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何気なく寝ていたけど、睡眠中の体は思った以上に働いていた― ダイエットと筋トレにも関わる睡眠の話 ―

ダイエットや筋トレの話になると、どうしても食事や運動が中心になります。

自分も減量中は、何を食べるか、何kcal摂るか、タンパク質を何g摂るか、筋トレでは何セットやるか…そういうことばかり気にしていました。

もちろんそれはかなり大事だと思います。

でも最近、睡眠について論文をいくつか調べていて思ったのが、

「睡眠って思っていたよりかなり重要かもしれない」

ということでした。

そもそも今回睡眠について調べようと思ったきっかけは、本当に単純な疑問でした。

何気なく毎日寝ているけど、寝ている間って体の中で何が起こっているんだろう?

普段は寝て起きるのが当たり前なので、自分も睡眠を「疲れを取る時間」くらいにしか考えていませんでした。

でも論文を見ていくと、睡眠中って単純に休んでいるだけではなくて、

食欲を調整するホルモンの制御
筋肉や組織の修復
成長ホルモン分泌
インスリン感受性の調整
神経系の回復
脳内老廃物の除去
体内時計の同期


みたいなことがかなり動いているみたいでした。

つまり体が止まっている時間というより、

体をメンテナンスして次の日の状態を整えている時間

に近いのかもしれません。

しかも面白いのは、睡眠不足で起こる変化は1つじゃないことです。

食欲、代謝、回復、筋肉、活動量など、複数の部分が少しずつ同じ方向に動くことで、結果として大きな差になる可能性があります。

睡眠不足は「太りやすい状態」を作る可能性がある


睡眠と肥満についてはかなり多くの研究があります。

前向き研究をまとめたメタ解析では、短時間睡眠者は十分な睡眠を取る人と比較して、将来的な肥満リスクが約1.2〜1.4倍高いことが報告されています。

もちろん睡眠不足だけで脂肪が増えるわけではありません。

体重は最終的にはエネルギーバランス、

摂取エネルギー − 消費エネルギー

で決まります。

ただ研究を見ると、睡眠不足はこのバランスを「プラス方向」に傾けやすい可能性があります。

なぜ寝不足だと食べたくなるのか


睡眠不足でよく出てくるのが食欲ホルモンです。

研究では睡眠不足時に、

グレリン(空腹促進)↑
レプチン(満腹感)↓


という変化が報告されています。

つまり、単純に意志が弱くなるというより、

体自体がエネルギーを欲しやすい状態になる

イメージです。

さらに睡眠不足では脳の報酬系にも変化が起こる可能性があります。

fMRI研究では、睡眠不足時に高カロリー食品への反応が強くなることも報告されています。

つまり寝不足の日って、

「鶏胸肉食べたい」

より、

「ラーメン食べたい」

「甘いもの食べたい」

になりやすい可能性があります。

個人的にもこれはかなり感じていました。

自分も寝不足の日はかなり違いを感じていた


少し自分の話をすると、寝不足の日はかなり違いを感じていました。

筋トレでは同じ重量なのに、

「今日はなんか力が入らない」

「集中力が続かない」

「最後の数回が異常にきつい」

みたいなことが結構ありました。

あと個人的には寝不足の日ってかなり過食していました。

夜になると、

「まだ何か食べたい」

「甘いもの欲しい」

「満腹感があまりない」

みたいなことが結構ありました。

最初は完全に意志の問題だと思っていました。

でも調べると、睡眠不足ではホルモンや神経系の変化が起こる可能性があることを知って、自分の感覚と少し繋がった気がしました。


筋トレ側も睡眠の影響はかなり大きそう


筋肉はトレーニング中に成長しているわけではありません。

トレーニングは刺激で、その刺激に適応する回復過程で筋肥大が起こります。

その回復の中心にあるのが睡眠です。

睡眠には、

NREM睡眠(ノンレム睡眠)
REM睡眠(レム睡眠)


があります。

さらにNREM睡眠の中でも深い睡眠(Slow Wave Sleep)が重要だと言われています。

この時間帯では成長ホルモン分泌が大きく増えます。

成長ホルモンは「筋肉を直接大きくするホルモン」というより、

組織修復
タンパク質代謝
脂質代謝
回復過程の促進

などに関わっています。

さらに睡眠剥奪研究では、

筋タンパク合成:約18%低下
コルチゾール:約21%増加
テストステロン:約24%低下


という変化も報告されています。

つまり睡眠不足では、

筋肉を作る環境より、分解方向に少し傾く可能性がある

ということです。

就寝前のタンパク質摂取も少し面白かった


睡眠について調べていて、個人的にもう1つ面白かったのが、就寝前のタンパク質摂取についてです。

筋トレをしている人だと、トレーニング後のプロテインはかなり意識すると思います。

自分も最初は「筋トレ後に飲むもの」というイメージが強かったんですが、調べていくと、寝る前の摂取についても結構研究されていました。

寝ている間って、当たり前ですが7〜8時間くらい食事をしません。

つまり見方を変えると、睡眠中は長時間の軽い絶食状態に入っています。

筋タンパク合成はアミノ酸を材料にして行われるので、その時間帯にもアミノ酸を供給できれば、回復や筋合成をサポートできるんじゃないか、という考え方です。

そこでよく研究されているのがカゼインプロテインです。

ホエイプロテインは吸収が速いことで知られていますが、カゼインは比較的ゆっくり吸収される特徴があります。

そのため血中アミノ酸濃度を比較的長く維持しやすく、睡眠中の長時間に向いているんじゃないかと考えられています。

実際、研究では就寝前に約30〜40g程度のカゼインを摂取することで、睡眠中の筋タンパク合成が増加したことが報告されています。

さらに12週間のレジスタンストレーニング研究では、就寝前にタンパク質を摂取したグループの方が、筋力や除脂肪体重の増加が大きかったという結果もありました。

もちろん、

「寝る前にカゼインを飲めば筋肉が急に増える」

という話ではないと思います。

まず前提として1日の総タンパク質摂取量が十分であることが優先です。

ただ、その上で考えるなら、

睡眠中の回復環境を少し整える方法の1つ

としては面白いなと思いました。

個人的にも減量中は夜に空腹感が出ることがあったので、そういう時にお菓子を食べるよりは、

カゼインプロテイン
無糖ギリシャヨーグルト
高タンパクヨーグルト

みたいなものの方が使いやすそうだなと思いました。

カゼインが入ってておすすめです!

深い睡眠に入りやすくするためにできそうなこと


睡眠時間だけでなく、睡眠の質も重要です。

特に深い睡眠は睡眠前半に多く出現するため、入眠の質はかなり大事になります。

論文を見ながら現実的にやりやすそうだと思ったのは、

起床時間を毎日なるべく固定する
朝起きたら日光を浴びる
寝る90分前くらいに入浴する
スマホを寝る直前まで見ない
夕方以降のカフェインを減らす
就寝直前の高強度トレーニングを避ける
寝室温度を少し低めにする


特に入浴は、入浴後に深部体温が下がるタイミングで眠気が起こりやすくなると言われています。


まとめ


今回論文を調べていて感じたのは、睡眠ってかなり地味な存在だということです。

睡眠したから脂肪が燃えるわけでも、筋肉が急に増えるわけでもありません。

でも、

食欲
ホルモン
代謝
回復
筋タンパク合成
活動量


こういうもの全部に少しずつ関わっています。

だから睡眠は主役ではなく、

ダイエットや筋トレの結果を支える土台

として考えるのが一番自然なのかなと思いました。

食事も頑張っている。
筋トレも頑張っている。
でも思ったより変化しない。

そんな時は、食事やトレーニングメニューをさらに細かく調整する前に、一度睡眠を見直してみるのもありかもしれません。

こちらの記事もおすすめですよ!


今回の記事は、主に以下の論文・レビューを参考にしています。

睡眠とダイエット関連

* Effect of Sleep Extension on Objectively Assessed Energy Intake Among Adults With Overweight in Real-Life Settings(Tasaliら, JAMA Internal Medicine, 2022)
* Short Sleep Duration and Obesity Among Adults: A Meta-analysis(Wuら, Sleep Medicine, 2014)
* Sleep deprivation, circadian disruption and metabolic health(Chaputら, Nature Reviews Endocrinology, 2022)

睡眠と筋トレ関連

* The effect of acute sleep deprivation on skeletal muscle protein synthesis and hormonal environment(Lamonら, 2021)
* Pre-Sleep Protein Ingestion to Improve the Skeletal Muscle Adaptive Response to Exercise Training(Trommelen & van Loon, 2016)
* Protein ingestion before sleep increases muscle mass and strength gains during prolonged resistance-type exercise training(Snijdersら, 2015)
* The effect of acute sleep deprivation on skeletal muscle protein synthesis and hormonal environment(Lamonら, 2021)
* Pre-Sleep Protein Ingestion to Improve the Skeletal Muscle Adaptive Response to Exercise Training(Trommelen & van Loon, 2016)
* Protein ingestion before sleep increases muscle mass and strength gains during prolonged resistance-type exercise training(Snijdersら, 2015)

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