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【短編小説(短編連作)】春崎夜道の『夜散歩』なXmas 23 とうとう雨まで降って来た 1000字

[HL:ノープランでここまできて、ここからもノープランです(キリッ]

「あれ、今日の予報って雨だったかな」
 そう思って見上げれば、ポツリポツリと雨が降り出した。クリスマスに雪じゃなくて雨だなんて、風流じゃないな。そう思って視線を戻せば、雨から逃げるように列は散り散りになっていた。さすがに雨の中でツツジにオーナメントを飾るのは寒そうだ。雨の音に交じって流れるジングルベルが余計に寂しく聞こえるだけで、テントの下からでは最早クリスマス感なんて感じられない。
「夜道ちゃん、お疲れ様。子ども向けの外のブースは今日はおしまいだって」
 振り向けば、草薙さんがあったかいカフェオレのカップを持っていた。冷たい雨に冷えていた気持ちがちょっと温まる。
「ありがとうございます。えーと、私はどこに回ればいいでしょうか」
「とりあえず一息ついていいんじゃないかな。それにしても1人? ここは午後は2人担当だと思ったけど」
「あはは、お昼にいっちゃってー」
 最初にいた人は帰ってこないなぁ。終わるならもういいんだけれど、なんとなく腑に落ちない。手持無沙汰に見上げればブースのテントが覆いかぶさりその上は灰色の空が広がっていて、スノードームに閉じ込められたみたい。あの分厚そうな雲の上は晴れているんだろうけど。
「テントの片づけってします?」
「それは他のスタッフさんがやるはずだよ。力仕事だし。なんなら夜道ちゃんはこのまま帰っちゃっていいんじゃないかな」
「え、そんな。悪いですよぅ。一応8時までは予定あけてますんで」
 けど草薙さんはチャーミングに小さくウインクした。
「本当に大丈夫。それに夜道ちゃんが一番準備頑張ってたの、夜番の人はみんな知ってるし」
 そんなに頑張ったかな。飾り付けとかはたくさんしたかもしれない。手先を動かせば逆に考えなくていられるんだ、クリスマスなんて。
 それに今、ここで時間が空いても9時まで手持無沙汰。今ラボに行っても仕事中で迷惑だろう。クリスマスパーティ。きっと大して盛り上がりもしないのに、早くいってもって感じ。ひょっとしたら良いことがあるじゃないかって期待と、失望の予告編みたいなチリチリした諦めを朝から持て余してて、ラボで大岳が仕事を終えるのを待つなんて耐えきれなさそう。
「私、まだ時間」
「だってカレシさん待たせてるでしょ?」
「え?」
 私の言葉を半ば遮った草薙さんの言葉に奏汰さんでも来たのかなと思いつつ、あれはカレシじゃないですと言おうと思って目を上げて、そのまま固まった。そこには傘を差した大岳がぼんやりと立っていたから。

to be Continued

★次の話

#いつきちゃんのアドベントカレンダー
#ジングルベル
おじゃましますー。なるべく毎日、神津を中心に夜道ちゃんが主人公の話を書いてみようかな的な。途切れたらそれまで。

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じゃらじゃらじゃら。

#小説 #短編小説 #ショートショート #私の作品紹介 #創作大賞2026 #恋愛小説部門


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