るくらいで、冷蔵庫には酒しか入っていません。智ちゃんちを拠点に藤友君という狂気的に不幸な高校生とバディでやる館ものホラーがあるのでそのうちリメイクするつもりだけど、Noteに持って来るかはわからないや。
★次の話

#いつきちゃんのアドベントカレンダー
#ポインセチア
おじゃましますー。なるべく毎日、智ちゃんが主人公の話を書いてみようかな的な。途切れたらそれまで。
★似た系列の話
そういえばこれも白いなと思って(雑。
