【短編小説(短編連作)】春崎夜道の『夜散歩』なXmas 16 素敵なデートの行く先は 1000字
[HL:クリスマスが近づいてくる]
「さて、本日の春崎夜道の『夜散歩』の放送はここまで! とうとうクリスマスも目の前に迫って来ました。夜道も24日はスカイタワー公開スタジオ前広場で色々キャンペーンのお手伝いしてるから、よかったら遊びに来てね!」
エンディングテーマを流して次のパーソナリティに席を明け渡す。そして控室でスタッフさんと簡単な反省会が終わるころ、草薙さんがカップを持って現れる。
「夜道ちゃん、お疲れ様」
「ありがとう! このカフェラテのために頑張れるよ~」
「あはは、今日も気を付けて帰ってね~」
ここは不夜城だ。日曜深夜以外はずっと誰かが喋っている。
後ろ手でぱたりとスタジオの扉を閉めれば冷たい風に思わず肩がちぢこもり、目の前のツリーを見上げた。
1か月弱ほど前に見上げたツリーとはまるで違って、ぴかぴか光り輝いている。ツリーに向かって四方八方から集まる並木も電飾で飾り立てられ、上層階から見れば飛行機の誘導灯のようにツリーに向かっているらしい。上空から見ればここにめがけてサンタが下りてくるのに丁度よさそう、らしいけど。ゆっくりと近寄ってその直下から見上げたもみの木は、広がる葉影に遮られて中心部にはただ闇だけが広がっていた。何もないみたいに。
「おつかれ、夜道ちゃん」
振り向けば、ちらちらと灯る街灯りを遮るように、黒い影がもみの葉の下端と地面を繋げるように立っている。
「楽しいクリスマスは過ごせそう?」
「なんで西野木さん経由なんです?」
「直接だと受け取ってくれなさそうだったから」
この影はいつも温度がよくわからない。
「スキーの予定はたちません」
「話にも出してないんだろ」
「そんな余裕はありませんから」
「あるよ。行く気がないだけだ」
それはまぁ、そうだろう。私は時間は作れる。大岳もきっと。
「行く意味もありません」
「楽しいよ、きっと」
楽しい、のかなぁ。どちらかというとスキーは好き。運動全般嫌いじゃない。すごく好きなわけでもないから、自主的に行ったりはしないけれど。
けれど大岳と一緒にスキーに行ったのを想像しても、楽しみ方がよくわからないや。きっと大岳はスキーが好きなわけじゃないだろう。ラボで研究してる方が圧倒的に好きなはずだ。私とスキーに行くよりも。
「つまらなさそうです」
「大岳は呼べばくるさ。大岳がつまらなそうでもつられてつまらなく感じる必要もないじゃん、勝手に楽しめば」
突き放したように聞こえた言葉に反発する。
「奏汰さんはそれで楽しいと思います?」
「もちろん。大岳も多分そうだ」
to be Continued
★次の話
#いつきちゃんのアドベントカレンダー
#クリスマスツリー
おじゃましますー。なるべく毎日、神津を中心に夜道ちゃんが主人公の話を書いてみようかな的な。途切れたらそれまで。
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お気楽ラブコメ。一校のつもりで書いたんだっけ。うーん。
#小説 #短編小説 #ショートショート #私の作品紹介 #創作大賞2026 #恋愛小説部門
